天塩岳(1557.7m)前天塩岳(1540m)円山(1433m)
コース名 滝上本流林道(渚滑川) 新道・前天塩(左回り) 前天塩・新道・短絡路(右回り)

 ポイント
 天塩岳の頂上は岩場で展望も良い、山頂へ至るコースは4つある。
 滝上本流林道(渚滑川)コース:綺麗な渚滑川沿いに登山道があり、沢沿いから尾根へ上がり、前天塩コースと合流し頂上に至る(平成17年7月現在では少々荒れ気味な登山道)。西天塩岳のルートも開鑿されたようだ。
 旧道(沢)コース::ハイカーには無理。
 新道コース:最も登り易く、途中の西天塩岳付近には避難小屋(トイレ有)もある。
 前天塩コース:前天塩岳は浮石や岩だらけだが、その分、高山植物が豊富だ。


 アクセス
 愛別市街から道道101号線(下川愛別線)を朝日町に向って走り、於鬼頭トンネルを越えて下って行くと右手に天塩岳の標識(ヒュッテまで17km)がある。右折して、天塩川沿いの舗装道路(町道朝日天塩岳道路)を走ると、途中から砂利路になる。途中にポンテシオ湖があり釣り人のゴムボートが浮んでいた。滝下橋を越えた16km地点に「新道登山口」の看板があり、登山口の駐車場に駐車する。駐車場は狭く2台が限界だが、登山道側にも駐車できそうだ。新道登山口には登山届ポストは設置されていなかった。
 更に1km奥には広い駐車場と天塩岳ヒュッテがあり、関連施設も充実している。天塩岳ヒュッテからは前天塩岳コースの登山口があり、登山届ポストも設置されていた。
 国土地理院地図  Google Map  天塩岳の地図
新道コース
 9月16日<2006(H18)年 一周13.5km 登り3:25 下り3:29>
新道登山口→2:26→円山→59→本峰→56→前天塩→2:16→ヒュッテ→17→新道登山口
 新道登山口に着き、GPSを車のルーフに置き、あまり使われた形跡のない駐車場のフキや雑草を踏みつけながら準備を始める。準備が終り出発しようとして、GPSを見るとまだ衛星を捕捉していなかった。林道に出て暫く、電波を傍受しようと試みるが駄目だった。仕方が無く、広い登山道を登って行く。最初はなだらかだった登山道は直ぐに急な登山道に変わる。
 尾根に上がると馬背山が見え出す。尾根に上がったので休みながら、GPSを取り出し電波を傍受しようとするが、全く反応しないので仕方が無く先へ進む。登山道はコブの北側斜面をトラバースするように進路を変えて行く。途中、チエーンソーでトーテムポールの様にカットした倒木が現れる。取っ手やステップもあり凄く越え易い。洒落た人もいるもんだと感心する。
新道登山口 広い登山道 馬背山が望まれ 倒木(大×)
 木立越しに三角形の前天塩岳が望まれる様になるが、余りにも三角形なので前天塩岳とは思えなかった。平らな道に変わり下りだすと、真正面に天塩岳が木々の間から顔をだす。更に下って行くと連絡路に着く。連絡路に着くと、丁度ご夫妻が鈴を鳴らしながら登って来た。
前天塩岳を望む 平らな道 天塩岳が覗く 連絡路分岐へ
 円山の手前にあるコブを登りながら、来た方向を振り向くと馬背山と登って来た笹原のコブが望めた。このコブ越しに円山が見え出すと、男性が下って来た。男性は円山のケルンの所でナキウサギを見たと、満足そうに話してくれた。ジグザグの道を登り終え、何とかGPSの電波を拾い方々、如何にもナクウサギの棲家に相応しい石だらけのケルンで耳を澄ませたが、一向に鳴き声が聞こえて来なかった。GPSの方も相変わらず衛星を捕捉出来ず終いだった。仕方が無く円山山頂に寄り、前天塩岳をバックに支柱に立てかけられた山頂標識と記念写真を写し先を急ぐ。
馬背山と登ったコブ 円山が近づく 円山のケルン 円山山頂(大×)
