75 赤のワルツ


アポイ岳は登山口から頂上近くまで、真っ赤な山つつじが綺麗でした。その側には大きなグリーンの葉を茂らせた石楠花がつつじを引き立たせていました。まったく、時のたつのを忘れました。

花の色は赤くして
山の斜面を装う
香りは控え目にして
目だけを楽します
アポイの山つつじ

風と戯れ 揺れながら笑う花を
しっかりとエスコートする石楠花
真っ赤なドレスの山つつじを
リードする緑の石楠花

燕尾服で気取った石楠花は
真っ赤なドレスの花を
舞わせ 大きな 大きな
赤い輪を画かせる
赤い花と石楠花のワルツ
なにを語っているのか 楽しそう

時は流れを知らせず
雲のみが 時の流れを
自ら流れて教えてくれる
二人は いま ありもしない
青春の香りを楽しむ
何時までも 何時までも 楽しむ


2001年6月17日 アポイ岳にて


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