アポイ岳(810.2m)
コース 冬 島 幌 満

 ポイント
 登りやすく、シャクナゲや真っ赤な広尾つつじなど花が多く人気の山。幌満コースは2006年11月18日現在閉鎖中。 幌満お花畑に行くには8合目手前の馬の背から分岐しトラバースする登山道を辿る。
 新道の分岐には標識が無く、道は荒れているが、シャクナゲの開花シーズンは見ごたえがあると思う。
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
冬島コース

 アクセス
 国道336号線を札幌方向から辿り、様似を過ぎて東平宇に入ると、海側に「アポイ岳」の看板がある。山側に左折すると、アポイ岳が見え始め、ポンサヌシベツ川沿いの道と合流する。舗装道路を上がって行くと「アポイ山麓自然公園」があり登山者専用の登山口がある。
 国土地理院地図 山の地図帖「2006.11.18」へ Google Map
アポイ岳を望む
 8月26日<1995年(H7) 登り2:30(旧道)> 
 登山を初めて、11回目でタビックスのツアーで登る。ツアー代は交通費、昼食、温泉込で、道中くつろげるので申し込んだ。入り口の看板前で、記念写真を撮し、旧道から登って行く。最初は林道を歩き、右にそれて沢沿いの道を登って行く。尾根に上がると、赤いレンガの避難小屋のある5合目の休憩所があった。天気が悪いので、ここで、昼食にする人もいたが、折角来たので山頂まで登ることにする。霧の立ち込める中、花の終わったお花畑を見ながら登って行く。
 どうにか頂上に辿りり着くが、生憎の霧で何も見えなかった。山頂の奥には道標「ピンネシリ5.0km/吉田岳1.5km」も立っていた。
入り口の看板 5合目の休憩所(大×) 頂上(大×) 道標(大×)
お花畑 入り口の看板
 帰りは、少し霧の上がったお花畑から山頂方向を振り返りながら下って行く。帰りは、新道を下って行くと、シャクナゲの林や、ベンチのある展望台があった。
 入り口にたどり着いて、看板前で記念写真を撮す。
 帰りのレコードの湯は最高だった。しかし、ツアーは天気が悪くても行かなければならないのを思い知る。
 11月18日<2006(H18)年 一周10.006km 登り(幌満お花畑経由)2:40 下り(新道)1:59> 
 立派な駐車場に着くと登山者はわれわれだけだった。以前来たときからもう10年が過ぎている再訪だったので何か懐かしい感じだ。ポンサヌシベツ川沿いには「水と緑の砂防モデル事業」で作られた良く整備された公園が広がっている。公園内を辿ることも無く、奥に進むとポンサヌシベツ川に架かるアポイ橋を渡る。アポイ橋からは護岸工事が完璧に成された川が目に入る。護岸には階段で川辺に下りることができる所があり少し安心しながら、林道らしい道へと進む。
駐車場から登山口へ 水と緑の砂防モデル 登山口 ポンサヌシベツ川
 看板の立っている三叉路になり、左が新道、右が旧道のはずだが、新道はススキで覆われていた。すっかり変わってしまった新道を横目で見ながら旧道を辿ると直ぐに小川を渡る。合目の標柱と立派な看板があり、1合目の看板にはアポイ岳の解説文が書かれていた。
保安林案内 登山道へ 分岐から旧道へ 1合目解説文
 林床は苔生していて深山の雰囲気だが、所々に鐘もぶら下がっていて、熊よけに鳴らせということらしい。第2休憩所の看板もありナキウサギがアポイ岳を解説していた。「アオハダ」「キタゴヨウマツ(ヒダカゴヨウマツ)」とかの標本プレートが木に括りつけられたいた。アオハダの道を辿ると第3休憩所になる。
熊よけの鐘 第2休憩所 アオハダの道 第3休憩所
 広葉樹が葉を落としてしまったので、やけにキタゴヨウマツが目に付くのでびっくりする。木の葉が落ちた登山道の木立の影はさながらレールの無い鉄道の廃線のように思えてしょうがない。汗をかいてゼーゼー息をする様はさながらSLになったようだと思う。第4休憩所は沢に作られていてベンチがあり、花時期には大勢の人達の声がするのだろうが、今日は小鳥のさえずり声しか聞こえない。いや、チーッというナキウサギの声のようでもあり、愛棒と耳を澄ます。3合目を過ぎると新道の分岐があるが、新道の標識は一切ない。木の根に覆われた登山道を辿ると、台風の被害にあったのか大木が折れていた。
キタゴヨウマツ レールの無い廃線? 第4休憩所 台風被害?
