札幌岳(1293.0m) |
コース名 | 冷水沢 | 冷水→豊滝 | 豊 滝 |
ポイント コースは2つ、秋の豊滝コースは熊騒動、冷水沢コースは豊平峡の紅葉で混み合う。頂上は岩場で展望も良い。豊滝の隠れた魅力はパゴダの塔が見えることだが、登山道は荒れているかもしれない。冷水沢コースの駐車場に立つ登山案内図には豊滝コースは無い。 古い夏山ガイドの愛読者様へ:一番通の「豊平峡ダム専用道路」のゲートはないので、24時間登山口まで入れる。 国土地理院地図 周辺地図 |
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冷水沢コース |
アクセス 豊平峡へ行く途中、左側に広い駐車場があり、駐車場の奥から登る。駐車場は広いが土日は満杯になるので、後続車のことを考えて停める。林道からも行けるが遠回りになる。 |
6月9日<1996(H8)年 登り3:00> |
登山口から暗い森の中を辿って行くので、花はなにも見当たらない。林道を横断して冷水小屋までも暗い森の中を辿って行く。小屋の裏手から急登が続き一汗かく。登り切り平らな尾根に上がると、展望が開け無意根山等が見えてくる。尾根筋の道は残雪で覆われているので、雪の上を歩くことになる。山頂手前で、夏道を見失うが、直ぐに復帰できた。山頂に上がると、羊蹄山、空沼岳、恵庭岳等が広範囲で見えた。南側の山腹には林道が網の目状に広がっていた。 帰りは、僅かながら咲いているヤシオツツジ、スミレサイシン、ニリンソウ、エンレイソウ、シラネアオイの花を見ながら下って行く。 |
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6月11日<2006(H18)年 往復11.800km 登り2:55 下り2:07> |
駐車場の入口に建っている冷水小屋には登山届ポストがある。登山届を済ませて駐車場の奥に伸びる登山道を辿ると、直ぐに、苔生した石仏が登山道脇に鎮座し、5円と50円が供えられている。登山道から冷水沢川の対岸に冷水トンネルの駐車場が見え出し、山の雰囲気が一時消え去るが、道端にはエゾキケマンの黄色い花が咲いているところがある。間もなく、登山道はロープの張られた丸木橋を渡り、冷水沢川の右岸から左岸へと移る。 |
駐車場の登山届 | 石仏 | エゾキケマン(大×) | 右岸から左岸へ |
5分位で苔生した岩と清流に架かる丸木橋を渡り、再び右岸へ戻る。右岸へ戻って川沿いの登山道を辿るが、川沿いに行き過ぎ、再び倒木の橋(迷い橋)を渡ってしまう。渡ると直ぐにまた、渡渉しなければならず石伝いに右岸を目指す。人の足跡が無くなり、道もかろうじて分かる位の踏み跡になり、迷ったことに気が付く。登山道は左岸に無かったので、右岸沿いにあることは確かと思い、そのまま辿ると古い登山道が出て来た。それを辿ると直ぐに、広い登山道にでることが出来た。 まもなく、林道を横切るが、林道には山菜採りの車が数台入っていた。 |
再び右岸へ | 苔生した岩と清流 | 迷い橋 | 林道を横切る |
林道の反対側に設置された「北海学園大学冷水小屋⇔登山口」「←至札幌岳」の標識に導かれ、再び登山道を辿る。冷水沢川を再び渡渉して、左岸に渡り進むと冷水小屋が現れる。昔の小屋と比較しても土台の一部が変わった程度で、ほとんど同じように見えた。よっぽど保守管理がしっかりしているのではと思う。中を覗くと、まだ寝ぼけ眼の女性が顔を出したので、内部を撮して退散する。小屋の裏手からは急登が始まり、道の真ん中に根が網の目のように張り巡らされた上も歩く。何度も休みながら登って行く。 |
