多峰古峰山tappukoppuyama(660.9m)

 ポイント
 445m峰に登らない場合は、林道から800m位入って445m峰に目掛けて枯れ沢を越る。445m峰に近づき南側の山腹を辿って行くと作業道跡があり、一部藪漕ぎしながら辿るとコルに出る。コルからは痩せ尾根を辿る。展望は低山にしては最高だ。山の名前はアイヌ語では「tapkop」で発音は「タプコプ」、意味は「タンコブみたいな山」と言う。
シシャモナイ沢林道ルート

 アクセス
 支笏湖畔の南側に延びる支笏国道(276号線)を走っていると、左手に苔の洞門(現在閉鎖中)が出てくる。更に、苔の洞門からおよそ1km位走り、道がカーブしだす手前にゲートのあるシシャモナイ沢林道があった(林道入口は未除雪)
 国土地理院地図 GPSトラックは「2008.2.18」の地図帖へ 周辺地図
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 2月18日<2008(H20)年 往復スノーシュー6.517km 登り3:17 下り1:30>
 今日は、林道からシシャモナイ沢を渡り、445m峰を登って、尾根通しで行くことにする。林道ゲートを交わして中に入ると、台風で林が無くなったので、風不死岳が丸見えになっている。直ぐに、林道から離れシシャモナイ沢を渡る場所を探す。キツネの足跡が沢を渡っていた所を見つけ、無事対岸に辿り着く。シシャモナイ沢は水が流れていない枯れ沢だった。445m峰の尾根に取り付き登って行く。途中に、洞のある朽木が目に付いた。この住人は誰なんだと足跡を探すが周囲には見当らなかった。
林道ゲート 風不死岳が シシャモナイ沢 朽木の洞
 それにしても、雪が少なく笹がトラップのように邪魔をする。良く見ないと風倒木も行く手を妨げる。雪は下の笹でベッドのようにスプリングが利いている。おまけに、薄っすら積もった雪が剥がれ、スノーシューズが思うようにグリップ出来ずスリップをしながら登って行く。
 急登に汗をかき支笏湖を振り返りながら登って行く。445m峰の登りでは「イチャンコッペ山」「紋別岳」「丹鳴山」「恵庭岳」が望まれる。
イチャンコッペ山 紋別岳 丹鳴山 恵庭岳
 隣りの580m峰と支笏湖が冬木立が冬木立越しに見える。反対側には真っ白な樽前山が姿を見せていた。445m峰のピークに上がると、多峰古峰山が見えるようになる。振り返ると、相棒が455m峰のピークに上がっていた。445mに上がるまで1時間30分を費やしてしまっていた。
580m峰と支笏湖 樽前山 445mから多峰古峰 445m峰
 445mから一気にコル目掛けて下りコルに着くと、沢から上ってくるルートの目印にピンクテープがぶら下がっていた。コルから痩せ尾根を登って行く。段々急になりジグを切りながら登って行く。東側に寄ると雪が硬くなりスノーシューズの歯が立たないので、西側寄りに登って行く。尾根の真ん中に岩が現れ、その岩の間を登って行く。痩せ尾根の付根に到着すると「丹鳴岳」や「恵庭岳」が望めるようになる。
痩せ尾根を 岩の間を 丹鳴と支笏 恵庭と支笏
 傾斜が緩くなり台地に上がるが、見晴らしが良いものと期待していたのに、白樺の幼木林で全く展望がない。台地に上がると山頂は目の前に見えて来る。山頂へは「支笏湖」や「580m峰」をバックに登って行く。山頂直下を登って行くと、尾根越しに「モユクンタプコプ山」が顔を出す。「モユクンタプコプ山」にはタヌキが居るか居ないか確かめたいのだが、山頂に上がったら最後、行く気は起きないだろうと思いながら眺める。
台地に上がる 山頂を目指す 支笏湖をバックに モユクンタプコプ山
 山頂直下は藪で少し凸凹しているようなので、南側から登って行く。尾根越しに真っ白な樽前山が見え出し山頂は直ぐそこに見える。山頂に上がると「樽前山」や「風不死岳」が主稜線の奥に見えていた。
山頂直下 樽前山が 山頂 風不死岳が
