191 雪の砂丘

 三角点「徳尻」に登った時のことです。放牧地と思われる丘は真っ白な砂丘のようでした。



惑わしの雪が舞う
地上とも 空中とも思える
真っ白な空間に酔いながら
夢見心地で登って行く

揺れ降る雪に惑わされながら
真っ白な雪原を辿ると
行く手に 幾重にも
モノトーンの輪郭が現れる

モノトーンの輪郭に
一瞬 日の光が差し込むとき
真っ白な雪の丘が現れ
目ざめたように白さを増す

幾重にも濃淡を付けて
広がる雪の丘は
真っ白な砂丘のように
日の光に吹かれて動いている

日の光はまるで月の光と
間違うほどに繊細なのに
その光が蔭ると
惑わしの雪原に戻る


2007年3月21日 徳尻にて

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