道標 | 冷水小屋 | 小屋の内部 | 根の張った道 |
1100mの肩に上がると、登って来た方向に五明山の岩塔が見えてくる。ここから一旦平らになるが、平らなので水はけが悪く、登山道は水浸しの状態が続く。1200m付近になると傾斜がやや急になり、倒木だらけの白樺林が現れる。倒木を登ったり、潜ったりのアスレチック状態が少しの間続く。 それが、過ぎると、残雪が現れ、目印もないので、右から左へ残雪の縁を辿り、夏道を探しながら辿る。 |
五明山の岩塔 | 沢の様な登山道 | 白樺林の倒木 | 残雪 |
残雪から夏道に入り、山頂が近くなるとハイマツが現れる。山頂の入口には山桜が咲いていた。山頂に着くと左手に無造作に石が積み上げられ、測量板が立てかけられた「石鎚神社の碑」が忘れ去られたように佇んでいた。山頂には一張りのテントがあり、住民はまだ中にいるのか分からないが、ひっそりとしていた。これから大勢の登山者で賑わうので、嵐の前の静けさかと思いながら、霧の中の山頂で一休みをする。山頂標識も10年前は真新しかったが、今は見る影も無く黒ずんでいた。その山頂標識の脇にヒクタ峰と同じ人が作ったと思われるアズキ色の山頂標識があった。 |
ハイマツが現れ | 石鎚神社の碑 | 山頂へ | 山頂標識 |
愛棒に電話をかけ下山を告げ、山頂を後にする。残雪では夏道の入口を探しながらタチグリで滑り下りる。下山途中で、残雪の近くにエゾエンゴサク、真っ白なオオカメノキ、真っ赤なムラサキヤシオツツジ、開きかけのサンカヨウ、ツバメオモト、歯間ブラシのようなナンブソウ、数種類のエンレイソウ、シラネアオイ等を楽しむ。途中から、登山者が多くなり銀座通りの様相を呈し始め、一挙にあいさつの回数が増える。 なんと言っても、驚いたことは「15 山火事注意 フルヤキャラメル」のプレートが健在だったことだ。何十年経っているのだろうか。このプレートは山スキー用のコースに付けられたものなのだろうか? 最後は登山道の両脇にニリンソウとタチツボスミレが咲く道を下る。苔生した岩と清流も木漏れ日が当り一段と綺麗に見える。 |
オオカメノキ(大×) | フルヤキャラメルの | ニリンソウ(大×) | 苔生した岩と清流 |
6月20日<1999(H11)年 登り2:30 下り2:15> |
今日は団体の登山者が多かった。登山口から林道までは針葉樹の森で暗く何も咲いていなかった。横断する林道も前に来たときよりも木が茂っていた。登山道も所々笹が被っていたり、荒れていた。冷水小屋を過ぎると、急登になり道の真ん中に堂々と熊の糞があった。登山道脇にはサイハイラン、ツバメオモト、シラネアオイ、ヤシオツツジ、サクラが僅かに咲いていた。 頂上に着くと、霧で一部しか見えなかったが、中山峠、尻別岳、無意根山が確認できた。頂上では、ラジオを大音量で鳴らしていたマナーの悪い輩がいて辟易する。 |
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7月11日<2012(H24)年 往復11.857km 登り2:56 下り2:20> |
駐車場に着くと、既に1台駐車していた。準備をしていると、男性が到着する。札幌岳は初めてだと言い、どの位かかるのかと聞いてきた。愛棒は「2時間30分位で登れると思います。われわれは3時間ですけど」等と対応していた。われわれが先に出発するが、登山口から夏草が結構茂って来ていた。登山道は何時もながら凄く暗くて写真を写すと、ストロボが光ってしまう。ヤグルマソウは失敗作のワタアメのように咲いていた。登山道の脇には大正時代の石仏が鎮座している。後ろから、先ほどの男性が追いついてきたので、道を開ける。この男性の服装は短パンに素足の上にスパ ッツ、若いのにダブルストックと、かなりユニークだった。 |