 第5休憩所と4合目の標識が出てくると避難小屋は近い。林の切れるところに避難小屋が現れ、ようやく展望が開ける。太平洋も望まれる。5合目の避難小屋は、休憩所の数が6つあることになっているので、第6休憩所だと気が付くが、外観からは避難小屋だと思う。
第5休憩所 避難小屋(5合目) 5合目から太平洋を 避難小屋
 一息入れ終えて、愛棒は元気付けのため鐘を鳴らして出発する。5合目から見る7合目のコブは山頂よりも山頂らしく、愛棒はあれが山頂と思い込んで登って行く。
5合目の鐘と山頂 5合目から馬の背 5合目から山頂 7合目のコブを目指し
 今までと一変し、林の中から展望の良い道を辿ることになるが、傾斜が増し丸木の階段も現れる。振り返ると冬島漁港に漁船が1艘帰ってきたのか白い航跡がマリンブルーの海に浮んでいた。相変わらず岩場を登って行くと今度は角度が少し変わったのか、エンルム岬や様似市街とその前浜にある親子岩ローソク岩が見えてくる。
丸木の階段 冬島漁港 岩場 様似市街
 7合目が近づくと一段と展望が良くなりエンルム岬や様似市街とその前浜にある親子岩ローソク岩が良く見えてくる。7合目はスカイブルーの空の下で見上げれば標識が良く見えた。7合目から馬の背までは、また、丸太の階段を登って行く。馬の背が近づくと山頂が直ぐそこに見えてくる。登りながら相棒は岩の色が青っぽくて変わっていると言う。そういえば、看板には珍しいカンラン石があると書かれていたが、カンラン石かもしれないと思う。
エンルム岬 7合目 馬の背へ 馬の背と山頂
 登って行く内に山頂が見えなくなるが、馬の背に上がるといきなり日高山脈や尾根続きのピンネシリ、吉田岳が目に飛び込んでくる。暫し、日高山脈を見渡し、感動を味わい胸をときめかす。吉田岳とアポイ岳の間は岩場が発達して面白そうに見える。
馬の背へ 日高山脈 ピンネシリ 吉田岳
 馬の背へ上がり改めて真っ直ぐ山頂と向き合うことになる。馬の背は途中で岩を交すために北側に進路を取るが、北側は冷たい風が吹き、愛棒はカッパを私はセーターを着込む。
山頂へ 馬の背北斜面から 途中の岩場と山頂 岩場を交す
 8合目の標識の手前で、馬の背から「幌満お花畑へ」の道が分岐する。僅かに道が下りだし、振り返ると冬島漁港が見えていた。海側のトラバースなので、海側の景色を期待したが、再び林の中へ吸い込まれて行く。行けども行けども単調な林だが、ナキウサギのいる雰囲気はある。林が切れ再び展望が開けると、監視カメラが出迎えてくれていた。幌満コースへは通行禁止の標識を確認しないまま、監視カメラの視線を感じながら山頂への道を登る。
幌満お花畑へ 冬島漁港 再び林へ 監視カメラの分岐へ
 幌満コースは手入れをするのを止めたのか、ハイマツの枝が遮断機のように行く手を塞ぎ、愛棒はしばしば押し戻されているようだ。登って行くとまた、様似市街、エンルム岬、親子岩、ローソク岩、冬島漁港が見えてくる。山頂直下でいつも、愛棒はスパートするのだが、今日はハイマツの闘いに疲れ果てたようにみえる。林に入る前に、楽古岳、豊似岳方向の写真を写す。
様似市街を 山頂が見え 楽古岳方向 豊似岳方向
 山頂には、山頂標識、三角点、祠が鎮座していた。襟裳岬も少し霞んではいるが、良く見えた。頂上に着くと、三角点を囲んで座ってしまう。もう、吉田岳に行く時間も気力も無くなっていた。山頂は風が吹けば少し寒いくらいで、快適だった。夏は木が茂っていて見通しが悪いが、木の葉が落ちているので透かすかに見える。
