123 春の仕草    

銭函天狗山に登ったときのことです。山頂は天気が良く、ぽかぽかで、最高の眺めでした。

空は青空 どこまでも
眼下に広がる青い海
遠くに見える増毛の山々
白く 浮き出て
海にも空にも属さずに
連なっている

新緑萌えるとき
空も 海も 青さを増す
山の残雪も 一段と白く
花々はさらに 綺麗に
山肌を彩る
それは 春の仕草

野鳥は喜び 囀り始め
雪は融けて 音をだす
それは 春の音
人はみな その音で
春の訪れを知る

風が山頂をかすめる時
ちょっぴり 春を置いて行く
岩の隙間に 木々の芽に
そして 人の心の片隅に
不幸せそうな心の傍にも


2002年4月28日 銭函天狗山にて


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