札幌岳(1293.0m)
コース名 冷水沢 冷水→豊滝 豊 滝
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 ポイント
 コースは2つ、秋の豊滝コースは熊騒動、冷水コースは豊平峡の紅葉で混み合う。頂上は岩場で展望も良い。豊滝の隠れた魅力はパゴダの塔が見えることだが、登山道は荒れているかもしれない。冷水沢コースの駐車場に立つ登山案内図には豊滝コースは無い。
 古い夏山ガイドの愛読者様へ:一番通の「豊平峡ダム専用道路」のゲートはないので、24時間登山口まで入れる。
 国土地理院地図  周辺地図
案内図
豊滝コース

 アクセス
 交通情報館(道の駅)前の信号から豊滝方向に入ると、旧国道の十字路に出る。ここを直進して、舗装道路に沿いに行くと左にカーブし、市道豊滝東線に突き当たる。T字路を右折し豊滝市民の森を通り過ぎると、橋の手前に皇恩の碑がある。そこから盤の沢林道へ左折し奥へ進むと、送電線の下にゲートがあり、駐車スペースもある。
皇恩の碑 盤の沢林道へ左折
 5月20日<2001(H13)年 登り3:31 下り2:25>         北の山游詩:雪消
 林道ゲートの手前に駐車する。ゲートは鍵がかかっていたが、鍵を開けて入って行く人もいる。乗せてやるといわれたが、断って林道を歩く。盤の沢川に沿った林道を川のせせらぎの音を聞きながら、スミレサイシン、ミヤマエンレイソウ等の春の花々を見ながら登って行く。20分位で左にUターンする分岐があるが、ここは真っ直ぐ進む。50分位で林道の終点に着くと、7台くらい車が止まっていた。 登山道に入ると、ゴロンゴロンした石の上を歩き、小沢を二つこえる。二つ目の小川の越えるところで、沢登りの人たちの足跡に惑わされ、登山道を見失う。元に戻って辿り直すと、対岸にロープがぶら下っていた。HYMLの辻さんがオフミ登山で道なき道を登ったというのはこの沢だったのだろうかと思う。これからは、どんどん直線的に登って行く。道端にはショウジョウバカマ、オオカメノキが咲いていた。
スミレサイシン(大×) ミヤマエンレイソウ(大×) ショウジョウバカマ(大×) オオカメノキ(大×)
 キクサキイチゲ、シラネアオイ、ツバメオモト等の花々を見ながら登って行き、縦走路が近くなるとアンコールワットの寺院を思わせる岩塔が見えだす。上はまだ雪があり、足跡が入り乱れているところもある。登山口から1時間ちょっとで、空沼からのT分岐に突き当たり、右に行くと頂上に辿りつける。途中で、ご一行さんに出会い、雪の上で降りてくるのを待つ。ピッケルを使って滑ってくる人もいて、結構サマになっていた。頂上近くなって驚いたことに、頂上直下の雪の斜面を林道入り口で出会った2人の年寄りがアイゼンを付けて登ってくる。
キクサキイチゲ(大×) シラネアオイ(大×) ツバメオモト(大×) パゴダの塔
 頂上の岩の上に腰掛け昼食をとっていたら、またご一行さんが登ってきて頂上で宴会の準備をしていた。間もなく、ホットワインが出来たらしく、回って配っていた。我々にもおすそ分けがあり、飲むと美味しかった。山メールのオフミではいつもこんなことをしているんだろうなと思った。眺望は札幌市街を除けばかなり良く、空沼岳、恵庭岳、漁岳、狭薄山、ホロホロ山、徳舜瞥山、東中山、幌滝山、中山峠と広がっていた。隣の狭薄山は林道が網の目の様に広がっていた。
                     ←大
空沼岳     恵庭岳 漁岳  狭薄山    ホロホロ 徳舜瞥山 東中山
 中山峠方向には、貫気別山、蓬莱山、尻別岳、中山峠、小喜茂別岳、羊蹄山、喜茂別岳、並河岳、中岳、無意根山と連なって見えていた。羊蹄山には雲がかかっていたが、無意根山は青空の下にあるのか、一段と真っ白に見えていた。
           ←大
貫気別 蓬莱 尻別 中山峠 小喜茂別 羊蹄 喜茂別 並河 中岳  無意根山
 山頂で、記念写真を撮し、下山を開始する。先ほど、二人が上がって来た雪の沢を振り返り、下って行く。雪の上は立ちグリで滑って遊んだ。急な所があったので、斜めに滑ろうと思ったが、靴が枝に引っかかって、転びそのまま、下まで滑ってしまった。愛棒も同じ所で転び、二人とも下まで滑り落ちた。滑ると全く止まらない。
山頂(大×) 雪の沢 パゴダの塔
 分岐からはパゴダの塔を見ながら下って行く。
 
