ピンネシリ(110.4m)待根山(1002m)

 ポイント
 道民の森に繋がっているため、登山道の整備や標識も完備されている。春から夏にかけては蚊が多い。登山道は、道民の森一番川と砂金沢の2コース。
砂金沢コース

 アクセス 
 札幌から新十津川町のそっち岳スキー場を目指す。林道は45km登山マラソンをするためか良く整備されている。スキー場から登山口まで20分位かる。登山届ポストは無いが入林ポストが登山口のかなり手前にある。林道は砂金沢沿いの奥まで行け、作業道から登っている人もいる。
そっち岳スキー場の看板 駐車場の看板

 国土地理院地図 GPSトラックは山の地図帳「2004.5.30」へ  Google Map
 5月30日<2004(H16)年 一周14.876km 登り砂金沢4:12 下り作業道3:25> 
北の山游詩:気泡の冬魚
 砂金沢林道の登山口に看板があり、登山道の総延長は6.1kmとある。登山口100m左の表示もあるが、どう見ても20m程度しかない。少し戻って登山口の看板のところから取り付く。前来た時より登山道は荒れているようだったが、ヤマタネツケバナ、オオバナエンレイソ、ニリンソウが咲いていた。
登山口 ヤマタネツケバナ(大×) オオバナエンレイソウ(大×) ニリンソウ(大×)
 登山道に入って間もなく、建物の残骸があるはすだが、分からず通り過ぎた。山頂まで5kmの距離標識が出てきて、エンレイソウ、サンカヨウ、オオカメノキを見ながら登って行く。小さなコブの尾根に上がり、ルイヨウショウマも咲いて来る。
サンカヨウ(大×) オオカメノキ(大×) コブの尾根に上がる ルイヨウショウマ(大×)
 山頂まで5kmの距離標識が出てきて、エンレイソウを見ながら登って行くと、木立の間から山頂を遠望することことが出来る。コブを越えたのか僅かに下りになり、再び、舗装された作業道に出る。作業道を横切り、また登山道へ入ると後4kmの看板がある。
山頂まで5km エンレイソウ(大×) 山頂を遠望する 4km地点で作業道と
 3km地点を過ぎると残雪が多くなり、ペースが落ちる。鹿の子と思われる鳴き声が近くで聞こえ、愛棒は熊の子ではないかと心配する。待根山の崖状地形にさしかかると、ヤシオツツジが咲き誇っているところもでてくる。沢にはサンショウオとカエルの卵があり、孵化したのは泳いでいた。
3km地点を過ぎると ヤシオツツジが咲いて 山頂まで2km サンショウオとカエルの
 増毛の山々が見え出して来ると、山頂まで1kmの距離標識が出来る。雪が解けて笹が起き上がってくる音に驚きながら、しばしば藪になり笹薮を掻き分けて行く。先行していた夫婦が引き返して来て、夏道が雪の下になり見つからないのと、雪渓が怖いと言い残して下って行く。愛棒は不安になっていたが、行ける所まで行こうと先に進む。なるほど、結構急で大きな雪渓が行く手を塞いでいた。初め崖状の方が登山道に見えたので、行って見るが全然違っていた。反対側に夏道の切れ端を発見する。雪渓は登山靴の先が刺さらないくらい固く、緊張するところもあった。写真を撮す余裕もなく夏道探しをしながら進むが、ピンネシリの登山者が見えて安心する。
増毛の山々 山頂まで1km しばしば藪に 雪渓から山頂を望む
 ようやく、待根山の分岐に着く。待根山の分岐から、木段が待根山へ延びているので寄り道をする。待根山を登りながら振り返るとピンネシリの山頂が望まれた。山頂に辿り着くき、分岐の標識と記念写真を撮す。
分岐 待根山へ寄り道 ピンネシリを振り返る 待根山(大×)
 頂上からは目の前に隈根尻山、浦臼山、砂川方向の平野が近くに見えていた。水を張った水田が日の光を反射する風景はまるで大きな湖の様だ。待根山からは100mほど高いピンネシリが望まれる。夕張岳や芦別岳もガスって見える。更に、隈根尻山方向へ下る道もある。まだ、真っ白なピンネシリの奥に増毛の山々が望まれる。
砂川方向の平野 隈根尻山 隈根尻山方向へ下る ピンネと増毛の山々
