103 雪の足跡

アラモの砦山に登ったときのことです。人工のナイフリッジに獣の足跡がありました。普通の足跡は雪を凹ませて付いているのですが、風が強かったためか、逆に盛り上がっていました。全く、自然は不思議ですね。

雪踏む足は雪の中
雪踏む音は雪の外
雪踏む足は雪の外
雪踏む音は足の中

雪踏む跡は穴の様
音が飛び出た穴の様
ウプンコロレラが吹く笛の穴
ピュー ピューと音をだす

ナイフリッジに寒風が吹き荒れて
頂の雪をもてあそぶ
雪の中の足跡は
飛ばされない様に踏ん張って
どんどん どんどん 盛り上がる

まるで 雪の足
そこに獣がいるようだ
雪の中に別の世界があるようだ
白雪の中に その中に


2001年12月16日 アラモの砦山にて


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