頂上 由緒書き 襟裳岬
 昼食が終わって、愛棒を山頂に残して、少し吉田岳の道を下ってみる。雪が少しあり、少し荒れ気味だが、吉田岳が良く見える所まで下って写真を写す。吉田岳の山頂標識が見え、途中の岩尾根も良く見えた。最後に、記念写真を撮すが、もう、11年も前だったなんて信じられなかった。
 帰りは、太平洋を見ながら冬島コースを下る。
吉田岳とピンネ 記念写真を(大×) 太平洋
 山頂直下から、まだ日高山脈が良く見えた。途中で、スニーカーを履いた中年男性2人と出会う。今日は軽装でも大丈夫だが、何かあったら大変だと思うが、本人達は至って元気だった。馬の背に下りる手前でコブ越しに様似市街が見える。馬の背にあるコブを越えて北側に登山道を辿る。
日高山脈 日高山脈 馬の背へ下る 分岐を過ぎた馬の背
 北側になるとまた日高山脈が見え出す。馬の背も結構な岩場に見える。ようやく馬の背の標識の所に辿り着くと、標識の所でタバコを吹かしながら双眼鏡で山を覗いていた。登りの時に標識の写真を写していなかったので、写そうかと思ったが敬遠し早々に下る。日はもう夕暮れを思わせるように低く、海面を美しく照らしていた。
日高山脈 馬の背 馬の背の標識 逆光の海
 キタゴヨウマツ越しに山頂を見上げて感謝と別れを告げる。5合目の避難小屋(第6休憩所)は素通りして先を急ぐ。下山は新道下ることにするが、新道の標識が無いのに違和感を覚えながら下る。新道はすっかり、荒れ果てて昔のイメージが無く、本当に新道だろうかと密かに思うが、見覚えのある砕石の砂利道なので安心する。突然、沢でバキバキという音がする。相棒は思わず後ろを向いて、何やっているのかと怪訝そうな顔をする。枝を折りながら移動する動物と言えば・・・と考えながら沢を覗くが正体不明だが先を急ぐ。次に、道端の少し置くに、円く掘った跡がある。盗掘の跡なら土をあんなに散らかさないと思う。ありの巣かハチの巣があり掘ったのかもしれないと思う。新道は鹿の遊び場となっているのか糞が多く、姿も2回見た。新道は少しずつ自然に帰っているのだろうか。
キタゴヨウマツ越しに 避難小屋の5合目 新道へ 展望所から
 展望所のベンチは朽ち果て見る影もなかった。しかし、道端に自生しているシャクナゲは見事で花時期には来てみたいと思う。沢に架かる橋はまだ健在で、法面を支える丸太の土留めは少しくたびれている所も見受けられた。車止めをした新道の出口付近には枯れススキが生えていて繁茂期には大変だと思った。
展望所のベンチ 沢に架かる橋 丸太の土留め 新道の出口
コース 冬 島 幌 満

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 二人の山行記録(遊びの時間も含む)
 2006(H18)年11月18日(日) 晴れ 一周10.006km 登り(幌満お花畑経由)2:40 下り(新道)1:59)
 8:47駐車場→8:52登山口→9:00旧道へ→9:02@号目→9:18A号目→9:34B号目→9:45C号目→9:54避難小屋→10:09E号目→10:16F号目→10:24馬の背→10:36豊満お花畑へ10:5711:32頂上12:15→12:34G号目→12:38豊満お花畑へ→12:45馬の背→12:57E号目→13:09避難小屋→13:20新道へ→13:45見晴台→14:08新旧分岐→14:14登山口
 1995(H7)年8月26日(土) 晴れ、霧 登り2:30(旧道)