 一息吐いて、ピンネシリへ向かう。丸木の階段をゆっくりと下って行く。道端にはシラネアオイが咲き誇っていた。一旦、コルにあるコブへ登って行く。
ピンネへ向かう 丸木の階段を下る シラネアオイの群落 コルにあるコブへ
 道登って行くと、一番川の分岐があり、登山者で賑わっていた。イチイの木がある最低コルへ下って行く。登って行くと、後500mの標識が出てくる。道端にはフギレオオバキスミレが咲いていた。
一番川の分岐 最低コルへ下る 後500m フギレオオバキスミレ(大×)
 エゾノハクサンイチゲと思われる白い花も咲き誇っていた。最後の登りを登るが山頂の丸いドームは見えない。後を見ると、どんどん近づいてくるご夫婦がいた。花の写真を撮るので先に行ってもらう。ようやく、ドームが現れ、山頂に辿り着く。山頂には、ピンネシリ命名の由来が書かれた看板がある。
エゾノハクサンイチゲ?(大×) 最後の登り ドームが現れる 名前の由来
 山頂からは日本海も見え、振り返ると砂川方向の平野も見える。頂上は登山者で賑わっていた。丸いドームを良く見ると以前よりも汚くなっていた。水田地帯で秋に稲藁を焼くので汚れたのではと思う。水田地帯の稲藁を焼くシーズンはまるで戦場の形相で、どうも好きになれないし、自然破壊の稲作は必要がないと思う。山頂の標識は道標ではなく、方向をしめす標識で紛らわしいと思う。こんな標識を作るくらいだったら山頂標識を作って欲しい。
日本海を望む 砂川方向の平野 頂上(大×) 方向表示板
 山頂直下で追い抜かされたご夫婦に相棒が何処から登ったのか聞いていた。どうやら、砂金沢からのようだった。登山者のほとんどが一番川からだった。
 改めて、まだ真っ白な増毛の山々を見ながら、昼食をとる。帰りは下りの雪渓が怖いので、9.6km位ある作業道を下ることにする。ご夫婦に作業道を下ることを告げ、鏡の様な水田を振り返り下りだす。最初から雪の上を歩くが、その目の前に真っ白な増毛の山々が浮かんでいた。
真っ白な増毛の山々 水田地帯を振り返る 作業道へ下る 増毛の山々
 ドームを振り返り山頂を後にする。作業道は遮るものがないので、頗る景色が良い。時折、凄い形相をしたダテカンバが現れて、増毛の山々を遮るくらいだ。道はどんどん、神居尻山に近づきだし、山肌に刻まれた登山道がくっきりと見える。増毛の山々にも一段と近づき、相棒は上機嫌だった。
山頂を振り返る 凄い形相の樹 神居尻山が間近に 増毛の山々
 間もなく、キツネのような形をした蔦に巻かれた枯れ木が出てきた。そこが、神居尻山の縦走路の入口だった。階段の下には看板も設置されている。今度は滝川方向に向きを変え、北側斜面になると、がぜん残雪が多くなり、道路一杯に覆い被さっていた。滑り落ちないように雪面を下る。
 今度は、待根山が真正面に見えて来る。登って来た登山道を辿るが結構雪の上を歩いていたことが分かった。コルから雪解け水が流れ出る沢にはエゾノリュウキンカ(ヤチブキ)の花で埋め尽くされていた。
神居尻山の縦走路 残雪が道路を覆う 待根山を見上げる ヤチブキ(大×)
 振り返るとピンネシの山頂に僅かにドームが覗いていた。何気なく道路の縁を見ると真っ白なカタクリが咲いていた。夢中で写真を撮るが、なかなかアングルがうまく取れないまま写してしまう。
 ゲートが現れ、通り過ぎると、間もなく登山道が横切る。作業道を更に下ると、今度は人が通るのがやっとの隙間しかない大きなコンクリートブロックのバリケードがあり、相棒はザックを下ろして通過する。私はバリケードをよじ登った。まるで、イラクの検問所の様だった。振り返って見ると「関係者以外の通行は禁止」の看板が睨みを利かせていた。この傍には2台の車が停まっていた。
 バリケードを過ぎると砂利道になり、ブヨにまとわりつかれながら駐車場まで下る。駐車場に着くと丁度、車が下りてきて、男性が窓から顔を出した。頂上で会ったご夫婦だった。どうやら、バリケードのところに停めて登ったようだった。
ピンネシリの山頂を 白いカタクリ(大×) 上のゲート 下のバリケード