 6月28日<1998(H10)年 登り2:30 下り2:17>
 林道のゲート手前に駐車するが、ゲートは鍵がかかっていないので、ゲートを上げて入って行く人がいた。ここから、盤の沢川に沿った林道を川のせせらぎの音を聞きながら歩く。登り初めてすぐに腐ったような臭いのする所があった。16分位で右にUターンする分岐があるが、真っ直ぐ進むと50分位で林道の終点に着く。終点には車が3台止まっていた。
 林道の終点から、ゴロンゴロンした石の上を歩くと川にたどり着く。ここから、登山道らしくなり、どんどん直線的に登って行く。途中に草も生えていないガラーンとした場所があったり、アンコールワットのような寺院を思わせる岩塔:パゴダの塔が見えて来る。
 登山口から1時間ちょっとで、空沼からのT分岐に突き当たり、右に行くと頂上に辿り着いた。頂上の岩の上に腰掛け眺望を楽しむ。狭薄山の蝦蟇沢川のある南側には林道が網の目の様に見える。
 下山途中、空沼の縦走路から札幌市街地が覗けた。雨後だったので、滑って転びまくる。
山頂(大×)
 
 8月6日<2005(H17)年 往復12.513km 登り3:31 下り2:25>
 盤の沢林道へ左折しようと思ったが、イタドリが繁茂し水溜りがあったので、皇恩の碑の前に駐車する。徒歩で入林名簿の付いている林道ゲートを目指す。途中で、ノリウツギの大きな白い花が咲さいていた。
 ゲートは鍵がかかっていたが、鍵を開けて入って行く人もいるようだ。ゲートには昨年の台風による倒木処理が済んでいないので、立入禁止の看板がぶら下がっていた。入林ポストがあるところから、自己責任で名簿に記入して中に入らせていただく。春先にニリンソウが咲いていた林道も黄色いキツリフネが咲いている他は目立った花もない。展望も無いので黙々と進むが、暑さで足取りが重たい。立ち止ると蚊の攻撃に遭うので、休憩もままならない。救いはパゴダの塔の西隣にあるピークが僅かに見えることだった。
ノリウツギ 盤ノ沢林道ゲート 林道を歩く パゴダの塔手前のピーク
 川のせせらぎの音を聞きながら、盤の沢川右岸の「盤の沢林道」を歩くと、川を横切り左岸へ道が変わる。林道の終点には7台くらい車が止まれるスペースはあるが、今回は1台も駐車していなかった。
 林道の終点から、登山道らしくなり、ゴロゴロした石の上を歩く。1回目の渡渉があり、少し登って下ると、2回目の渡渉がある。2回目の渡渉地点は、来るたびに違うようだ。今回は難なく越えが、春先の増水している時期は対岸の道を見つけるのが大変だった。この辺には春先、オオバナエンレイソウが咲いていたが、今は実が付いていて倒れていた。
 木立越しにアンコールワットの寺院を思わせる岩塔が見え出し元気をもらう。この岩塔を一原有徳氏は「パゴダの塔」と呼んでいて、高さが90mあったという。パゴダの塔はミヤンマーが本家だが、日本にもあるらしい。日本ではミヤンマーというよりは「ビルマの竪琴」で有名だ。パゴダの塔はビルマ(現ミヤンマー)戦線で亡くなられた方々の慰霊碑として建立されたものだ。
登山道へ 1回目の渡渉 2回目の渡渉 パゴダの塔
 パゴダの塔を木立越しに見ながら、どんどん直線的に登って行く。春先にはシラネアオイやツバメオモトが咲いていたが、今は青い実を付け、クルマユリは風に揺られている。時折、ギャーギャーと鳴く鳥の声に愛棒は怯える。途中に、断層なのか林道跡なのかはっきりしないが植物が疎らな何となく希薄な所を通過する。ロープの張ってい急登は3か所あり、倒木を交しながら登って行くと、空沼からのT分岐に突き当たる。
パゴダの塔 何となく希薄な ロープの垂れた急登 T分岐へ(大×)
