風不死岳(1102.3m) ペウレ峰(小樽前山932m)

 ポイント
 山頂からは眼下に真っ青な支笏湖、その湖畔から恵庭岳が聳え立つ景色が綺麗だ。コースは、ポピュラーな「樽前ヒュッテス」、「北尾根」、一般向きで無い「大沢」「苔の洞門」「楓沢」等の数コースがあるようだ。
 樽前ヒュッテコースは、樽前山の裾野に広がるお花畑、秋の紅葉も綺麗だ。ペウレ峰(小樽前山)に立ち寄ると違った景色が楽しめる。
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
樽前山七合目ヒュッテコース
時期 7/5 7/10 8/29 10/10

 アクセス
 支笏国道(276号線)を走り、モラップ附近から樽前錦岡線(道道141号線)に入り、途中から砂利道に右折する(土日祝日の混み合う時期は先着50台通過時点でゲートを閉めるようだ)
   国土地理院地図  GPSトラックは山の地図帳「2007.10.10」へ  周辺地図
 7月5日<1997(H9)年 登り2:20 下り2:35>
 樽前ヒュッテの前から林に入り、林を抜けると裸地になる。間もなく、樽前山と風不死岳の分岐になり、奥へ進んで行くと、また分岐になる。更に、進むと登山口の看板が現れる。登山口から、また林になり鎖場を2つ程越え、偽ピークを3つほど越えて行く。全山にコメツツジ。ミヤマハンショウヅルが見られ、蝋細工のようなギンリョウソウも見られた。
 山頂に上がりると、樽前山が良く見えていた。山頂は狭く10人も居ると、息が詰まりそうになる。なんとか、昼食を食べ終え、前峰に下がり岩場で休む。岩の間にはナガバツガザクラ、ホソバツガザクラ、フレップ等の高山植物が生え、支笏湖、樽前山、恵庭岳、紋別岳が良く見えていた。
 下りは、分岐から樽前山方向へ辿り、次の分岐から下る。岩場の登山道には、イワヒゲ、イソツツジ、シラタマノキ、イワブクロ、チングルマ、ミネヤナギ、マルバシモツケなどの高山植物が生えていた。
登山口(大×) 樽前山 山頂(大×) 前峰から支笏湖を(大×)
 
 7月10日<1998(H10)年 登り1:56 下り1:59>
 登山口まで高山植物がいっぱいで、イソツツジもイワヒゲも、もう花が終わっていたが、イワブクロが辛うじて咲いていた。登山道にはわずかにコメツツジが小さな白い花をさかせていた。イワヒゲは置き忘れたかのように下草と化しているところもある。時々、雨が落ちて来る中登って行くが、山頂に辿り着くと、満員で、記念写真は人と人の隙間から辛うじて撮せた。
 前峰の岩場に陣取って、昼食にすると、時々晴れ間が覗き支笏湖や紋別岳が見えていた。帰りは、気になっていたペウレ峰(小樽前山)に登ろうとコルから登りかけたら、雨が降ってきたので、傘をさして急場をしのぎ下山をした。
登山口(大×) 山頂(大×) 支笏湖 前峰(大×)
 8月29日<1999(H11)年 登り2:02 下り1:55>
 日曜日にしては登山者が少なかった。樽前山の登山自粛が効いているのだろうか。駐車場に入り、空いている所に駐車しようと思ったら、場所を指定された。あまりに厳格な係員なので、喧嘩を始める登山者もいた。
 登山道に入ると潅木とススキが繁茂していて、薮状態になっていた。薮の中で咲く、リンドウ等の高山植物が可愛そうに見えた。岩場の登山道脇には、イソツツジ、フレップ、イワヒゲ等の高山植物が見られた。林の下草としてイワヒゲがあるのには驚いた。
 登山口からの登山道は、藪漕ぎ状態のところがあり、人気の山としては荒れていた。山頂に辿り着き、記念写真を撮そうと思ったら、行き交う登山者が多く大変だった。
 頂上は狭いので、前峰の岩の上で昼食をする。前峰の岩の間にはイワヒゲ、ツガザクラ、スレップ、コメツツジが生えていた。
 下山の途中で雨に降られたが、雨が降ると岩のコケが苔の洞門のように綺麗だった。
山頂(大×)
 10月10日<2007(H19)年 往復5.477km 登りペウレ峰経由2:58 下り1:52>
北の山游詩:涙の輝き
 平日の早朝だったので、駐車場はがら空きだった。「樽前山七合目ヒュッテ」前にある登山届けポストに記入し、道路の反対側の登山口に入る。紅葉した林の中を辿って行くと、紅葉越しに支笏湖が見えて来る。勇払原野を見渡すと、ぽっこりと盛り上がった「丸山遠見:327.4m」が見える。平野の奥には、褶曲山脈だと云われている「馬追丘陵」の山影が見える。夕張山地の山影は更に奥にあり、辛うじて薄く見えるに留まっていた。
ヒュッテ前で登山届け 登山口 紅葉の林越しに支笏湖 丸山遠見を