 円山から避難小屋が見え、一旦下りだす。避難小屋に着くとご一行さんが道端まで食み出して、タバコを燻らせていたので、写真も写さず挨拶もそこそこにして退散する。道端にはタバコの吸殻が捨てられていたが手に臭いが付くのが嫌で、回収せずそのまま通過する(パスタハサミを忘れた)。円山を振り向くと結構な崖が見える。岩肌を露にした西天塩岳も凛々しく見える。西天塩岳にもナキウサギは居るに違いないと思う。
避難小屋に向って 前天塩岳を振り向く 円山を振り向く 西天塩岳を振り向く
 山頂直下だと思って岩を通過すると、山頂はまだ奥だった。振り返ると西天塩岳と円山がフタコブラクダの様に見えその真中に三角屋根の避難小屋が望めた。今度こそ山頂だと思って登って行くと、山頂はまだ奥にある。
岩を通過 西天塩と円山 山頂直下か 山頂に辿り着く
 ようやく山頂に辿り着くと、ご夫婦が前天塩岳方向を見ながら絵手紙のようなスケッチしていた。邪魔にならないように最小限の挨拶を交わし、山頂の奥へ進み、岩の上に陣取る。前天塩は目の前にあるのだが、今日は霞んでいた。天塩川の沢に目を向けるとラクダ岩が望まれた。旧道はここから登って来るんだと感動すると同時に、足元にあるトイレ跡のティッシュにがっかりする。沢から山頂に攀じ登ってきた人がお尻を見たら、思わず手を離し転げ落ちるかもしれないと思う。
 朝から気になるGPSを電波の傍受し易い様に置き、昼食とする。昼食が終わっても衛星を捕捉しなかったので、仕方が無く山頂を後にする。
 帰りは前天塩岳経由で下山することにする。山頂の北側はお花畑になっていて、狂い咲きのツガザクラやシラタマノキが咲いていた。真っ赤に色付いたウラシマツツジの中に真っ白なシラタマノキがあるのは何とも綺麗に思う。
山頂 前天塩岳とラクダ岩 ラクダ岩 ウラシマとシラタマ
 渚滑川側に下り、コブから山頂を振り返ると端正な三角形をしていた。渚滑川コースは稜線上にはっきりと確認され、分岐の道標も完備されている。昨年(H17)も笹狩りしていないので、どんな状況か気になる。分岐からは一気に前天塩岳のコルに向かって下って行く。
渚滑川側に下る コブから山頂を望む 渚滑川コースの稜線 前天塩を目指して
 コルに着いて天塩岳方向を振り向くと、コブと山頂がフタコブに見えた。前天塩岳のトラバース分岐に着いて、相棒はトラバースの道を、私は前天塩岳の山頂を目指すことにして別れる。分岐周辺の紅葉は見頃で、真っ白な枯れたハイマツと丁度良いコントラストを醸し出していた。紅葉の向こうには円山が西手塩岳を望むことが出来、満足だった。それにしても、枯れた真っ白なハイマツは紅葉を引き立たせる役割を持っていると思う。
コルから天塩岳を 円山を望む 西天塩を望む 枯れたハイマツ
 前天塩岳の山頂へは岩の尾根の上に見え出す。岩を交わして登って行くと、棒杭にマジックで前天塩岳と書かれ、外れた山頂標識は傍に立てかけられていた。相棒が1人で待っていると心細いだろうと、急いで下るが、分岐に着いても愛棒は待っていなかった。心配になり大声で呼んでみると、下から声が帰ってきた。間もなく、愛棒の姿が現れる。
 トラバースの道は、一旦急な所を下がってまた上がるので、結構疲れたとのことだった。下がる分、沢が良く見たとのことだった。
前天塩の山頂を 山頂直下の岩 前天塩の山頂標識 トラバースして愛棒
 分岐からは真っ直ぐに下りる浮石だらけの登山道を、潅木に掴まりながら慎重に下る。何時の間にか、作業道に出て傾斜が緩くなり気が緩む。作業道の迷い易い所は簡単なバリケードがあり安心だ。川のせせらぎの音が大きくなると旧道分岐に出た。作業道は天塩川の右岸沿いに延びているが、左岸へ渡ったり右岸へ戻ったりと目まぐるしい。やがて、新道への短絡路の分岐が出てくる。
作業道跡を下る 旧道分岐 天塩川を渡る 短絡路分岐
