剣山turugisan(1204.9m)
三角点名:江遠念eennen
 石仏群

 ポイント
 頂上はびっくりするような岩場で、晴れた時には素晴らしい展望が広がる。途中にある一の森(906m)に展望台、蛙岩に鎖場、二の森に祠跡がある。三の森(藪)を過ぎた辺りに展望の良い岩場がある。奉納剣は本殿横の礎石と山頂の岩に固定されている。
剣山神社コース
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=

 アクセス
 清水大樹(道道55号)線を走り清水町旭山を目指す。旭山に着くと市街地に剣山登山口の立派な看板がある。そこから旭山(道道859号)線を南下し山に向かって真っ直ぐに延びる舗装道路を進む。突き当たりが剣山神社で、その前が駐車場となっている。
 神社の北側には一般住宅と見間違うくらい立派な山小屋がある。
 国土地理院地図 Google Map
旭山から剣山を
 7月11日<2019(R1) 往復距離7.906km 登り2:47 下り1:57>
 霧の立ち込める剣山神社の駐車場に到着すると、車は1台だけだった。愛棒と14時30分に落ち合うことで単独登山を開始する。まず、神社で登山の安全を祈って参拝する。次に、神社に向かって左側の登山口に行き、登山届に記入する。直ぐに最初の石仏が鎮座していた。石仏の道と登山道が交差する十字路に剣山登山道の道標がある。
剣山神社境内を 登山口 最初の石仏 十字路
 石仏の鎮座している登山道を登って行く。534mのコブを過ぎても石仏の道は続いていた。道端には、エゾチドリの緑がかった白い花や小さなタツナミソウが咲いていた。清水山岳会の錆びついた道標は木立に飲み込まれていた。平らな尾根道がジグを切り出すと、最後の石仏が待っていた。登山口から33体目の石仏だった。道端には、山でただ一輪のクルマユリが咲いていた。
エゾチドリ 道標 最後の石仏 クルマユリ
 ジグの道が終わり、急登の岩が多い登山道になる。標高700m辺りからケルン風に石が積まれていた。登山道から石を除けたのだろうか。上から若い男性が下りて来た。鈴を付けていないので突然の対面となる。男性は、剣山は手頃な山だが、こんなに魅力的な山はないとご満悦だった。標高750m辺りに、休憩するのに丁度よい広場があった。倒木に頭をぶつけないようにと、鎖とテープが垂れていた。登りきると広場になり標高906mの一の森に到着する。
ケルン群 広場 頭を保護 一の森
 一の森のピークには大山神の碑が鎮座していた。ここから暫し急登から解放され、目の前に二の森を眺めながら辿って行ける。再び急登になると、大きな岩が見えて来る。13年前には、水牛に見えたが、今は角が垂れ下がってしまったようだ。さびた看板の向こうに蛙岩も現れる。新しいかえる岩の看板もある。
大山神の碑 二の森を 大きな岩 蛙岩
 岩の多い道を辿ると二の森へ到着する。二の森はピークではなく広場になっている。再び急登から解放されると不動岩が見えて来る。大きな瘤のある木を過ぎると岩壁がそそり立って来る。
二の森 不動岩 大きな瘤 岩壁
 岩壁に近づいて見ると岩肌は滑らかだった。道端にはマルバシモツケが咲いていた。フイックスロープの垂れた木の根を登って行くと大きな岩壁が現れる。
滑らかな岩肌 マルバシモツケ フイックスロープ 岩壁
 大きな一枚岩の基部に登山道があり、見上げながら辿って行く。登りきると三の森の標識がある。三の森のピークの傍は開けた広場になっていて、休憩するには良い場所かもしれない。錆びた道標を眺めながら下って行く。下りきると、今度は、左右から岩壁が迫るルンゼ状の地形になる。ここにもフイックスロープが垂れているが危険度合は半信半疑だが、ロープを頼りに登って行く。途中母の胎内風の岩がある。