 再び、支笏湖が紅葉の林の隙間から見え出す。真っ赤に色付いたナナカマドの林を辿ると、目の前に「風不死岳」の南峰が望まれる。足元には紅葉とは対照的な真っ白な「シラタマオノキ」の実がなっている。
支笏湖 紅葉の道を辿る 風不死岳を シラタマノキ
 ナナカマドを中心とする紅葉の林が終ると、樽前山が目の前に広がるが、独特の溶岩ドームは見えずただ盾状の深い皺のある山肌を見せていた。
           ←大
樽前山
 林を抜けると、高山植物を中心とした平原になり、ペウレ峰「小たる前山」、風不死岳が目の前に見え、支笏湖の湖岸にはイチャンコッペ山、紋別岳、シリセツナイ山、キムンモラップ山、モラップ山が連なって見えていた。
                               ←大
ペウレ峰(小樽前山)     風不死岳          イチャンコッペ山  紋別 モラップ
 風不死岳やペウレ峰に向かって、ザレ場を辿る。今度は、遮るものが無いので、支笏湖が欲しいだけ望めるようになる。
風不死岳に向かって ペウレ峰を ザレ場を辿る 支笏湖が
 歯の様に並んだ四角い岩が現れると、登山道は沢の中に吸い込まれ、足元は一枚岩となり、その上を辿るようになる。岩の上が過ぎたら、また、ザレ場の道を登って行くと、尾根上に「7号目、932峰、樽前山」「風不死岳」道標がある分岐が現れる。
歯の様に並んだ 一枚岩の上を ザレ場を登る 分岐
 分岐からはペウレ峰へ登って行く。途中に、「西山、東山・932m峰」の道標がある分岐が現れる。一息入れながら振り返ると支笏湖のモラップ附近が見えていた。右側には風不死岳の幾つもの頂きが手にとるように見えていた。今度は、複雑な分岐が入り混じるので、分岐を描いた看板が現れる。この看板を良く見て、最短の道を辿り、いよいよ、樽前山とペウレ峰の稜線上にある分岐に到着する。道端に苔が生えた不思議な道を登って行く。
ペウレ峰へ 支笏湖を 風不死岳を 苔の生えた道を
 ペウレ峰の山頂からは支笏湖の西側越しに尻別岳、羊蹄山、丹鳴岳、その奥に無意根山が見え、風不死岳とその前峰の位置関係も良く把握で来る。
           ←大
尻別 羊蹄山        丹鳴岳                前峰 風不死岳
 ペウレ峰の山頂からは、風不死岳が邪魔をして、支笏湖の全景は見えず、美笛側とモラップ側が分断されて見える。ペウレ峰の山頂には小さなケルンが積まれていた。振り返ると、逆光で真っ黒な樽前山の溶岩ドームから、白い煙が吹き出ていた。溶岩台地の延長線上には646m峰と多峰古峰山が並んで頭を出していた。その後には白老岳が続いている。
モラップ側 ペウレ峰山頂 ペウレ峰から溶岩ドーム 多峰古峰山
 ペウレ峰から西側を見ると、西山の裾野に646m峰と多峰古峰山、西山の陰に太平洋、窟太郎山、オロフレ山、ホロホロ山・徳瞬瞥岳と白老岳が連なる。
                     ←大
西山        太平洋  窟太郎山   オロフレ ホロホロ 徳瞬瞥 646m峰 多峰古峰 白老
 樽前山は逆光になり少し暗いが東山と溶岩ドームの間に白煙を上げる噴火口が見え、溶岩ドームからも多くの白煙が望まれる。西山の山頂にも、構築物を確認できる。
                               ←大
東山 噴火口 溶岩ドーム        西山
 風不死岳の分岐まで下って行く途中に、シラタマノキがピンク色の実を付けていた。風不死岳の分岐からは、林の中に入り進むと、また、分岐に差しかかる。登山口が近くなると展望が開けた平地を進む。登山口には「風不死岳登山口」の大きな看板が架かっている。
ピンクのシラタマ 風不死岳の分岐 風不死岳へ 登山口
 登山口を過ぎると、いきなり急登となり、紅葉した岩場が連続する。特に、急な鎖場には、ロープが垂れ下がっている。大きな岩が次々に現れる。
岩と紅葉 鎖場 大きな岩の傍を
 遂に、本当の鎖が垂れた鎖場が出現し、鎖を頼りに岩を這い登る。振り返ると、紅葉した木立越しにはペウレ峰や樽前山の溶岩ドームが望まれる。目の前には大きな岩と紅葉の風景が代わる代わる出現してくる。
岩を這い登る ペウレ峰を 大岩を交わす 紅葉
 以前梯子のあった岩塔(963m)を過ぎると、少し平らになるので一息つく。岩塔に劣らないような大きな岩がそそり立っていた。間もなく、岩峰(990m)に辿り着くと、岩の上で先行者が休んでいた。あいさつを交わし、一度、岩の上に上がり前峰を見て、直ぐ歩き始める。
大岩 岩峰から前峰を 前峰を登る 岩塔(963m)を交わす
 一度下がってまた上がると、支笏湖の西半分の景色が良く見え、白老岳、笹山、貫気別岳、尻別岳、羊蹄山、丹鳴岳、漁岳、恵庭岳、空沼岳、砥石山と望むことが出来る。
