104 雪饅頭    

阿部山に登ったときのことです。宮城の沢川の流れは綺麗で、川の中にまるで白い饅頭のような雪の小山が浮いていました。手稲山を見れば、山腹に岩が顔をだし、森ではキツツキも音を出し、なにやら賑やかでした。

丸い 丸い 雪饅頭
流れの中で凍りつき
流れに乗れない雪饅頭

思い思いの顔をして
思い思いの口を開け
同じ歌う岩壁たち

雪の積もった木々に止まり
思い思いに打音を奏で
森に響かせるキツツキたち

太陽はそっと雲間から
そんな森の中を覗いてた
白い綿雪で覆われた
楽しそうな森の中

龍の吐息が丸くなる
龍の吐息が凍りつく
龍神の滝の流れ


2001年12月23日 阿部山にて


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