定山渓天狗岳(山)(1144.5m)
コース 右股橋側 神威橋側
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=

 ポイント
 登山口へのアクセスは右股橋側と神威橋側から天狗岳林道を辿る(両方のゲートは閉じられている)。登山道は岩をよじ登る所や鎖場がある。沢伝いの道は分かりにくい所があるが、注意深く観察すると迷うことは無いと思う。頂上は狭く、直ぐ崖なので注意。家族向きではない。東尾根コースは荒廃して跡形もない。
 アイヌ語でキトウシヌプリまたはスマヌプリ、国土地理院では天狗山。
 国土地理院地図  周辺地図
’02.4.6白井川対岸〜
神威橋コース

 アクセス
 豊羽鉱山坑水処理設備の近くに神居橋があり、橋の手前から天狗岳林道ゲートまで車で行けるが、車高の低い車は無理か。
 6月13日<1999(H11)年 登り2:45 下り:2:40>
 ゲート入り口に警備員がいて、工事中で危険、身の安全は保障しない、できれ白井二股(右股橋側)を使って欲しいと言われた。白井二股もどのようなことになっているかわからなかったので、神居橋側から行くことにした。
 なるほど、途中の林道は崖崩れで車が1台通るのが精一杯の感じだった。実は、わがアソビホロケール隊はこれで、この林道を歩くのが3回目だった。前回2回は雨で追い返されていた。
 まもなく、東尾根コースの標識(現在無し)が右に出てくる。それを見て少し行くと、登山口があった。車が3台止まっていた。もう停められる余裕がないようなので、歩いて来て正解だと思った。

 ここから、沢沿いに登るだけで、展望はなく花も少なかった。険しい頂上が見えてくると、どこから登るのか不安になってくる。ロープを頼りに割れ目を登りきると、右側の岩にプレートがはめ込んである。昭和42年2月に遭難した美唄岳友会のものだった(現在無し)。そこにミヤマアズマギクが1輪咲いていた。
頂上
 ここから稜線を登るが右は崖だ。山頂に着くと、狭いのに超満員で休む所がない。山頂標識は横たわっていたので、起こして記念写真を写す。札幌湖が眼下に、無意根山、余市岳、札幌岳、定山渓小天狗岳などが見えた。少し下りて、余市岳を見ながら昼食とする。目の前の崖も絶壁だった。