                     ←大
白老 笹山 貫気別山    尻別 羊蹄山    丹鳴岳    漁岳   恵庭 空沼 砥石
 前峰に到着するが、樽前山を振り返り直ぐに本峰を目指す。本峰へは一度下るが、前峰から見ると急で登れるかなと思ってしまう。山頂を良く見ると、先行者が居るようだ。
前峰に到着 前峰から樽前山 前峰から本峰へ 本峰
 大沢から登って来た3人の先行者に迎えられ、無事山頂に到着する。山頂から奥へ行くと「風不死の耳」と言われる二つの岩が良く見える。樽前山を見ると雲が押し寄せてきていた。支笏湖の東側からはアンテナ群のある紋別岳が見え、その奥に札幌市街が広がりを見せる石狩平野が展開している。
山頂に到着 風不死の耳 支笏湖の東側を 三角点
 3人組みを見送って、空いた山頂で、三角点を見たり恵庭岳をバックに山頂標識前で記念写真を写す。改めて、樽前山、西山と前峰を写して、羊蹄山の方を見たら、きたろうの妖怪「一反木綿」のような雲が湧いて来た。辺りを見回すと、所々で雨が降っているようだった。
恵庭岳と山頂(×大) 樽前山 西山と前峰 一反木綿のよう
 イチャンコッペ山の方はどうやら雨が降っているようで、すっかり札幌市街が見えなくなっていた。
                               ←大
白老 笹山 貫気別 尻別 羊蹄山 丹鳴岳  漁岳 恵庭 空沼  イチャンコッペ
 勇払原野の方も、今まで見えていた海岸線が消えて、雨が降っている所が見えた。
                               ←大
北尾根登山道       風不死の耳   勇払原野            東山
 溶岩ドームの上にも、入道雲のような雲がにょきにょきと湧いて出た。どうやら、周りの天気が下り坂になってきているようだった。 
                               ←大
東山 溶岩ドーム ペウレ 西山     前峰    窟太郎 オロフレ ホロホロ・徳瞬瞥 白老 笹山
 時間が早いので、前峰に下って、それでも早い昼食とする。段々雲行きが怪しくなってくるので、早々に引き揚げることにして下山する。前峰を去るときに、綺麗な紅葉と恵庭岳を写す。
 次の岩峰(990m)から振り返ると、白老岳が望まれた。足を止めずに、下山を急ぐ。大きな岩を交わしたりしながら岩塔(963m)に辿り着く。ここからは、急な岩場が連続する。
恵庭岳と紅葉 岩峰から白老岳を 大きな岩を交わす 岩塔
 本当の鎖が垂れた鎖場を下りきると、一安心だ。登山口を出て、ペウレ峰を見ながら歩いて行く。ペウレ峰は南斜面が苔の生えたサレ場なのに、北斜面は木々が茂っている。間もなく、分岐になり、分岐では先行していた3人組みが座って談笑していた。あいさつしながら、傍を通り過ぎると、雨がトツリポツリと降ってきた。始めは濡れて行こうと思ったが、雨足が強くなったので、応急に傘を広げる。雨裂の深い樽前山の山腹にを見ると、時折、日が差して濡れた岩が光って見えた。まるで、涙を流しているようだった。
鎖場を下る ペウレ峰を 分岐 涙のような岩

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 二人の山行記録(遊びの時間含む)
 2007(H19)年10月10日(水)
 晴れ後曇り小雨 ペウレ峰経由往復5.477km 登り2:58 下り1:52
 7:52駐車場→8:27分岐→8:31分岐→8:42分岐→9:00ペウレ峰9:07→9:20風不死岳分岐→9:27登山口→10:03岩塔→10:13岩峰→10:38前峰→10:50頂上11:07→11:15前峰(昼食)11:32→11:51岩峰→12:03岩塔→12:29登山口→12:36分岐→12:45分岐→13:16駐車場
 1999(H11)年8月29日(日) 曇り時々雨 登り2:02 下り1:55
 9:45駐車場→10:16分岐→10:29分岐→10:35登山口→11:01岩塔→11:15岩峰→11:37前峰→11:47頂上11:51→12:01前峰(昼食)12:33→12:50岩峰→12:58岩塔→12:23登山口→13:37分岐→13:42分岐→14:18駐車場
 1998(H10)年7月12日(日) 曇り時々雨 登り1:56 下り1:59
  駐車場→27分岐→18登山口→1:11頂上→10前峰→45登山口→10分岐→10分岐→8分岐→36駐車場
 1997(H9)年7月5日(土) 晴れ 登り2:20 下り2:35
  駐車場→35分岐→25分岐→30登山口→50頂上→10前峰→1:10登山口→15分岐→10分岐→50駐車場