登山口 | 暗い森の | ヤグルマソウ(大×) | 石仏 |
暗い森の中には、大木の朽木があり、昔は広葉樹の明るい森だったのだろうかと思う。台風高原といわれるカラマツの植林地に入って行く。1954(昭和29)年の洞爺丸台風の後に植林されたので、50年は経っている林なのだろう。台風高原を過ぎると、目まぐるしく冷水沢川を渡渉する。 |
大木の朽木 | 植林地帯 | 沢を@ | 沢をA |
登山道は川沿いになったと思えば、また、沢を渡る。道端にはノリウツギの花が咲き、小型のキスジホソマダラが蜜を吸っていたが、あまり好きにはなれない。 |
川沿いを | 沢をB | ノリウツギ(大×) | キスジホソマダラ(大×) |
再び沢を渡るが、地図の沢の位置と登山道の関係が分からず、現在地を把握するとが出来ない。擦れた<定山渓 札幌岳>の道標が木立に打ち付けられていた。暗いので、イチヤクソウは下山に撮すことにして、見るだけで通過する。林道に出て、日に当たり何故かほっとする。林道からはまた夏草の茂った登山道に入って行く。入口には「北海学園大学冷水小屋⇔登山口」「←至札幌岳」の標識が立っている。 |
沢をC | 擦れた道標 | 林道に出る | 林道から |
朽木を交わし、沢を渡りながら登って行くと、冷水小屋が現れる。冷水小屋は、昔のままの佇まいのように見えるが、周囲の木立が大きくなっているような気もする。 |
朽木を交わし | 沢をD | 冷水小屋が | 冷水小屋 |
冷水小屋は鍵がかけられていたが、小屋の前には鐘があり鳴らす。この鐘は「安如泰山の鐘」と言われ、追悼のために設置されたようだ。小屋からは急登が始まり、シロバナニガナやスダヤクシュの咲く登山道を喘ぎながら登って行く。 |
玄関前 | 鐘の由来 | 急登を | シロバナニガナ(大×) |
木立の隙間から、並河岳、中岳、羊蹄山、喜茂別岳、無意根山が見え、隣の五明山の岩塔も現れる。 |
中岳 | 羊蹄山を | 無意根山を | 五明山の岩塔 |
角度が変わったのか余市岳も木立の隙間から見えて来る。1153mの尾根に上がるかと思うと、トラバース気味に登山道が延びだす。両脇が笹薮の平らな道になり、1153mの尾根の端に位置する峠に上がる。コルまで下って行くと、土が丸見えの登山道になったり、石原の登山道になったりしながら傾斜を増して行く。依然として、森の中なので高度感が得られないが、ゴゼンタチバナが現れ、高度が上がった実感がわく。 |
余市岳を | 平らになる | 石原に | ゴゼンタチバナ(大×) |
山頂への最後の登りになると、粘土の道になり登り難いが、足穴を頼りに登って行く。木立の隙間から烏帽子岳とその後ろにアンテナの林立する手稲山が見えて来る。追い越して行った男性はもう下山をして来る。突然、目の前が開け山頂に飛び出す。取りあえず、人の来ないうちに山頂標識の前で記念写真を撮し合う。 |
粘土の道に足穴 | 烏帽子岳を | 山頂に出る | 山頂標識(大×) |
恵庭岳が正面に見える岩に座り、麦芽風味の炭酸飲料を飲む。岩の上からは空沼岳、恵庭岳、漁岳、狭薄山、東中山が見えていた。空沼岳への縦走路を探すが、特定できなかった。 |
空沼岳 恵庭岳 漁岳 狭薄山 東中山 |
中山峠へ登って行くトラックの唸り声?が良く聞こえて来るので、中山峠の位置が良く分かる。幌滝山、蓬莱山、尻別岳、小喜茂別岳、喜茂別岳、並河岳、中岳、無意根山と連なって見える。東中山、幌滝山、蓬莱山の連なりは思っ たよりも平らだった。羊蹄山は、登る途中でには良く見えていたが、山頂では 雲がかかってきていた。 |
