達布山展望台(143.7m+15m)

 ポイント
 遊歩道でも車でも山頂に到達できる。高さ15mの展望台からは大パノラマが広がっている。現在、遊歩道は荒れ気味で、藪漕ぎの所や閉鎖された所もある。月形円山展望台と石狩川を挟んで対の役割を果たしたようだ。
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=

 アクセス
 三笠市の西外れで、高速道路東側の岩見沢三笠(道道116号)線から美唄三笠(道道1140号)線で北上する。達布山史跡公園入口を左手に見て、下って行くと、達布山展望台の道標がある。次の道標に従って一車線の舗装道路が延びていて山頂に駐車場もある。狭いので交差には注意。達布山史跡公園入口には分かりにくい案内図があり、その中で下りの矢印の付いた道路が生きている。
 国土地理院地図  GPSトラックは山の地図帳「2023.5.20」へ 周辺地図
   
公園案内板(’07)
 5月19日<2023(R5)年>
 16年ぶりに訪れてみると、周囲の木々が大きくなっていた。ジオサイド案内も新設されていた。三角点やタワーは以前のままだった。
駐車場から ジオサイド案内 三角点 タワー
 展望台に上がって、鳥瞰図と実際の景色を比較してみる。南側が一番開けていて北側は全く見えなくなっていた。
西
 東側から南側には三笠(観音)山、見えるはずの夕張岳、眼下の岩見沢三笠線、見えるはずの樽前山と恵庭岳平野の延びる高速を眺める。
                     ←大
三笠(観音)山 夕張岳             岩見沢三笠線     樽前山 恵庭岳 高速
 西側から北側で、全く見えないが余市岳、朝里岳、小樽市、阿蘇岩山、対岸の円山を眺める。
                     ←大
余市岳 朝里岳 小樽市           阿蘇岩山      円山
 建物の隙間から三角点の上にいる愛棒を覗く。螺旋階段の上には避雷針も設置されていた。螺旋階段を一気に下りて入口に着くと目が回っていた。15mの高さを実感する。
隙間から 螺旋階段 避雷針 入口
 9月18日<2007(H19)年>
 公園の入口には「蜂に注意」と書かれていたので、反対側から車で山頂まで上がる。駐車場の端には遊歩道(現在閉鎖中)があり、覗いてみる。踵を返して階段を上がって行くと石碑があり、その傍に、読み方が書かれていた。
展望台 遊歩道 漢詩碑 漢詩碑の解説
   漢 詩 碑
  在眼天塩石狩洲
  長川一帯入空流
  可無禦侮張権策
  駐馬太布山上秋

  明治15年9月
  内務卿  山田顕義 
 眼(め)にあり天塩石狩のしま
 長川ちょうせん一帯空いったいくうに入って流る
 あなどりを禦ぐ張権ちょうけんの策なかるべけんや
 馬をとど太布山上たっぷさんじょうの秋 

       平成二年七月建立
   石碑は小野道海氏の書です
 漢詩の読み方の方を見て、内容を理解しないまま、奥へ進むと達布山の由緒書きがあり、奥に四阿が見えて来た。近づくと、東屋の前にタイルで囲われた立派な三角点が鎮座していた。その傍に、三角点の由緒書きがある。 
達布山の由緒書き 四阿 立派な三角点 三角点の由緒書き

  達 布 山たっぷやま
  三笠市指定文化財
  昭和45年11月17日指定
 達布はアイヌ語でタプ・コプといい、頂上のまるい峰の
ことをいう。達布山は標高143.8メートル。
 明治開拓期には、頂上にあずま屋、休憩所、屋根が傘の
ような構造でクルクル回る風車仕組みの回旋塔などを設
けて道央の開拓のようすや石狩平野を見わたす展望地で
あった。
 明治16年(1883年)この山頂と月形の丸山とで火を
焚いて、月形との位置を測定、樺戸街道が開削された。
 明治20年、達布山裾から峰延に通ずる道路をつくり、山
間の深い二つの沢に義経橋と弁慶橋をかけ達布山の景観と
ともに名所の一つになった。
 明治中頃までにこの山を訪れた要人には、西郷從道つぐみち・山
顕義あきよし山県有朋やまがたありとも・井上こわし榎本武揚えのもとたけあき・桂太郎・永山武四
郎・板垣退助など数は多い。

 三笠歴史街道の図

三笠市開庁120年記念事業 平成13年9月建立

 達布山三角点
 三角測量の基準となる点で一等
から四等まであり、建設省国土地
理院によって日本全領土内に設置
されており、それを結んでいくと全国
を覆う三角網となる。
 この三角点は二等で、永久的な
基準点として明治四十四年十一月
六日に設置されているが、達布山
は古くから道央・石狩平野が一望
できることから、北海道開拓の基
本となる測量の原点とされ、明治
十六年六月に月形の円山と結び、
「達布山山頂に火をたき、樺戸の位
置を定めた。」と記されている。
    三笠市教育委員会
    達布山三角点
    峰延町 
   寄贈 前川米一
 
 三角点の由緒書きを見て、改めて、青いタイルで囲われた三角点を見ると、方位も描かれていた。この三角点とコンクリートの道で繋がれている展望台へと足を運ぶ。中は螺旋階段なので、愛棒は地上で待っていると言う。私一人で上って行くと、隙間から三角点の傍にいる愛棒が見えた。
タイルで囲われた点 展望台入口 展望台を見上げる 展望台の隙間から(大×)
 展望台の上に着くと、鳥瞰図があり、晴れていれば山座同定をして楽しめるところだが、今日は、所々ガスがかかっている。雲の薄い所は、芦別岳と夫婦岩、音江山が見えていた。
夫婦岩と芦別岳 音江山

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 二人の散歩記録
 2023(R5)年5月20日(土) 晴れ
 2007(H19)年9月18日(火) 晴れ