羊蹄山(1898m)
コース 比羅夫 真 狩 喜茂別 京 極

 ポイント
 展望は最高、噴火口も必見に値する。雪融け時期には幻の火口湖が現れる。別名は後方羊蹄山(しりべしやま)、蝦夷富士、マッカリヌプリと呼ばれている。三角点は真狩岳(1892.74m)と北山の雲泉(1843.42m)の二つがある。
 比羅夫コース:登山口にキャンプ場、半月湖散策も
 真狩コース:羊蹄山の表玄関的存在で、登山口に立派なキャンプ場があり、近くに温泉もある。
 喜茂別コース:直登、登山口が分かり難い
 京極コース:直登 京極町から希望者に登山証明書が送付される。近くに温泉あり。
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
比羅夫コース

 アクセス
 倶知安市街から羊蹄国道(国道5号線)を南下し、比羅夫に差し掛かると、左に「羊蹄山登山口・半月湖」の看板がある。舗装道路を奥まで入ると駐車場に突き当たる。
 国土地理院地図 GPSトラックは山の地図帖「2009.10.6」へ 周辺地図
 10月6日<2009(H21)年 往復時計回り14.033km 登り3:51 下り羊蹄小屋経由2:44>
 駐車場から山頂を見上げると、雲が張り付いていた。トイレの横を通ると、天然記念物の石碑が建っていたが、隣りの説明文は何が書いてあるのか、全く見えない。登山口は車道の延長線上にあり、入山届箱がある。箱を開けると、記帳式だった。登山口には案内板も設置されている。この看板には倶知安登山コースと表示されている。
駐車場から山を 天然記念物の石碑 登山口 案内板
 平坦な林道を辿ると、直ぐにソーラパネルの付いた、カウンタが設置されている。足慣らしには丁度良い緩傾斜の林道を辿って行く。林道は何時の間にか登山道になり、Uターンするような格好で三角点「半月600.2m」目掛けて急な登りになる。途中に風穴の標識が見えた。夏なら穴まで近づいて涼しい風を肌で感じたいところだが、寒いくらいの季節なので、覗くだけにした。風穴からも急登が続き、ジグを切りながら登って行く。ようやく、平らになり尾根に上がったら、二合目で木立越しに山頂が見えて来た。
カウンタ 風穴の看板 風穴 二合目から山頂を
 振り返ると、丁度、雲間から陽射しがあり、アンヌプリ、ワイスホルン、倶知安市街、ポンクト山が望まれた。
                     ←大
アンヌプリ ワイスホルン        倶知安市街       ポンクト山
 アンヌプリはジグを切って登るたびに見えていた。ようやく標高700mで三合目の標識が現れる。三合目ではシマリスの出迎えを受ける。このシマリスは人に馴れているようで、カメラを向けるとポーズをとってくれる。何も餌が貰えないと分かったら、そそくさと姿を消した。この辺りの紅葉は綺麗だが、残念ながら逆光で上手く写せない。標高800mで四合目の標識が現れる。
アンヌプリ 三合目 シマリス 四合目
 四合目を通過すると、大黒山、三角山、ポンクト山の赤井川の山々が煙っていた。道端にはツルシキミの赤い実がなっていた。南側には昆布岳も望まれるようになる。北側の山裾は綺麗な紅葉だが、まだ、日が射して来ていないので派手さは無い。
大黒・三角・ポンクト ツルシキミ 昆布岳 紅葉の山肌
 すっかり葉が落ちて冬木立状態になって来たら、山頂が透けて見えて来た。1030m地点で五合目の標識が現れる。一息入れながら振り返るとアンヌプリに陽が当たっていた。この辺りから、ハイマツ帯に入り苔生した岩が滑り易くなってくる。すっかり紅葉も無くなり、1200m地点で六合目の標識が現れる。何時の間にか、合目の標識が現れるのを楽しみにしていた。
山頂が 五合目 アンヌプリ 六合目
 1400m地点に来ると七合目の標識が現れる。一息入れる度にアンヌプリを見るがどうやらアンヌプリよりも高い所に到達したようだった。良く見ると、半月湖の窪みの中に崖が見えていた。1580m地点には八合目の標識が現れる。この辺りから、登山道に消え残っている新雪が見られるようになって来た。登って行くと、迷わないようにロープが張られた岩場に変わる。