 水を湛えたダムが現れるともう直ぐ天塩岳ヒュッテだ。最後に鉄橋を渡り、天塩岳ヒュッテの広い広場に飛び出す。普通なら、前天塩コースの入口を振り返って終りとなるところだが、新道登山口まで1kmを歩かなければならない。天塩岳ヒュッテ周辺は以前来た時よりも整備されているようで、営林署の建物も見当らない。
 天塩岳ヒュッテを後にして、新道登山口へ歩いて行くと、馬背橋があり、天塩川の綺麗な清流を眺める。ようやく、新道登山口に着くと、珍しく、われわれの他に1台駐車していた。登山口にはまだ蚊がいて追い払いながら帰り支度をする。
ダムが現れる 鉄橋を渡る 前天塩コースの入口 天塩岳ヒュッテ
 ヒュッテコース
 9月6日<1998(H10)年 一周12.8km 登り:3:08 下り:2:26>
ヒュッテ登山口→2:06→前天塩岳→1:02→本峰→56→円山→2:26→ヒュッテ登山口
 天塩岳ヒュッテから旧道分岐までは平坦な道だが、前天塩岳近くになると、グングン登り始める。途中、向い側の西天塩岳に三角屋根の避難小屋とトイレが2つ見える。前天塩岳の登りでは、頂上に行く道とトラバースする道に分かれる。この分岐の辺りはガレ場で高山植物も多いが、枯れたハイマツが目立った。われわれは頂上に行く道を選ぶ。頂上は直ぐそこに見えるが、なかなか頂上には着かなかった。
 前天塩岳の頂上は奇岩と高山植物が多く大変感動した。天塩岳の沢には沢登り用の道(旧道)が見える。
西天塩岳を望む 前天塩岳頂上(大×) 奇岩の山頂(大×) コケモモ
 前天塩岳から天塩岳に下がって行く間も高山植物が多い。コルから天塩岳頂上を目指して登って行くと左から滝上本流林道(渚滑川)コースが合流してくる。小さなお花畑を通り頂上に着く。
 頂上からは前天塩岳、西天塩岳、円山が見えるが、大雪山は残念ながら雲の中だった。旧道にはラクダ岩と思われる岩が見えていた。
前天塩手前から天塩を 頂上(大×) 前天塩を(大×) 大雪山は?(大×)
 帰りは西天塩岳に向かって新道を下って行くと、天塩川の沢に向かって飛べそうな錯覚に陥る。新道を辿ると、あっという間に西天塩岳近くに着く。西天塩岳には道はないがガレ場なので、登れそうだった。途中、前天塩岳から見えていた三角屋根のトイレと避難小屋を通過する。避難小屋を過ぎると、あっという間に円山に着く。
西天塩岳へ 鳥になって 西天塩に近づく 円山(大×)
 円山の山頂はウラシマツツジが多く赤い絨毯だった。西天塩を振り返り、円山からどんどん下るが、単調な下りでなかなか着かない。
円山(大×) ウラシマツツジ ウラシマツツジと(大×) 西天塩を振り返る(大×)
コース名 滝上本流林道(渚滑川) 新道・前天塩(左回り) 前天塩・新道・短絡路(右回り)

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 二人の山行記録(遊びの時間含む)
 2006(H18)年9月16日(土)  曇り 新道・前天塩コース 一周13.5km 登り3:25 下り3:29
 登山口7:59→9:19連絡路分岐(2.5km/3.7km)→9:33(3.7k/2.5k)→10:07(2.7k/3.5k)→10:25円山→避難小屋→10:39(1.7k/2.5k)→10:49(1.7k/2.5k)→11:24頂上11:55→12:02滝上分岐→12:39トラバース分岐→12:51前天塩岳→13:00トラバース分岐→14:25旧道分岐→14:41連絡路分岐→15:07ヒュッテ登山口→15:24登山口
 1998(H9)年9月6日(日)  曇り 前天塩・短絡路コース 一周12.8km 登り:3:08 下り:2:26
 8:17ヒュッテ登山口→8:35連絡路分岐(下)→8:45旧道分岐→9:50トラバース分岐→10:23前天塩岳→10:45コル→11:25頂上12:04→13:00円山→13:47連絡路分岐(上)→14:07連絡路分岐(下)→14:30ヒュッテ登山口