4 山に思う

山に行く時には
普段の鎧甲を脱いで裸の精神で行く
綺麗なものに出会った時には
綺麗と感じて感動し
寒ければ寒いと感じ
暑ければ暑いと文句いい
辛いときには辛いと感じ
ビールを飲んでは
美味いと感じる自分を見つける

空を見ては雲と遊び
谷底を見ては
飛べそうな鳥の気分を味わい
鳥と戯れ
草木と語る 

川の流れに心を洗われ
風に撫でられ
時には雨風に打たれ
感動すれば
涙も自然に出る

そんな心に焼き付く残像を与えられて
相棒と人生を共有し 帰ってくる

この記憶は
生涯忘れることのないものだと感じる
若い時には若いって
すばらしいと感じたが
50を過ぎた今もそれに劣らず
すばらしいと感じる

人生には盛りなどない
あるとしたら、今が盛りと感じる

若い時も
老いた時も

その時 その時に 
それなりに味わいがある
その一時を大事にしたい


2000年6月14日 自宅にて

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