61 雪鹿


手稲峰の手前に、近づく者が手にとるようにわかりそうな山の頂上での出来事でした。登ってみるとそこは、鹿が寝ていて、鹿の体温で雪が融けたのでしょうか、体の型(かた)を取ったようになっていました。鹿の住処だったのでしょうか。   

鹿の住処は山の上 雪の上
鹿の温もりで 融けた型(かた)
丸やひょうたん
大きいのや小さいの

ほら ここにも あすこにも
型の頭はどっちかな
糞があるから
お尻はこっちかな

一人で寝た型 小さいぞ
強がり好きの子供かな 
二人で寝た型
大きな型に小さな型だ
甘えん坊の親子かな

やがて 型に雪が積もったら
雪の鹿となって
型から飛び出すのかな
ピョンピョン 飛びだすのかな
一人でピョンピョン
親子でピョンピョン
飛び出すのかな

鹿の目は 良く
夜でも見えるように
夜空の星をもらうのかな
雪が解けたら また
星は夜空に帰るのかな


2001年3月11日 手稲峰にて

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