68 残雪の巨人


四ツ峰の頂上には雪が無くて行けませんでしたが、山は忙しそうに春の準備をしていました。清流と川床が綺麗で、その側に花が咲いている所もありあした。沢はまだ残雪で埋め尽くされているところもあり、すっぽり丸い穴が開いていましたよ。

体を沢にすっぽり埋めて
冬を満喫していた残雪の巨人は
春が来たのを忘れているのか
大きな 大きな Oのような口をして
いびきをかいて 寝ています

ゴー ゴー ゴーといびきをかいて
寝ています
みんな冬将軍と去ったのに
沢で寝ている残雪の巨人は
いびきをかいて 寝ています

まるでガリバーのように
花の杭で回りを囲まれています
目が醒めたら びっくりしすることでしょう
逃げるに 逃げられないかもしれません
このまま目が醒めないで
融けてしまうかもしれません

ゴー ゴー ゴーといびきをかいて
自分の体を融かして 何時の間にか
綺麗な 綺麗な清流を作り
川床を撫でています
川床は綺麗な 緑色をして
知らない間に 春の曲を奏でています
ゴー ゴー ゴー サワ サワ サワと


2001年5月4日 四ツ峰にて

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