幌滝山 蓬莱山 尻別岳 小喜茂 羊蹄 喜茂別 並河 中岳 無意根山 |
パゴダの塔を見ようと、場所を変えるが、木が茂ってくると迫力に欠けて見える。烏帽子岳、神威岳、その間に手稲山、砥石山、八剣山、青山、藻岩山、盤ノ沢山、藤野三山、パゴダの塔、藤野富士と連なって見える。 |
烏帽子 手稲 神威 砥石 八剣 藻岩山 盤ノ沢 藤野三山 パゴダの塔 藤野富士 |
休憩を終えて、縦走路を覗きに行くが結構薮になっていた。7年前に登って来た時にも薮だったが、今は登って来る人がいるのだろうか? 山頂に戻ると、キアゲハが舞っていたので、チャンスを狙って写す(くれぐれも採らないようにお願いします)。最後に、バゴダの塔を眺め、石鎚神社碑に登山の無事を願って下山を開始する。 |
縦走路入口 | キアゲハ(大×) | バゴダの塔 | 石鎚神社碑 |
下山を開始すると、年寄り3人と若い女性2人の不思議なコラボレーシ ョンに出会う。年寄りは山スタイル、若い女性はスニーカだった。山を始めてまだ日が浅いようだが、山ガールに成長することを願ってしまう。 下山途中、シデムシを観察したり、小さな花のクルマバソウを見ながら下って行く。下山中は、足元だけを見ながら下るので、景色は二の次になる。足元だけを見ているので、あっという間に大木の間を抜けてしまう。この二本の大木を通過すると、冷水小屋は近い。二本の大木の根は絡まっていて見応えがあるので、振り返って見入る。 |
シデムシ(大×) | クルマバソウ(大×) | 大木の間を | 振り返る |
急傾斜から冷水小屋の屋根を見ながら下って行く。やはり、今日は小屋には鍵がかかっていた。下山途中、ミヤマオダマキに出会うが、イチヤクソウは見失う。 林道に出てほっとする。再び、登って来たときよりも暗くなってしまった森の中を下って行く。低気圧の中の晴れ間なので、雲行きが怪しくなるが、雨が降ることはないようだった。「15 山火事注意 フルヤキャラメル」のプレートは登山道が付け替えられたのか、見つけることが出来なかった。 |
冷水小屋へ | 冷水小屋を後に | ミヤマオダマキ(大×) | 林道に出る |
駐車場近くになっても、まだ、登って来る人がいた。この男性、心細いのか上に何人いますかと聞いてきた。駐車場に辿り着くと、まだ、結構車が停まっていた。 |
昔の写真 |
昭和40年半ばに、空沼から縦走したときに写した冷水小屋の写真だが、今よりも、木々が小さく明るい印象だった。 |
冷水小屋(↑大) |
コース名 | 冷水沢 | 冷水→豊滝 | 豊 滝 |
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二人の山行記録 (遊びの時間含む) 2012(H24)年7月11日(日) 晴れ後曇り 往復11.857km 登り2:56 下り2:20 7:43登山口→8:29林道分岐→9:06山小屋→9:58峠→10:39頂上11:12→11:42峠→12:27山小屋→12:56分岐→13:32登山口 2006(H18)年6月11日(日) 曇り 往復11.800km 登り2:55 下り2:07 単独 6:32登山口→7:18林道分岐→7:57山小屋→9:27頂上9:44→10:36山小屋→11:03分岐→11:51登山口 1999(H11)年6月20日(日) 曇り 登り2:30 下り2:15 9:30登山口→10:09林道分岐→10:40山小屋→12:00頂上12:18→13:28山小屋→13:57分岐→14:33登山口 1996(H8)年6月9日(日) 晴れ 登り3:00 |