雄鉾岳(999.6m)山頂OK   

 ポイント
 平成11年の大雨やその後の台風などにより、登山道が壊滅的な打撃を受けたところもあったが、八雲ワンダーフォーゲルの方々の献身的な努力により、復旧整備して登ることが出来るようになった。しかし、未だ一般的な登山道として定着するまでにはなっていないので、ワイルド感を楽しみながら登ることになる。
八雲WV(ワンダーフォーゲル)コース
=写真をクリックすると大きなサイズになります=

 :アクセス
 八雲町から熊石町に抜ける国道277号線を走り、雲石峠手前の八雲温泉を目指すと「おぼこ荘小牧荘」の看板が見えてきた。標識に導かれ左に曲がる。小牧荘(休館中)を過ぎて、橋を渡り、おぼこ荘を左に見て、林道に入る。突き当たり少し手前の右側にトイレが見え、登山口があった。
 国土地理院地図 GPSトラックは山の地図帳「2006.10.21」へ 周辺地図
国道277号線にある看板
 5月25日 <2002(H14)年 途中撤退>               北の山游詩:蜘蛛の巣に咲く花
 乙部岳に行こうと札幌を出て、長万部近くなるとまずまずの天気になる。今日は良かったと思い車を走らせていると、ラジオで上ノ国がザーザー降りだと言っていた。八雲から熊石の海岸に抜けると、地平線が入道雲に埋め尽くされていた。まるで、ガタルカナルを攻略したアメリカ軍の軍艦のようで、旧日本兵の心境になった。あれが来たら終わりだなと思い、近くの山に変更することにした。
 最初に、白水岳へ行き、登山口から登り出すが、荒れ放題でズボンが直ぐ濡れる。これでは大変だと考え直して、雄鉾岳へ行くことにする。この決断も判断ミスのようだった。
 登山届けポスト前の駐車場に着くと先客が1名居て少し安心する。ポスト脇の看板には「平成11年8月の大雨により大変荒れている」旨書かれていて、不安になるが行ける所まで行くことにする。登山口へ向かうと、目の前に銀山沢の岸壁が見えて威圧して来る。真っ赤な道標に導かれてノビネチドリの咲く登山道へと足を踏み入れる。
登山届ポスト 銀山沢の岸壁 道標(大×) ノビネチドリ(大×)
 植林のために切られたのか笹の束が雨で流され、面白い幾何学模様になっていた。最初の登山道はまずまずだったが、沢沿いになると厳しくなり、右岸から左岸へ、また、右岸へと辿って行き、増水している川を渡らなければならない所も出てくる。
笹の束が? 登山道の様子 雄鉾岳が見える 川を渡って対岸へ
 銀山沢沿いの右岸に延びる登山道は普通の状態で少し安心するが、黄色い花の咲く沢は滝のように流れている。マクンベツの滝の標識が出てきたので、滝を探すが流れ自体が滝のようなので見当たらなかった。
銀山沢沿いの道を 黄色い花(大×) マクンベツの滝の様な マクンベツの滝の標識
 マクンベツの滝から奥は、ニリンソウの咲く綺麗な滑床は見られるが、道と言える道はなかった。岩に印された○とピンクテープを頼りに沢を登って行くことになる。沢沿いには、オオサクラソウが咲いていて綺麗だった。
ニリンソウ(大×) 滑床のある流れ オオサクラソウ(大×)
 岩をよじ登るところは、踏み石を置いて登り易くした。オオバミゾホオヅキの花が咲く斜面を、ロープを伝ってよじ登って沢から上がる。大きな岩もゴロゴロしていて、現在地を把握できなくなってしまう。
岩をよじ登る オオバミゾホオヅキ(大×) ロープを頼りに 大きな岩がゴロゴロ
 昨日降った雨で流されたのか、渡渉地点には踏み石が見当たらない。仕方がなく、川の中に幾つも石を投げ入れて、ステップできるようにして渡った。おまけに、小雨で岩が滑るので大変だった。流木も行く手を塞いでいるので難義をするが、タチツボスミレを見ながら奥へと進んで行く。
川が登山道 シソ科?(大×) 流木 タチツボスミレ(大×)
 キトピロの蕾がピンクに染まっていた。段々、沢は荒々しくなり、大きな岩と結構水量のある川を渡りながら登って行く。
キトピロの蕾(大×) 大きな岩と結構水量のある川を渡りながら登る
 両岸が崖で川原を通れないところはその崖の上に道があった。とうとう、道が無くなり、雨で滑る崖をよじ登って見るが、ズルズル滑り落ちてしまう。川は深くて、我々ではどうにもならなかった。
 雨に濡れながら呆然と佇んでいると、川の中から一人の男性が下りてきた。我々の居るのが全く知らないようだった。声をかけるとびっくりした様子で、振り向いてくれた。雨合羽を着ているがずぶ濡れだった。