七合目 半月湖 八合目 岩場になる
 正面に山を見ると、九合目の標識があり、小屋の分岐にもなっていた。ここから、寒々とした北側の登山道で山頂を目指すが、本当に寒くなり堪らずセーターを着込む。手袋は忘れてしまったので、身に付けながら登って行くと、また、小屋分岐の標識が出て来る。ここから、北山(三角点名:雲泉1843.42m)が望まれる。
九合目 寒々とした北側 小屋分岐 北山を
 登って行くと、道標の後に「モウ一息ガンバレ」と岩に書かれていた。旧小屋分岐も通過し、北山を目指すが、凍りついた登山道は気を抜けば滑る。ようやく、火口中央道分岐に到着する。
モウ一息ガンバレ 旧小屋跡分岐 凍りついた登山道 火口中央道分岐
 分岐に上がると、目の前に火口壁が屏風の様に見えて来る。火口壁は新雪でゴマ塩を振りかけたようだ。目の前に母釜、左上の子釜、火口壁で取り囲まれた父釜、母釜と父釜の間にある火口中央道見える。山頂も望むことができた。取りあえず、北山を目指すことにする。
                     ←大
北山     子釜     母釜 山頂    父釜 火口中央道
 吹きさらしの稜線を北山に向かうと、倶知安市街が眼下に見えてくる。近づいて行くと、北山の山頂に三角点を発見する。この三角点の標石は珍しく傾いている。次に90°方向を変えて稜線を歩いて行くとケルンが積まれていた。
北山へ 三角点と倶知安 傾いた標石 北山のケルン
 ケルンの前で足を止めると、火口群はまた違った顔を見せてくれた。北山よりも10m位低いはずの二つのコブも高く感じる。
                     ←大
子釜  山頂       母釜    父釜  火口中央道
 母釜を覗き終わり歩き出すと、余市岳、定山渓天狗岳、無意根山が見えて来た。窪みの様な子釜を覗いてから、父釜を覗くとやはり大きい。
母釜 余市・定天・無意根 子釜 父釜
 父釜の底には、ハート形に水が溜まっていた。良く見ると、ハート形の窪みの所に丸く水が溜まっている。新雪が融けて溜まったのだろうと思う。春先だけではなく、晩秋にも沼が出現するのに感激する。
                     ←大
父釜のハート形の沼
 火口壁の稜線にケルンが見えて来る。ハート形の沼が刻々と形を変えるのを横目で見ながら辿って行くと、ケルンの上には「マッカリ下山・小屋分岐」の標識があった。標識の彼方には余市岳、ギザギザの定山渓天狗岳、無意根山が見えていた。再び、ハート形の沼を覗くと、最初に見たときより形が崩れて見える。
京極分岐 ハート形の沼を 京極分岐 ハート形の沼を
 三角点「真狩岳1982.74m」に到着するが、以前あった山頂標柱は無くなっていた。同じ山で山頂標柱が2本あると、勘違いしてしまうこともあるので良かったと思う。いよいよ最後の山頂を目指すと、洞爺湖が雲間から顔を出す。中島はひょっこりひょうたん島の様に雲の中を進んでいるようだ。岩場になると山頂標柱が見え山頂に到着する。一番高い岩の上に乗ろうと思ったが、風があるのでバランスが取れなく止める。早速、温かいココアを飲もうと、場所の選定を始める。風の当らない所で平らな岩が見当らないので、適当な岩を見つけて座る。ミカンの皮を剥きながら、目の前の余市岳や定山渓天狗岳、無意根山を見る。
三角点:真狩岳 山頂を 洞爺湖を 山頂標柱
 帰り支度をしていると、後続者が三角点に上がってきた。最後に、父釜の中やハート形の沼、洞爺湖を見て、山頂を後にする。目の前に広がる岩場の稜線を辿って行く。
ハート形の沼を 洞爺湖 山頂 岩場
 ハート形の沼の水面が小さくなったような気がするが、気のせいだと思いながら下って行く。
                     ←大
父釜の中
 岩場を辿って行くと雲が途切れ白老三山、目の前に尻別岳、奥にホロホロ山、徳瞬瞥山、少し離れてオロフレ山が見える。岩場越しには半分雲で覆われた洞爺湖が見えていた。
                     ←大