一枚岩の基部を 三の森 ルンゼ状 母の胎内風
 ゴゼンタチバナを見ながら登りきると平らな岩場がある。岩の上からは、山頂を仰ぎ見られるが、急峻な山頂に圧倒される。間もなく、母の胎内と呼ばれる大きな岩になる。主稜線は、地図では平らな尾根道に見えるが、実際は、小さくアップダウンやトラバースを繰り返すことになる。数は少ないがハクサンシャクナゲが咲いていた。
ゴゼンタチバナ 岩場から山頂 母の胎内 ハクサンシャクナゲ
 小さな白いコメツツジの花も咲いていた。山頂直下の1つ目の梯子が見えて来た。崖の縁なので展望があり、隣の久山岳が望まれた。意を決して、ガードロープが何本も張られた梯子を横にした足場と岩壁に張られたロープを頼りに梯子に近づき、垂直に登って行く。
コメツツジ 梯子を登る 久山岳 足場
 二つ目の梯子の上は不安定で少し苦労する。三つ目の最後の梯子を登り切ろうとしたら、タカネニガナの黄色い花が出迎えてくれた。国土地理院の点の記の図面には、山頂の東西に剣が描かれているので、先に、西側の山頂に上がって見る。岩には剣が祭ってあったと思われる窪みがあった。
二つ目の梯子 三つ目の梯子 タカネニガナ 西側の剣の跡
 十勝平野は雲海だったが、日高山脈には雲がなく、何とか十勝幌尻岳、札内岳、伏見岳、チロロ岳、隣の芽室岳、久山岳が見渡せた。次に、剣が奉納され、三角点が設置されている山頂に向かう。岩場の隙間を使って、山頂に登ると、三の森をバックに剣と三角点が見えて来た。
伏美岳 チロロ岳 芽室岳・久山岳 山頂
 慎重に三角点に近づき、三回目の登山でようやくピークを踏む。山頂の平らな窪みにリックを置いて、暫し、おにぎりを食べる。コンビニのおにぎり一つを食べ終わり時計を見ると、一人ぽっちで20分も山頂にいたことに驚く。愛棒に下山開始のメールを送り、三の森と西側の山頂を写し下山を開始する。母の胎内では岩の隙間を潜ってみようと、反対側に回るが、地面が濡れているので止めた。
三角点 三の森 西側の山頂 母の胎内
 三の森の広場からピークに行って見ようとするが、藪漕ぎになるので止める。二の森にも地図では分からないが、ピークの岩場があり、岩の窪みに祠が祭られていた。祠は壊れているようだった。祠の後ろにあるピークの岩を登ろうとするが、怖くて途中でやめた。蛙岩では、鎖が打ち付けられて登り易くなっていた。
二の森の祠 二の森のピーク 蛙岩 蛙岩の頭
 蛙岩からは雲海の十勝平野を眺める。一の森では展望台の表示があるので、岩に架かった梯子を登って展望台に着くが何も見えなかった。
蛙岩から平野 一の森 梯子 展望台
 534mのコブを過ぎると、霧の中になり岩や木の根の上が滑りやすくなる。慎重に下るが、一回スリップダウンする。登山口に近かづくに従い牛の糞尿の臭いがするようになる。
 8月23日 <1998(H10) 登り2:15 下り1:57 >
 芽室町の上美生のキャンプ場に泊まって登った。御影の近くになると標識が出て来て、無事、剣山神社に到着する。神社の前が駐車場となっていた。登山前に登山の無事を願いお参りをする
 。一の森までどんどん登って行く。そこから少し下がり再び登って行く。途中、何回も頂上だと思った所が、コブで狐に摘まれたようだった。不動岩からは傾斜が緩み尾根道になるがアップダウンやトラバースを繰り返す。途中で一枚岩の木の根が張った岩を攀じ登って行く。最後に梯子を登ると、頂上に飛び出した。
 頂上は狭く、3パーティで満杯になる。頂上の岩には剣が刺さっていた。頂上からは三の森越しに十勝平野が見える程度で、時々隣の久山岳が見え隠れする。頂上の僅かに平らな所で昼食とする。
