チセヌプリ(1135.4m)
チセ沼(1125m 110u・290u)長沼(780.1m5.9ha)神仙沼(764.3m1.19ha)展望台(755.0m) 
コース 東口 神仙沼休憩所 ダム保守道路 湯本温泉
(廃道)
東口→神仙沼
=写真をクリックすると大きなサイズになります=

 ポイント
 山頂には二等三角点袴腰1134.22mが設置されている。頂上は東側の岩の上で、昔は標識「チセヌプリ頂上」もあった。山頂には小さな2つのチセ沼がある。融雪期には一つの沼になっているのだろうか。
 東口(夏山ガイドの北口)は一番時間がかからないが、大きな岩が多く這い上がらなければならない所もある。神仙沼休憩所からは、少し遠回りになるが神仙沼や長沼が楽しめる。ダム保守道路(林道)からは取り付きとしては味気ないが、観光客と出会わない分静かな登山になる。湯本温泉からは単調な林道歩きだが、雪や雨の降った後は水浸しになる道なので注意。下山後、直ぐに温泉が楽しめた(廃道)。昔は、大湯沼から小湯沼経由の登山道があった。今でも、所々に登山道の痕跡があるが復元は夢のまた夢か。
   
チセヌプリ
東口→神仙沼縦走コース

 アクセス
 ニセコパノラマライン(道道66号線)の峠近くに除雪車の旋回場が開放されているので駐車させていただく。
 国土地理院地図  Google Map
 8月25日<2022(R4)年 往復6.698km 登り1:21 下り57>
 東登山口のある除雪車旋回場に下ろしてもらい、登山口に向かうと、「チセヌプリスキー場方面には/通行できません。HIKING ROAD CLOSED」の看板が目に入る。その奥に「チセヌプリ登山口/Entrance to Chisenupuri/ニセコ山系観光連絡協議会」の看板が設置されていた。入口は、金網が張ってありスリップしないように通過する。思いの外、登山道が荒れていたので、植木ばさみでササを切りながら登って行く。道端にはエゾアジサイが咲いていた。登山道は岩場になり、時に這い上がりながら登って行く。間もなく、ご夫婦を追い越してしまう。目の前に岩塔が現れる。
除雪車旋回場 登山口 エゾアジサイ 岩塔
 この岩塔を交わすと、ピンクテープが垂れていた。小湯沼への分岐かなと思い、以前あった道標を探すが無かった。GPSにウエイポイントを入れて来れば良かったと後悔する。小さな洞窟の中を見ながら岩場を這い上がると、展望が広がって来る。下に、除雪車旋回場が見え、愛棒の車がまだ停まっていたので、電話をすると、私が見えるという。山頂方向を見上げながら登って行くと、ニトヌプリとアンヌプリが見えて来る。裸地になると小湯沼方向に道らしいのがあるが、〇の中に×の記号の立札があった。ノリウツギの咲く登山道は傾斜を増して来ていた。
洞穴 ニト・アンヌ 〇内に× ノリウツギノ
 また、大きな岩が現れ、小湯沼を眺めながら、岩の上へと登って行く。岩の上からも小湯沼が見えていた。東尾根の後半からは小湯沼が常時見えるようになる。振り返ると、アンヌプリの陰から羊蹄山が僅かに見え出していた。
大岩 小湯沼 小湯沼 羊蹄山が
 所々にエゾオヤマリンドウの咲く岩場を這い上がって行くと、梯子が現れる。2段しか無いが結構楽に岩から下りられた。ウメバチソウも咲いていた。最後の岩塔をクリアすると山頂の東端上がる。
エゾオヤマリンドウ 梯子 ウメバチソウ 岩塔
 ここから、目の前に見える岩の頂上に向かう。以前は、ハイマツやササの背が低く、踏み跡もあったが、今回は全く踏み跡が無い。この辺りかと見当を付けて、藪漕ぎを開始する。密生した細いササが足に絡まるので、植木ばさみで切りながら進む。ハイマツは掻き分けられない所は枝を切る。それでも、5分位で頂上の岩の上に上がれた。半世紀以上前には、頂上標識もあり、友と岩に座って記念写真を撮ったのだが、岩の周囲はハイマツに占領されていた。三角点のある山頂越しにシャクナゲ岳が見えていた。岩の間には、ビンカン類の他にプラスチック容器も新たに捨てられていた。山岳マナー史に残る証拠品だが、寂しさを感じる。その傍には、白いシラタマノキの実があり、対照的に見えた。
頂上 三角点の山頂 ビンカン類 シラタマ
 頂上からは、羊蹄山を中心にイワオヌプリ、アンヌプリ、ニトヌプリが、その左側に少し離れてワイスホルン、右下に湯本温泉、その上に昆布岳が見える。遠くに、山影だけだが、ワイスホルンとニトヌプリの間に、余市岳、定山渓天狗岳、無意根山、中岳、喜茂別岳、恵庭岳が見えていた。
                     ←大
余市 定天 無意根 中岳 喜茂別 恵庭                      昆布岳
ワイスホルン イワオ ニト アンヌ 羊蹄山                    湯本温泉
 山頂のハイマツのトンネルは、頭が閊えず歩き易くなっていた。明るくなったおかげかゴゼンタチバナが赤い実を付けていた。「チセヌプリ頂上一・一三四m」の標柱の立つ広場には、先客の女性がいたので、沼に真っ直ぐ下って行く。踏み跡が見当たらないので、当てずっぽうに藪漕ぎするが、難儀をする。これは堪らないと思い引き返そうとした時に、道床を見付ける。無事、チセ沼に下りて、一つ目の沼を一周して、二つ目の沼に向かう。二つ目の沼は一周できず引き返す。古い夏山ガイドでは、子供や犬が沼の畔を散歩している写真があるが、今は、藪に阻まれている。帰りは、道床を確認しながら、ササを掻き分けて楽をする。
ゴゼンタチバナ 頂上標識 チセ沼
