三枚岳(1012m)

 ポイント
 三枚岳と二枚岳の中間(軍事遺跡?)までは明瞭な登山道がある。その後は何処を歩いても良いような踏み跡が三枚岳の最高地点を過ぎても続く。
 三枚岳の由来:「日高山脈のすべて」によれば、一枚岳(787m)、二枚岳(970.6m)、三枚岳(1012m)と記述されている。この3つのピークを庶野から見れば、重なって、三枚に見えることから、山の名前が付いたようだ。
上歌別牧野コース
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=

 アクセス
 国道337号線をえりも町歌別から庶野に向うと追分峠がある。その峠の少し手前に「北海道襟裳肉牛牧場」の大きな看板がある。その道に入り、峠に架かる陸橋を渡りながら、歌別川左岸沿いの砂利道を進むと、牧場の施設が現れる。その施設を右に見て奥へ進み、右折すると登山口に着く。
追分峠手前の入口 牧場の施設

 国土地理院地図 GPSトラックは「山の地図帳2005.5.21」へ  Google Map
 5月21日<2005(H17)年 往復5.892km 登り1:45 下り1:03>
 牧野に入ると、ルチシ山、三角形のオキシマップ山、白い筋のある豊似岳、三枚岳が眼前に迫ってくる。三枚岳の上の稜線は一筋の白い残雪が見える。
                     ←大
ルチシ山        オキシマップ  豊似 三枚 二枚 一枚岳
 登山口からはもうすでに襟裳岬が三角の姿を現していた。看板も「豊似岳(二枚岳)」「三枚岳登山口」の2枚があった。浦河道有林管理センターの看板は豊似岳を二枚岳と括弧書きしているが、どうも納得がいかない。えりも町全日制一期生の看板はそのものズバリで理解できる。しかし、三角点名は970.6mの二枚岳を三枚岳としていると考えていると、愛棒の記帳が終わったようだ。最初の登山道は幅の広い作業道跡のようだ。
登山口 ポスト 登山口看板 最初の登山道
 道端にはガラスの破片、スレート板の破片、空き缶、空き瓶、作業手袋、碍子と矢継ぎ早に目に付くが、対応できる量ではない。空き缶以外は随分と古い物のようだ。
ガラスの破片 碍子 碍子 ケーブル
 森には下草が無く、何処を歩いても登れるようだが、テープに従い登って行く。地図の337m台地をかすめて、稜線を登って行くと、所々で展望が開けだし、襟裳岬と牧野をC形に削りながら蛇行する歌別川の谷が見える。更に、登って行くと右側が開け、展望が一段と良くなる。百人浜に打ち寄せる白波が綺麗だった。特に、白波は二段に打ち寄せ、一段と白さを増して見えた。653mの台地状地形に登る急登は木が全く無くなかった。
襟裳岬と歌別川 右が開けてくる 真珠の首飾り 653mの台地へ
 振り返れば牧野の奥に襟裳岬が見える。この後、岩場の林の中に入って行く。この山は実に鹿の糞が多いので、踏まないように歩くのに気を使う。岩には白く透き通った珪石と思われる石が岩から頭を出していた。木立に混じって、朽ち果てていない電柱も立っていた。
襟裳岬 岩場の林を 珪石? 電柱
 隣のオキシマップ山が見えるのだが木立越しで、すっきりしない。愛棒は木が邪魔する頂上を見上げて、地震雲だと言う。なるほど、雲が一直線に青空に突き上がってきていた。狼煙の様にも見える雲を見た場所は木立の中だった。写真を撮そうと隙間を探す。ようやく雲の写真が撮せたときには、雲の幅が広がって消えそうになっていた。
 やがて、道はジグザグを切って登りだす。今まで真っ直ぐだった道が急に、緩やかなジグザグになるので戸惑う。ジグザグ道の左カーブには残雪があり、電柱も出だす。どうやら、下から見た時、登山道に残雪があると思っていたが、残雪のあるところは電柱の下、つまり、作業道跡だった。山頂に近づくと石垣と電柱が見えて山頂に到着する。
山頂から狼煙の様な雲 ジグザグ道に 残雪を辿る 石垣と電柱の山頂
 日高の山にしては随分と里の臭いがする。石垣に上がってみて、更にびっくりする。コンクリートの基礎の上に発電施設と思われる赤錆びたエンジンとダイナモの残骸が横たわっていた。詳しいことは分からないが、これは米軍の軍事遺跡らしいのだ。ソ連との冷戦時代の遺物がこんな山奥にまで及んでいることに複雑な思いだった。二枚岳へ行って見ようと思い道を探すが無いので、最高地点へ進むと、廃屋が見えてくる。
発電施設の残骸 エンジン 二枚岳 廃屋
 谷側には赤錆びたドラム缶が無造作に捨てられていた。廃屋は崩壊寸前で、中にまで雪が溜まっている。外壁の壊れたか所を見ると、材質は今は使われていないスレートで、断熱材は石綿のようだった。廃屋を後にして奥へ進むが、ここからは踏み跡になる。所々にテープもあるが、尾根以外は下草がないので、何処でも辿れる。隣のオキシマップ山側は木が茂っていて見通しが良くないが、ようやく木立越しにオキシマップ山を見ることができ、目の前に1088m峰が近づきだす。
ドラム缶 スレートと石綿? オキシマップ山 1088m峰
 尾根の東側は残雪があり歩くことが出来れば良いのだが、もう山肌から離れているところがある。仕方が無く西側の林の中を進む。テープの付いた踏み跡を辿ったり、時々、尾根の岩に上がったりしながら進む。真正面に1088m峰が顔をだし、右側には1088m峰と尾根で繋がっている観音岳が見える。肝心の豊似岳は相変わらず木立の中ですっきりしない。踏み跡も、最高地点を過ぎ道が下りだしたので引き返すことにする。振り返ると二枚の反射板がある二枚岳が見えていた。改めて、結構尾根筋を来たことに気付く。
観音山 豊似岳 反射板の二枚岳 1088m峰を見て引き返す
 途中で大きな岩のところで記念写真を撮る。山頂に戻り、反射板のある二枚岳に行こうとしたが、藪漕ぎしなければならないので止める。百人浜と襟裳岬を見ながら下りだす。回収出来そうにもない空き缶の山を横目で眺めながらの下山は辛いものがある。
尾根筋の岩(大×) 反射板のある二枚岳 百人浜と襟裳岬を 空き缶の山

二人の山行記録もくじへ   次アポイ岳へ   アソビホロケール山へ

 二人の山行記録(遊びの時間含む)
 2005(H17)年5月21日(土) 上晴れ 往復5.892km 登り1:45 下り1:03
 8:42登山口→9:26P653→9:26大岩→9:54ジグザグ→10:27山頂→10:37引返地点→11:07山頂11:45P653下昼食12:0312:28登山口