 T分岐に上がり、来た方向を振り返ると盤ノ沢山とパゴダの塔が見える。頂上へは右だが、藪が繁茂し登りがきつい。その反面、空沼への縦走路は完璧に笹刈りがなされていた。途中岩場を登り、ハイマツ帯を抜けると背後に空沼が顔を出す。
盤ノ沢山とパゴダの塔 藪が繁茂し パゴダの塔 岩場の登り
 左側には空沼岳や狭薄山が間近に見え、その奥に恵庭岳が僅かに見えていた。山頂に着くと数人が岩の上に腰をかけて休んでいた。喜茂別岳、中岳、無意根山、羊蹄山は霞んだり、雲に隠れたりで良く見えない。それでも、展望の良いのには変わらない。われわれも頂上の岩の上に腰掛け、昼食をとる。山頂標識は以前よりも高い位置に取り付けられ、その隣に「峰風」さんの標識があった。
空沼岳 狭薄山 山頂 山頂で(大×)
 山頂から見回すと、烏帽子岳、手稲山、神威岳、百松沢山、砥石山、盤ノ沢山、焼山が見えていた。
                     ←大
山頂   烏帽子 手稲 百松沢山   砥石山       盤ノ沢山  焼山
 その右側には、藤野富士、空沼岳、漁岳、狭薄山が連なっていた。春先に、狭薄山に張り巡らされた林道が網の目の様に見えていたが、今回は全く見えなかった。
                     ←大
藤野富士           空沼岳            漁岳   狭薄山
 中山峠方向を見ると、東中山、幌滝山、蓬莱山、中山峠、小喜茂別岳、喜茂別岳、並河岳、中岳、無意根山と連なっていた。
                     ←大
東中山 幌滝山     蓬莱  中山峠  小喜茂別 喜茂別 並河 中岳  無意根
 帰りは、薮の中の岩場を慎重に下る。T分岐からは盤ノ沢山とパゴダの塔を見て下って行く。パゴダの塔は柱状節理のような岩に見え、現在の形状からして東側が崩れ去ったのではと思う。急なところで、愛棒はスリップダウンを4回して、腰を痛めてしまう。長い林道歩きの末ようやくゲートに着く。
岩場を下る 薮の中 パゴダの塔 パゴダの塔
 ようやく、登山道らしい下りになりほっとする。再び、沢を2回渡り、長い林道歩きの末ようやくゲートに着く。
登山道を 沢を渡る 盤ノ沢林道ゲートに着く

 =皇恩の碑=
 みなみ区ふるさと小百科では、次のような解説をしている。
「市道豊滝東線の盤の沢林道への分岐点にある石碑。明治31(1898)年からの帝室御料林(略して御料)であった盤の沢の開拓、大正14(1925)年の農耕地と山林の払い下げを記念して建立されたもの。碑の台座には、入植者35人の名が刻まれている。なお、かたわらに石造の「熊野皇大神」の小祠がある」
コース名 冷水沢 冷水→豊滝 豊 滝

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2005(H17)年8月6日(土) 晴れ 往復12.513km 登り3:31 下り2:25
 
石碑8:21→ゲート8:30→林道終点9:33→T分岐11:18→12:01頂上12:54→T分岐13:14→林道終点14:32→ゲート15:19→石碑15:27
 2001(H13)年5月20日(日) 晴れ 登り2:30 下り2:12
 
ゲート8:55→林道終点9:50→T分岐11:09→11:25頂上12:22→T分岐12:41→林道終点13:37→ゲート14:34
 1998(H10)年6月28日(日) 曇り 登り2:30 下り2:17
 
ゲート→32→林道終点→1:11T→分岐→31頂上→32→T分岐→1:02→林道終点→13→ゲート