221 樹の足跡
白旗山の登った時のことです。幹に積もっていた雪の塊が、暖気で融けて、落ちていました。愛棒は、何の足跡だろうかと怖がりました。

冬には 木々の足跡が
雪の上に現れる
どこから見ても
木々の動いた跡はないが
足跡だけは くっきりとある

木々は動かないものと思っていたが
自由に動いても
人には見えないものなのだろう

樹は 精霊の宿り木なのか
ちょっとお茶目な精霊が
遊んで落ちた証しなのか
それは 雪の上にある

大きな木立は大きな足跡
小さな木立は小さな足跡
飛んだり 歩いたり 走ったりと
紛れもなく 点々と続いている

夏には 身近に感じられなかった
精霊が 冬には 傍にいるように


2013年12月17日 白旗山にて





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