白老三山    尻別 ホロホロ 徳瞬瞥 オロフレ山      洞爺湖
 尖った岩も崩れた形跡はなかった。火口側は怖いので、極力外側を辿るが、降りすぎてしまい登り返す。やはり、父釜の中が気になるので何度も覗きながら辿って行く。山頂を振り返ると、二人の人影を確認できた。目の前には四角い岩も現れるが、旭岳の金庫岩よりは小さいので、手提げ金庫と言ったところか。
尖った岩 ハート形の沼を 山頂を 四角い岩
 山頂を見上げるが、もう人影は確認できなくなっていた。岩場の奥には火山灰の稜線が見えて来た。一番高低差のある一番大きな岩場を過ぎると、岩場から抜け出し火山灰の道になる。
山頂を 岩場の奥に 一番高い岩 岩場から抜け出す
 岩場から火山灰の登山道になってホッとする。北側にあるアンヌプリが見えるようになり、火口壁の最下部に向かって下って行く。最下部は真狩からの登山道が上がって来る地点で、ここに「←旧小屋経由 岩場経由→」の道標が立っている。ここからハート形の沼を覗くが、何か小さくなった気がしてしょうがない。
火山灰の稜線に アンヌプリが 火口壁分岐 ハート形の沼を
 分岐から下に羊蹄小屋が見える。小屋に直接下る道は無いので、真狩コースの薬草ケ原を下って行く。花時期は綺麗な所だったと思い出しながら下って行くと、コブに下りる。コブの上からも展望が良いが、直ぐに小屋に向かって下って行くと、九合目の標識が出て来る。ここから小屋に向かってトラバースの道を辿る。
小屋を望む コブの標識 昆布岳を 九合目の標識
 小屋が近づくと、「山小屋5分」の標識が現れる。小さな沢を渡ると小屋に到着する。小屋には「羊蹄小屋」の看板が架かっていた。扉の所には最高最低温度計が架かっていて、温度を見ると最低温度-1℃、現在の温度6℃だった。小屋の反対側を見ると積雪の時の扉も二階部分にあった。広場にはコークスの袋が積まれていた。一冬分の量なのだろうか。
 小屋の扉の前にあるテーブルの前に座って、ゆで卵を食べココアを飲む。休みながら、帰る道を目で追っていたら、綺麗な青空に白い雲が浮いていた。
小屋が近づく 小屋に到着 小屋を反対から見る トラバースの道を
 トラバースの道に戻ると道標の所に鐘がぶら下っていた。鐘を一回鳴らしトラバースの道を辿る。小屋が山陰に消えそうになるので、羊蹄小屋を振り返る。小屋が見えなくなると谷が真っ赤に染まっていた。紅葉かと思ったら真っ赤なナナカマドの実だった。
小屋前の鐘 小屋を振り返る 谷が染まって 真っ赤なナナカマドの実
 星ケ池はナナカマドの実で真っ赤な中にひっそりと佇んでいた。余りの綺麗さなので暫し佇む。トラバースの道は岩場の分岐になり、来た道を振り返ると、雲が押寄せてきていた。少しの間だけ岩場を辿り、後は、急な道を転げ落ちるように下って行く。気が付けば五合目近くになり、岩に苔が目立ち出し滑るようになる。気をつけないと滑るなと思ったら、見事に転んでしまう。
星ケ池 分岐 来た道を振り返る 岩場を
 四合目になると、陽射しがあり紅葉が綺麗に見える。シマリスもまた出迎えてくれるが、餌をくれないと分かったら居なくなってしまう。
四合目付近の紅葉 シマリスが
コース 比羅夫 真 狩 喜茂別 京 極

二人の山行記録もくじ3へ   次真狩コースへ   アソビホロケール山へ

 山行記録
 2009(H21)年10月6日(火) 
 曇り 登り3:51 下り2:44
 6:28登山口→6:54風穴→7:07二合目→7:25三合目→7:39四合目→8:04五合目→8:27六合目→8:51七合目→9:15八合目→9:30九合目→9:50火口中央道分岐→9:57雲泉→10:03分岐→10:12京極分岐→10:14真狩岳→10:19頂上10:36→11:10火口壁(真狩)分岐→11:21真狩九合目→11:28羊蹄小屋11:38→11:49分岐→11:51九合目→11:56八合目→12:05七合目→12:15六合目→12:27五合目→12:41四合目→12:49三合目→13:03二合目→13:11風穴→13:30登山口(一周6:45)