 彼の話しから、まだ半分も来ていないようだった。GPSでも、直線距離にして、5割、高さではまだ500mは登らなければならなかった。男性は普通の革製の登山靴だったが、気にしないでドンドン水の中を歩いていった。あれでないと登れないんだと呆然として見送る。雨が本降りになってきてたのと、おにぎりも車に忘れたので、戦意喪失しツバメオモトを見ながら退散する。
依然として沢が続く 壁と川でギブアップ(大×) ツバメオモト(大×)
 下りて行くと、我々ぐらいの年代のご夫婦と、生きの良い男性1名に出会う。奥さんは溜息をついていたが、何所まで行けたことだろう。どうやら、愛棒と同じで嫌々付き合っているようだった。生きの良い男性は日高よりも厳しいと言っていた。我々が下りる理由を言ったが、それでも、みんな登って行った。帰りも、退路を探し右往左往したり、川に石を投げ入れて渡渉の足場を作る。
 10月21日 <2006(H18)年 登り2:57 下り2:01>         北の山游詩:さざれ雪
 登山口へ向かうと、真正面に銀山沢の岸壁が見えて威圧する。「以前、植林のために切られたのか笹の束が面白い幾何学模様になっていた所」には、しっかりと松が植えられていた。最初の渡渉地点までは普通の登山道が続くが、それを過ぎると道は銀山沢沿いになり一段とワイルドさを増す。沢の行く手には屏風のように雄鉾岳の岸壁が見えてくる。マクンベツの滝の様な所も出てくる。
登山口 銀山沢の岸壁 雄鉾岳が見える マクンベツの滝の様な
 マクンベツの滝の標識は少し朽ちて、取り付けられていた木から落ちていていた。この標識がないと滝とは知らずに通過するところだ。紅葉した水量の少ない銀山沢の中を辿るが、左岸には一寸した高巻が現れたり、登山道のように快適なところもある。以前来た時には「雨で川が増水しているので渡渉地点に幾つも石を投げ入れてステップを作り、岩に這い上がるところも踏み石を置いて登り易くした」ことが嘘のように整備されていた。それでも普通の登山道ではなく、高巻をしたり、岩に登ったり、渡渉しながら登って行くことには変わりは無い。引き続き、紅葉した銀山沢を登って行く。
マクンベツの滝の上 標識(大×) 高巻の道標 紅葉した銀山沢
 沢にはみ出しそうな大きな岩が現れる。出会を過ぎると、見覚えのある左右が崖になった所?に到着した。前回は、滑る壁で高巻も出来ず増水した川に入らなければならなかったので、泣く泣く撤退した所だ。今日は嘘のように何も無く通過してしまう。また、高巻が現れ踏み跡を登って行き沢へ下る。川原には丸い岩が多いので、子供の頃、朝里の海で遊んだように岩を跳びながら渡る。
大きな岩が 以前の撤退場所? 高巻 沢へ下る
 雄鉾沢には道標が設置されていた。雄鉾沢は真っ直ぐ山頂方向に伸びているので、雄鉾岳の岩壁が良く見え、変化しながら段々と近づいて来る。雄々しい岩壁や岩塔の威圧感を幾分紅葉が薄めてくれているようだ。冬には近づき難い雰囲気を醸し出しているに違いないと畏怖する。ウポポウシの滝、いっぷく峠、銀雄の滝への道は無くなったようだが、どの辺りだろうかとキョロキョロしながら登って行くが、位置を確認することは出来なかった。
道標 雄鉾岳を望む 雄鉾岳 雄鉾岳と紅葉
 雄鉾沢の左に少し小高くなった所が現れると「カナケ沢出会」だった。小高くなった左手から苔むした岩が目立つ窮屈なカナケ沢を登って行く。途中で倒木を交すように笹薮に刈り分け道が付いていた。突然、青空になり雄鉾岳が浮き出てきたので、慌てて写す。この辺りの笹を少し刈れば場所は違うが、昔の「いっぷく峠」の雰囲気になるような気がした。カナケ沢沿いの登山道はやがて「水場」で終わる。
カナケ沢出会 カナケ沢 雄鉾岳 水場
 水場から普通の登山道の様になり、一直線に山頂方向を目指す。八雲の馬場さんの情報では、岸壁の登攀ルートには1〜5稜の名前と岩にも名前が付いていると言う。向かって右の尖った岩がジャンダルム、次の丸い頭が北峰(一稜?)、真ん中の尖ったのが二稜、次が三稜、南峰(四・五稜:頂上)と言うことなのだろうか。壁に突き当たると、壁下をトラバースしながら南下する。道は何とか急な傾斜の部分に付けられているところもあるので、上を向いたり、振り返ったりしながら歩くのは危ないので、足を止めながら見入る。岩子山は三角形の独特な形をしていて荒々しい岩壁と良くマッチしていると感心する。前には元小屋沢山が平らな山容を見せていた。
