44 鹿の文字


坊主山に行った時のことです。鹿に合いました。鹿は逃げながら、後ろを何度も振り向いていました。そして、足跡(文字)を残して、あっという間に居なくなりました。どこへ行ってしまたのでしょうね。     

鹿が跳ね飛ぶ
鹿の道
振り返り 振り返り 飛び跳ねる
尻尾を振り振り 飛び跳ねる
何かを言いたそうに飛び跳ねる
ついて行こうか 鹿の後

鹿が跳ね飛び
つけた足跡(もじ)
道の上に足跡がある
何と読むのかわからない
ハの字か いの字かわからない
ついておいでと書いてそう

鹿が跳ね飛び
書いた鹿の文字
笹藪(やぶ)の中まで書いている
笹の上まで書いている
どうやって読むのかわからない
ついて来るなと書いてそう

鹿が跳ね飛び
落ち葉に書いた文字
落ち葉が舞えば 文字も舞う
天空の道に足跡が続いて
千切れ雲にも続く道が
現れそうな 秋の日の
鹿と遊んだ 山の道


2000年10月15日  坊主山にて

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