199 妖精の雪合戦

青山の登ったときのことです。真っ白な路に雪玉が転がっていました。青空を見上げれば梢に載った雪玉と梢の先に春の兆しがありました。雪の象も笑っています。

ころころ転がる雪の玉
梢の影に載っている
雪の上には足跡が無い
森の妖精の雪合戦

パイカラレラとマタレラが
加勢して 空を駆けたのか
白い雪原に 寒さが通り過ぎるので
マタレラが勝ったのだろう

誰かが投げた雪の玉
梢に上がった雪の玉
梢の先に 膨らんだ
春の生まれる芽が見える

冬に生まれた雪の象
まだまだ 春は遠いもの
春が来たら 飛び去るよ
大きな耳を動かして

雪の象は笑っている
まだまだ 春は遠いよと


2009年2月18日 青山にて
アイヌ語 パイカラレラ:春の風 マタレラ:冬の風

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