雄鉾岳 雄鉾岳の岩塔 岩子山 壁下を辿る
 岩を見上げながらのトラバースが終わると、今度は、一直線に急なルンゼを登って行く。要所要所にはロープが垂れ、掴まりながら登って行く。一息入れながら振り向くと山美湖が良く見えていた。どうやら、山美湖を背にしながら登っているようだ。坂口さんの情報によれば、山美湖は廃鉱になった八雲鉱山の人造湖だったというから驚きだ。良く見ると気のせいか不自然に堰き止められているような格好をしている。ルンゼを登り切ると「海見平」で、目の前に日本海が飛び込んでくる。奥尻島が見えるかと期待していたが残念ながら、曇っていて判別できなかった。山頂方向を見ると、登山道の白い筋の付いた山頂が直ぐ近くに見える。
山美湖を望む ルンゼ 海見平から日本海 海見平から山頂を
 振り返ると山頂に送電線が走り、小屋も建っている元小屋沢山が見える。登山道は、一旦下り気味に薄暗いハイマツと根曲がり竹のトンネル中を進む。トンネルから出ると、また、日本海が見え出す。海見平の台地状地形は良く見ると複雑な地形だった。小さな沼や深さの分からない窪みが入り込み入ったら厄介な所に違いないと思う。笹を良く刈り込んだ道を登って行くと鉄のポールが立っている山頂だった。
 出だしで追い越していった先行者が、ストーブでお湯を沸かし何かを飲んでいた。あいさつを交し、たった今、空中から生まれたいざされ雪が大きな雪になりそうなので休む前に山頂からの風景を写す。
元小屋沢山 根曲がり竹の中を 海見平と日本海を 山頂へ
 改めて、気になる元小屋沢山、平らのようで平らでない海見平、奥尻島の島影が見えるような日本海、北峰の後ろに遊楽部岳、北峰の左に冷水岳、八雲方向を写す。西峰(北峰)は雄々しく、HYMLの坂口さん、西條さん、EIZIさん等が登られたのだが、良く登ったと感心する。北峰の右下に割岩(790m)が空に突き刺さるように聳え立っていた。割岩を良く見ると動物が目と口を閉じている様にも見える。
 山頂は風が冷たいので、風下にと思っても適当なところが見当たらないので、笹の陰に隠れてココアを飲む。先行者の下山を見送りながら、愛棒に写メールする。
山頂 元小屋沢山 海見平 日本海
 まだ登っていない冷水岳や遊楽部岳に別れを告げ下山する。振り向くと山美湖もまだ行ってないので再会を誓う。遊楽部岳方向を見ると岩塔が見えていた。
西峰・遊楽部・割岩 西峰と冷水岳 山美湖 岩塔
 ルンゼの下りでは、こんな所下りたかなと思いながら、岩の間を下ってしまい、引き返せないので、グリップする突起の無い岩肌を必死に押さえながら転げ落ちないようにがんばる。何とかがんばり、飛び降ることにしたが、ザックの厚さを計算に入れていなかったので、ザックが岩に当たり危なく前につんのめるところだった。やれやれと思いながら右を見ると下る道があった。
 壁下では学生のご一行さんとすれ違う。少し下ると先行者が岩壁を眺めてスケッチしていた。どうやら、岩壁の登攀ルートを探しているようだった。岩壁は1〜5稜まであるようだが私には分からない。
 山頂を振り返り、雄鉾沢を後にする。高巻の上に道標があったことに気が付く。下山途中、夏山ガイドにあったウポポウシの滝が見当たらないことに気が付き、場所を特定しようと下って行くとどうやら高巻のある所のようだが、滝らしい雰囲気はない。マクンベツの滝も一寸した早瀬だなと思うくらいで昔の面影は薄れているようだった。
山頂を振り返る 高巻の上の道標 ウポポウシの滝上? マクンベツの滝

二人の山行記録もくじへ    次満願展望台へ   アソビホロケール山へ

 二人の山行記録 (遊びの時間を含む)
 2006(H18)年10月21日(土) 曇り 八雲WVコース 単独 登り2:57 下り2:01
 6:58登山口→7:11クマンベツの滝→7:16標識(高巻)→7:24銀山沢出会→7:44標識(高巻)→8:02出会(左へ)→8:30水場→8:33壁下→9:17ルンゼ→9:41海見平→9:55頂上10:18→11:04水場→11:23出会→11:36標識(高巻)→11:46銀山沢出会→12:02標識(高巻)→12:08クマンベツの滝→12:19登山口
 2002(H14)年5月25日(土) 小雨八雲WVコース
 9:36登山口→10:54引返し地点→12:21登山口