157 雲の大地

累標岳に独りで登ったときのことです。空は厚い雲で覆われていました。しかし、地上の見通しは何故か良かったのです。帰りはスキーで颯爽と思ったのですが。

黒い雲が 厚く覆う大空
白く 明るい大地
まるで 空が大地で
大地が空のように感じる

それは 自己消滅のとき
突然 空が大地になり
黒い雲の大地に
真っ白な山々が突き刺る

大地の尾根は 白い雲
もくもく繋がる 夏の雲
青い海は 雲間から
少し覗いた青い空の様だ

雪にまみれて 雪まみれ
身体いっぱい 雪まみれ
雪が耳の中で 騒いでる
カサカサ カサと騒いでる

静かな 山の雪景色
奇妙な模様の雪野原


2003年3月1日累標岳にて

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