 山頂は正に、樽前山展望台で、真っ白な主稜線の奥に真っ白な「樽前山」が見える。主稜線を、樽前山の方向に歩み寄ると、一段と迫力のある「樽前山」が目の前に広がっていた。振り返ると「白老三山」「ホロホロ山」「徳瞬瞥山」の方向は曇って見えなかったがその片鱗は窺えた。山頂を見上げると、相棒が山頂に着いたようだ。
樽前山が 主稜線から樽前 白老三山方面 山頂を見上げる
 「風不死岳」「レペウ峰」「樽前山」「西山」が目の前に広がり、太平洋や白老の製紙工場も逆光だが見えていた。多峰古峰山から台地を辿り、樽前山(西山)へは、想像していた以上に、林が多く地形も複雑そうに見えた。
                                 ←大
風不死    レペウ峰 樽前 西山    太平洋     白老 モユクンタプコプ 
 山頂では北側の潅木に邪魔されて見えなかった「丹鳴山」「恵庭岳」「幌平山」「イチャンコッペ山」「紋別山」を屏風に支笏湖が眼下に見えていた。
                         ←大
580m峰 丹鳴    漁   恵庭   幌平   イチャンコッペ     紋別 
 天気は目まぐるしくて、全部が晴れて見えることはなかったので、昼食をしながら晴れた場所を撮す。山頂は支笏湖から吹上げる風が結構冷たく感じられるので、太平洋を見ながら食べる。
丹鳴山 恵庭岳 紋別岳 樽前山(↑大)
 帰りに、山頂で記念写真を撮し、南の「モユクンタプコプ山」を指をくわえて見ながら下る。尾根を台地に向かって下っていると「恵庭岳」「丹鳴山」が良く見えて来た。台地からはなれ、痩せ尾根の付根に下りると、再び「恵庭岳」が良く見えて来た。
山頂(大×) 恵庭岳 丹鳴山 痩せ尾根から恵庭
 下山は445mに登らずに、コルから445mの山腹に伸びる作業道跡を下る。右手側に刻まれた沢は地図で想像したよりも、複雑で深かった。途中、笹の藪漕ぎをしながら下ると、道が判然としなくなる。仕方が無く、倒木地帯を避けながら、枯れ沢を渡り、目の前に見える林道(作業道?)に合流する。それにしても、台風被害は凄い規模だった。下って来たコルを振り返ると木々は全く何も無い。林道(作業道?)から山頂を振り返りながら下って行く。
作業道跡を下る 笹の藪漕ぎ コルを振り返る 山頂を振り返る
 途中で愛棒がカケスと思われる鳥を見付け、飛び去らないので暫し見入る。何も無くなった林道は何処が道なのか判然としないので、適当に下って行くと、目の前に「丹鳴山」「恵庭岳」が見えてくる。ようやく、朝来たトレースと合流し、下って行くと林道ゲートが見えて来た。
カケス 丹鳴山 恵庭岳 林道ゲートへ

 =善意考=
 林道ゲート前に着いたら、ゲート前は除雪されていなかった。早速、車のトランクを開けスコップを取り出し、セッセと除雪する。除雪が半分も終らない内に、スコップの柄は、お菓子のポッキーの様に簡単に折れた。買ってから全く使っていなかったのにと呆れて、柄の変わりに腕を添え何とか除雪する。何時の間にか、紛い物や安物の世界になってしまったことを憂いながら作業をする。
 30分以上も除雪して、ようやく、除雪したスペースに車を入れることができた。車を前後に動かし微調整していると、道路管理パトロールの車が来て、牽引ロープを持ち出してきてくれた。慌てて、丁重に断わる。次に大型トラックがわざわざ停まってくれた。どうやら、スリップして雪山に突っ込んだものと思われたようだった。人の情はまだ健在で嬉しくなる。

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2008年2月18日(月) 晴れたり曇ったり 往復スノーシュー6.517km 登り3:17 下り1:30
 8:03ゲート→9:40P445m→9:48コル→10:42台地→11:20頂上12:05→12:18台地→12:38コル→13:35ゲート