 山頂に戻ると、女性は下山したようだった。三角点は石が積まれてケルン状態だった。石を取り除くのも大変なのでそのままにして置く。沼を振り返って見るが、以前よりも目立たなくなったように感じた。ここからは、西側が良く見える。昆布岳、シャクナゲ岳、雷電山、目国内岳、岩内岳と見える。
                     ←大
昆布岳                     シャクナゲ岳 雷電 目国内 岩内岳
 標柱を振り向くと羊蹄山とアンヌプリが見えていた。標柱の近くに「チセヌプリ山頂/Mt.Chisenupuri/標高/Elevation/1,134m/ニセコ山系観光連絡協議会」の山頂標識が併設されていた。三角点のある広場は最高地点ではないので、鉄製の標識の方が正しいと思う。山頂から愛棒に電話をして、湯本の分岐に下って行く。転がるように下って行くと途中に、アカモノの赤い実が目に付いた。湯本の分岐に下りると、湯本への道標に青いシートで覆われていた。道を覗いて見たら、完全に藪に覆われていた。何時から通れなくなったのだろう。
羊蹄・アンヌ 山頂標識 アカモノ 湯本コースが
 ビーナスの丘を下って、水の溜まった穴のあるコルを通過し、僅かに登って行くと山頂で出会った女性が写真を撮っていた。何だろうと思って話しかけると、サンカヨウの実が2つくっ付いていた。ビーナスの丘の分岐から、シャクナゲ岳を見上げて長沼に下って行く。長沼の南端に下りると水面は真っ青に見えた。このまま湖畔を辿って行こうと思ったら、増水しているようで辿ることが出来なかった。
サンカヨウの実 ビーナスの丘分岐 シャクナゲ岳 長沼
 長沼の北側から岸辺に入り、長沼に映えたチセヌプリをと思ったが、さざ波が立っていた。南端では穏やかな水面だったが一変していた。
                     ←大
長沼とチセヌプリ
 長沼の入口に戻って、道標「長沼/Naga-numa Marsh」「←シャクナゲ岳Mt.Shakunage-dake75分(min)/チセヌプリMt.chisenupuri85分(min)--神仙沼Shisen-numa Marsh930m25分(min)/レストハウスRest House 1,350m30分(min)→」を見る。作業道の分岐は立入禁止になっていてロープが張られていた。分岐には、道標「立入禁止 No Admittance」が設置されていた。宿内川に架かる板の橋を渡ると、元気な幼稚園児のご一行さんに出っくわす。こんにちはの声の中を辿って行くと、神仙沼の木道になり、茂みから沼に飛び出す。出た所には道標「←神仙沼Shisen-numa Marsh330m」「長沼Naga-numa Marsh660m→」が設置されていた。
長沼入口 林道分岐 宿内川 神仙沼入口
 一応案内板を眺め、木道を辿る。木道は途中から反時計回りになる。コウホネの池塘越しにシャクナゲ岳や白樺山が見える。
案内板 木道を 順路→ コウホネ
 無事、愛棒と合流して、観光客に交じって神仙沼を満喫する。
 水面に映える白い雲も奇麗だった。
                     ←大
狩場山 弁慶岬         シャクナゲ岳 目国内 雷電 岩内岳
 順番待ちで、看板の前で記念写真を撮る。由来書や解説板は以前のままだった。青い池塘の水面にアカマツが映え、イトトンボやオニヤンマが飛び交っていた。
看板 由来書 解説板 池塘
 池塘にハイマツが映えると、いよいよ境目が分からなくなった。オニヤンマは同心円状に波紋を広げながらタマゴを生んでいた。単独打水産卵というらしい。大きな同心円の中に、小さな2つの同心円があるので、3回目の産卵なのだろうか。奇麗に青空を映える池塘にはV字のものもある。
池塘 オニヤンマ 池塘 V字池塘
 イトトンボは草むらに隠れて見えないが、ようやく探した。チセヌプリも池塘に映えていた。木道沿いにはウメバチソウも咲いていた。帰りの木道では、アオダイショウが日向ぼっこをしていた。
イトトンボ チセが映え ウメバチソウ アオダイショウ
 木道沿いにはがんばれ道標が2枚あった。最後に協力金を入れ、入口を後にする。駐車場からは観光客姿になる。
沼まで530m 協力金入れ 入口 駐車場
 駐車場から200m奥にある展望台を目指す。展望台は木々に覆われて来ているようだった。三角点:中小屋を探すが、やはり四角い窪みの中にしかそれらしいものはなかった。
展望台へ 展望台 看板 三角点か
 2枚の鳥瞰図は掠れていて役に立たず。眺望も岩内湾の全貌は見えず、共和町だけに限られていた。
岩内湾と共和町市街地
 
コース 東口 神仙沼休憩所 ダム保守道路 湯本温泉
(廃道)
東口→神仙沼

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 二人の山行記録(遊びの時間含む)
 2022(R4)年8月25日(木)  晴れ 往復6.698km 登り1:23 下り2:03 展望台往復9
 7:46東登山口→8:20洞穴→8:36大岩→8:46梯子→9:03藪漕ぎ→9:09頂上9:12→9:14登山道へ→9:17山頂標識→9:18チセ沼往復(藪漕ぎ)9:34→10:01旧湯本分岐→10:11シャクナゲ分岐→10:45長沼→10:48作業道分岐(立入禁止)→10:52橋→10:58沼入口→11:04神仙沼11:06→11:18出口→11:22沼まで530m→11:29沼まで890m→11:34神仙沼入口・駐車場11:37展望台往復11:46