176 錆びた空き缶の青春

チセヌプリに登った時のことです。天気が良かったので、山頂を散策出来ました。そこで、昔の山頂を見つけたのでしたが。

山頂の岩場に 幻を見た
友と過ごした 幻を見た
その岩場は紛れも無く
昔に座った山頂だった

今はもう 忘れ去られた山頂に
もう 道も埋まった山頂に
居ても立っても居られずに
小藪を漕いで上ってみた

岩の周りを歩き
錆付き朽ちた山頂標識を
過ぎし日の面影を探せば
錆付いた空き缶の山だった

そんな所に青春が
埋まっているとは残念だ
景色は 空気は 昔のままでも
決して幻ではなく 現実だった


2004年9月26日 チセヌプリにて



今も昔も、山で平気でゴミを捨てる人がいますが、残念です。相棒は何で回収しなかったかと問いますが、私は物理的には全部と言わず回収できたと思います。しかし、体が反応せず、ただただ悲しくなって呆然と見ていたのでした。

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