美生キャンプ(大×) 山頂(大×) 三の森と平野
 帰りは、コメツツジ、イソツツジ、コケモモの花を探しながら下って行く。
 11月3日<2006(H18) 往復距離7.515km 登り2:36 下り2:04>
 剣山神社の駐車場に車を停めて出発する。境内に入ると駐車している車が多く面食らう。神社に向かって左に登山口がある。登山ポストがあるので記入する。始め、お地蔵さんの道を真っ直ぐ進んでしまい、道が沢に下るので間違いに気が付く。久山岳へ行く道と思ったが、何かの施設への道のようでもある。引き返して、尾根に上る道を辿る。途中に、錆びて木に飲み込まれそうになっている道標があるが、解読不能だった。尾根道は534mのコブまで急な道が続く。コブを過ぎると平らな道になり、山頂も望めるようになる。また、登りになるが、笹の背丈が低い林の中を進む。
剣山神社境内を 登山口 534m過ぎで山頂を ササの背が低くなる
 背丈の低いササが生えているの林床に、遂にササが無くなり、登山道にも岩が目立つようになる。途中に休憩するのに丁度良い広場があり、10名のご一行さんが休憩していた。せんべいを配っている中を通してもらう。何時の間にか、また、ササが生えている中を登って行くと、一の森が望まれるようになる。木立越しに芽室の日本甜菜製糖鰍ニ思われるの工場の煙も見えて来た。一の森に着くと、目の前に岩塔を伴ったモノトーンの二の森が立ちはだかっていた。
林床にササが無く 広場 一の森を 一の森
 一の森には岩場があり、梯子も付いているので登って見た。登って来た534mのコブとそれから派生する尾根が良く見えて、その向こうに十勝平野が広がっていた。振り返ると二の森が遮る物がないので良く見える。黒い山肌に、白いダケカンバの幹が浮き出て、サンゴか古代文字の様にも見える。愛棒は梯子の所で心配そうに見ているので、早々に下りる。次の二の森へと、一旦下り気味に進んで行くと大きな岩が多くなって来る。
一の森岩場 二の森を 十勝平野を 大きな岩
 水牛のような岩が現れたりもする。さびた看板の向こうに蛙岩も現れるが樹木が茂っていればどの岩なのか分からないところだ。岩の多い道を辿ると二の森へ到着する。二の森にも岩場があり、岩の窪みに祠が祭られていた。
水牛のような岩 蛙岩 二の森 二の森の祠
 岩には梯子は無いが踏み跡があったので、辿って見る。岩の隙間を使ってなんとか岩に上がると一の森以上の展望があり、十勝平野が一望でき、隣の久山岳、次の三の森も見える。愛棒が下で心配そうに見ているので、ここも早々に下る。
二の森の岩場 久山岳 三の森を見上げ 十勝平野を
 尾根道の真ん中に不動岩が現れ、錆びた看板が木に打ち付けられていた。岩をすり抜けたり、登ったりしながら進むと、見上げる程高い一枚岩に到着する。一枚岩の縁を登ったり、基部を通過したり、木の根の階段を攀じ登ったりしながら進むと、三の森の錆びた看板が現れる。
不動岩 見上げる一枚岩 一枚岩の縁を 一枚岩の基部を
 三の森はロープで囲まれて登れないようになっていたので、そのまま通過する。相変わらず大きな岩で埋め尽くされた登山道を進む。途中に踏み跡あり、辿ってみると岩場があり、十勝平野が広がり、山頂がようやく望めるようになる。愛棒を呼んで暫し、絶景に見入る。次に、母の胎内という名前の付いた岩が現れ、通り抜けることが出来る隙間があったが、先を急ぐ。
三の森を下る 岩場から山頂 岩場から平野 母の胎内
 山頂直下の1つ目のは梯子を登って行くと、山頂に立てられた旗がなびいていた。頂上には、以前鎖場だったが梯子が設置されていた。愛棒が登っている間に、三の森方向を見ると十勝平野が望まれた。
梯子を登る 山頂の旗が 梯子を登る 平野を振り返る