 =落し物考=
 道の駅に寄り、トイレに入り、出ようとすると、トイレットペーパーホルダーの上に財布が載っていた。しかたが無く、嫌な気持ちで財布をポケットに入れ、相棒の待つ車へ急ぐ。相棒が財布の中から持ち主のものと思われる携帯電話番号を見つける。まだ、近くに居るかもしれないと電話をしてみるが、繋がらず留守電になる。しようが無く、警察へ届ける旨のメッセージを入れる。
 最寄の交番にと思ったが、何処にあるのか分からず、丁度、道端の草取りをしている男性に聞いたら、浦臼の交番を教えてくれた。戻って、交番に着くと巡回中で留守のようだった。「御用の方は電話を」と書いていたので、受話器を上げるが通じない。すると、相棒が外にベルがあるというので1回押してみた。更に、もう一回押すと、中からお巡りさんの奥さんが慌てて出てきて対応してくれた。やれやれと思い、山へ急ぐ。
 .6月16日<1996(H8)年 登り3:00 > 
 林道へ入る道が分からず、右往左往してしまう。ようやく、林道を見付けスキー場の横を走って行くと、入林届けがある。そこから、また細い林道を奥へと進んで行く。
 ようやく、駐車場に辿り着き、蚊を追い払いながら準備をして、少し戻った登山口から登って行く。直ぐに、何に使ったのか小屋が現れる。ようやく、登ったと思ったら、下りだし作業道を横切る。
 所々に残雪が現れる登山道を登って行く。待根山の分岐まで上り山頂へと登って行く。分岐の標識はある山頂らしき所に辿り着くが、霧が濃くて周囲がよく見えなかった。山頂なのか疑問で右往左往していたら、突然、霧が晴れてドームが現れる。愛棒は、UFOが出てきたみたいだと驚く。霧が晴れたら、ドームの所に専修大学の学生が居てびっくりする。
三脚が飛ばされ(大×) ドームが(大×) 分岐標識(大×)
 早速、記念写真を撮そうとするが、風が強く三脚が飛ばされる。
 帰りは、ヤシオツツジ、タチツボスミレ、ニリンソウ、シラネアオイ、ヤマザクラなどを見ながら下って行く。
 .7月19日<1998(H10)年 登り2:47 下り2:06 > 
 ソッチスキー場の林道はかなり荒れていて、登山口まで20分位かかった。登山口からコブを登って行き、コブから下って行くと、舗装道路に出る。再び、展望の無い登山道を登って行く。待根山の分岐に上がり、ピンネシリを目指すと、1番川からの道が合流してくる。
 頂上に辿り着くと、神居尻山、暑寒別岳などが見えていたが、霞みがかかって遠くは見えなかった。
ピンネシリ山頂(大×) 待根山(大×)
帰りに、待根山に立ち寄ってみたら、隈根尻山が近くに見え、隈根尻山への道が延びていた。
 帰りは、ユリやキキョウなどを見ながら下山する。

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 二人の山行記録
 2004(H16)年5月30日 曇り 一周14.876km 登り砂金沢4:12 下り作業道3:25
 8:17登山口→9:05/4.2km→9:28/3.4km→9:57道分岐2.7km→10:33道分岐→11:21/1.5km→11:37尾根分0.7km→11:52待根山頂上→12:00尾根分→12:29ピンネ頂上13:06→13:22神尻分岐→15:06ゲート→15:09/4km道路→15:46ゲート→16:31登山口
 1998(H10)年7月19日 晴れ 登り2:47 下り2:06
 登山口→48→3.4km→14→道分岐2.7km→33→道分岐→35→1km→8→尾根分0.7km→29→頂上→12→尾根分岐→9→待根山頂上→24→分岐→30→2km→30→3km→8→舗装道路→42→登山口
 1996(H8)年6月16日  霧、雨 登り3:00