 下りではルンゼで愛棒が一回転しロープの宙吊りになる。私もスリップしてしまう。どうやら、ハイカーが遊びにくるような山ではないらしい。
 9月30日<2020(R2)年 往復距離11.390km 登り3:14 下り2:13 単独>
 神威橋側から林道に車で乗り入れるが、300m位入った所で、道床が傷んでいて、セレナでは無理とバックで引き返す。
 気を取り直して、林道の入口に駐車して歩き始める。歩き始めて間もなく、タヌキのため糞があった。良く見ると、タヌキよりも太いので、困惑する(帰って来て、HYMLのなみさんに聞くとアライグマのため糞ではと言う)。先ほどの道床の傷んでいるか所を見ながら奥へと進んで行く。水溜まりもあり、無理せずに良かったかと思いながら歩いて行くと採石跡への道が右に分岐し、目の前にゲートが現れる。ここまで、距離にして700m弱でおよそ10分の行程だった。
 ゲートには、「天狗岳林道3744m」の看板がある。ゲートから250m位中に入ると、道路が崩壊して無くなっている所があった。右側に道が付いていて沢に下りて、ササが刈られた道を上がり。道路に戻る。カーブの手前から白井川の清流が良く見えて来る。
アライグマのため糞 ゲート 道路崩落 白井川の清流
 30分位歩いたら、天狗岳入口の看板の立つ登山口に着いた。ジメジメした熊ノ沢左岸沿いの登山道に入って行くと、道の真ん中にタヌキのため糞があった。先ほどのより細い糞なので、タヌキに間違いはないと思う。左岸沿いに延びていた登山道が右岸へと熊ノ沢を横断する。
登山口 看板 タヌキのため糞 最初の渡渉
 最初の渡渉だけで、次から次へと渡渉を繰り返すので、何度渡渉したか数えられなくなる。標高500mを過ぎた辺りに、道を塞ぐテープが張られたいた。多分、熊ノ沢を林道が横断した跡なのかもしれないと思う。道標「約1.9km」が現れるが、並みの1.9kmでは無い。滝の音がしだと、注意喚起の黄色い看板(登山口と同じ)が現れる。沢を覗くと、天狗滝が見えて来る。看板の所には、小さな看板「登山道」があり、その左側にロープの垂れた岩がある。滝を巻くように登山道があり、滝の上に出る。
林道跡 約1.9km 天狗滝 滝の上
 登って行くと左岸の岩壁が迫って来て函状の地形になる。一旦、左岸から右岸に渡りロープの垂れている登山道を登り沢から離れる。再び、沢沿いになると、滝の音がして来る。暫し、熊ノ沢滝を見て一息入れる。沢の中の小尾根に上がると、熊の爪痕の傷のある木があった。
左岸の岩壁 ロープ 熊ノ沢滝 熊の爪痕
 再び、沢の中の不鮮明な道を登って行く。岩は苔むして湿っているので滑りやすい。今日は、沢の水量も多かったと思いながら登って行くと、行く手に山頂が見え出す。沢から解放されると山頂の岩壁が見え出す。ラクダ岩稜と思われる奇岩も見えて来る。
沢の中を 山頂が 山頂の岩壁 ラクダ岩稜
 山頂の岩壁を見上げると、足元にはアサギリソウの群落がある。ウエストコル近くになると、パレイドリア現象なのは分かるが、大きな目と口の怪物が現れる。振り返るとU峰が陽を受けて奇麗だった。
山頂の岩壁 アサギリソウ 大きな目と口 U峰
 登る進路が180°変わるので、ここで何時も方向音痴になった状態でルンゼを登って行く。滑りやすい斜面をロープを頼りに登って行く。どうにかルンゼを登りきると目の前に羊蹄山が見えていた。目の前は絶壁、振り返るとルンゼも絶壁に見える。
ルンゼの始まり 羊蹄山が 目の前は絶壁 ルンゼを上から
 遠目は利かないが無意根山と羊蹄山は辛うじて見えた。
                     ←大
無意根山   羊蹄山
 プレートのあった岩には、既に、プレートは無いようだった。以前は、あの岩の所まで行ったが、今は怖くて行けない。おしどり沢捨石たい積場は、すっかり埋め立てられたようだ。天狗岳林道ゲート横から石を運んだのだろうか。絶壁の崖の縁に延びる道を辿って三角点のある山頂に到着する。UV峰越しに白井岳、ヒクタ峰、小屋上山、春香山、和宇尻山が見えていた。
プレートのあった岩 捨石たい積場 三角点 UV峰
 山頂からは、手稲山、四ツ峰、百松沢山、烏帽子岳、神威岳、さっぽろ湖、小天狗岳、朝日岳、夕日岳、空沼岳と連なって見える。何時も思うが、ウエストコルから180°右に方向転換して、ルンゼを登り、80°左に曲がるので、方向音痴になり、山座同定がし難い。おしどり沢捨石たい積場が目の前に見えるので、反対側に下りるような錯覚に陥る。景色を眺めながら、愛棒に電話をするが、圏外だった。以前、愛棒のDは通じたが、私のSはダメだった。
                     ←大
百松沢 烏帽子 神威 さっぽろ湖 小天狗 朝日 夕日 空沼岳
 山頂にある岩の上に上がりたいが、怖くて一度も上がったことはない。最後に、奥の山頂標識越しに、白井岳、ヒクタ峰、小屋上山、春香山、和宇尻山を眺めて下山を開始する。
 ルンゼでは、溝に両足が縦に揃って、態勢を崩し少しずり落ちる。山頂の壁を見上げて一息入れる。次いでに、電話を取り出すと、不思議に繋がった。下って行くと、ご一行さんが登って来ていた。登って来るのを待っていたら、リーダーの方が下りを優先してくれた。確り、マスクをして通過する。登りで、気が付かなかった道標「山頂0.5km→」を見付ける。沢沿いの道が終わりになりかかると、若い女性が登って来ていた。トレッキングシューズを履いているようだったが、長靴の方が滑らないかと聞かれる。滑りやすさは同じではと返答するが、今日の水量を考えると長靴の方が良かったかもしれないと思う。
 登りで見付けたタヌキのため糞を不用意に踏みつけてしまう。クソーと言い憂さを晴らす。登山口に下りて、昔あった吊橋の跡がないかと探すがやはり見当たらない。東尾根の登山口も見付からないまま、天狗岳林道を引き返す。ゲートを過ぎて、車で引き返した地点のギャップを振り向いて写すが、どうもギャップの深さが伝わらないと思う。
山頂 山頂標識 0.5km 林道のギャップ

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 二人の山行記録(遊びの時間含む)
 2020(R2)年9月30日(水) 晴れ 単独 往復11.390 登り3:14 下り2:13
 6:34林道入口→6:44ゲート→7:08登山口→7:40道標約1.9km→7:44天狗滝→岩壁→8:10熊ノ沢の滝→9:04山頂約0.5km→9:26ウエストコル→9:35ルンゼ→9:48頂上10:00→10:07ルンゼ→10:14ウエストコル→10:28山頂約0.5km→11:00熊ノ沢の滝→岩壁→11:19天狗滝→11:21道標約1.9km→11:42登山口→12:04ゲート→12:13林道入口
 1999(H11)年6月13日(日) 晴れ 登り2:46 下り2:40
 8:24林道入り口→8:51登山口→11:10頂上11:50→13:52登山口→14:30林道入り口