 梯子を登り切ると剣が祭ってある山頂へ飛び出すが、足場の狭い岩の上なので、転げ落ちない所を探す。既に先客が3名山頂に居たので、岩の比較的上にある窪んだスペースを選ぶ。頂上は岩場で狭く、傾斜もきつく、まるで三角屋根の上にいるような気分だ。子供の頃、屋根に登って遊んだ記憶が蘇り、尻がムズムズする。
 雲が西から押し寄せて来たので、天気の良い内に写真を写す。見下ろすようになっても、三の森は一段と険しさを増して、広がる十勝平野に目が行かない。
山頂へ飛び出す 狭い岩の上 剣の山頂 三の森と平野
 日高山脈に雲が押し寄せてきているので、見通しは悪いが、十勝幌尻岳、札内岳、伏見岳、チロロ岳、隣の久山岳、芽室岳が見渡せた。山座同定は山頂にいた先客が教えてくれたが、本当の所われわれには良く理解できないでいた。陽射しで温められた岩場に座り、心地よく食事をしながら山頂の同居者同士で話しが弾む。われわれの下に陣取っている男性は70歳だと言うが、そんな年には見えず元気だ。70歳でもまだ山に登る人がいて、われわれに置き換えて考え、ある意味でほっとする。
十勝幌尻・札内 伏美岳 チロロ岳 久山岳・芽室岳
 ペケレベツ岳も北側に顔を出していた。10名のご一行さんが山頂近くに来たようなので、山頂を後にする。ご一行さんと梯子のところで出っくわしたのだが、ご一行さんのリーダーは上で交差する場所が無いのを悟り先に下りてと言う。われわれはご好意に甘えて先に下る。
 「母の胎内」では反対側から岩の隙間を潜って見る。結構ザックが邪魔で苦労するが何とか這い出す。三の森を過ぎて、大きな1枚岩を通過し、振り返ると斜面の氷の帯が日光に光っていて滑り台のようだ。二の森を過ぎて、蛙岩に到着した時に、登りでは見落としていた踏み跡があり辿って見ると、蛙岩のテッペンに鎖が打ち付けられて登り易くなっていた。
ペケレベツ岳 三の森(氷の帯) 蛙岩 蛙岩の頭
 蛙岩からは十勝平野と一の森が良く見えた。蛙岩を振り返ると登りでは気が付かなかった錆びた看板があった。一の森に帰って来て改めて周囲を見回すと大山神の石碑があった。一の森から30分位下ると、お地蔵さんの道になる。登山口の作業道から尾根道の取り付きで改めて振り返ると、木に剣山の錆びた標識があった。
蛙岩から平野 蛙岩を振り向く 最高地点のお地蔵さん 道標:剣山

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 二人の山行記録
 2019(R1)年7月11日(木) 霧雨・曇り 往復距離7.906km 登り2:47 下り1:57
 9:20剣山神社→9:40P534m→10:43一の森→10:58蛙岩→11:07二の森→11:09不動岩→11:31三の森→11:44山頂が望める岩→11:46母の胎内→12:07頂上12:29→12:39母の胎内→13:10三の森の岩場→13:06不動岩→13:10二の森の岩場→13:20蛙岩の上→13:35一の森展望台→14:12P534m→14:26剣山神社
 2006(H18)年11月3日(金) 晴れ 往復距離7.515km 登り2:36 下り2:04
 8:46剣山神社→10:01一の森→10:17蛙岩→10:28二の森→10:38不動岩→10:55三の森→11:08母の胎内→11:22頂上11:59→12:12母の胎内→12:24三の森→12:30不動岩→12:42二の森→12:51蛙岩→13:06一の森→14:03剣山神社
 1998(H10)年8月23日(日) 晴れ 登り2:15 下り1:54
 7:57剣山神社→9:07一の森→9:29不動岩→10:12頂上→28→後500m→13→不動岩→20→一の森→53→剣山神社