新山沼展望公園(標高90m)ドンコロ山(179m) |
アクセス 国道453号線の横綱北の海記念館近くから町道「昭和新山第2線」に入り、新山沼に架かる橋を渡って山に上がって行き、ハアピンカーブを過ぎて直ぐ右側に細めの舗装道路を入ると駐車場がある。この道は昭和新山に行く道道703号線に抜ける。 国土地理院地図 周辺地図 |
沼を見る展望公園にしては、学術的な解説板がある。看板に書かれていることを予め予習してい行かないと理解が出来ない。開設板が無ければただ単に道路の法面に見えるが、写真と見比べて地層を探すが、中々探せない。 |
解説板1 | 解説板2 | 地層 | 地層 |
景色も看板と見比べて見てみる。地図には表記がない新山沼が眼下にある。横綱北の海記念館の池かと思っていたが、名前がある沼だった。解説板を見た後なら、火砕流で出来た台地が山の裾野に見えるが、解説が無ければただの丘として眺めたと思う。山の奥にはオロフレ山、室蘭岳、尖った伊達紋別岳が見えていた。昭和新山は見えないが、昭和新山の屋根山は見える。 |
オロフレ 新山沼 北の海記念館 砕流で出来た台地 屋根山(昭和新山) |
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ドンコロ山のスコリア丘の内壁が見えると解説板に書かれているので昭和新山に抜ける町道「昭和新山第2線」を上がって行く。途中で、噴煙を上げている昭和新山が見えるが、スコリア丘の内壁は見事に通り過ぎてしまう。次回に取って置こうと、先を急ぐ。 |
Toya Ecomuseum |
洞爺湖周辺地域エコミュージアムサテライト Lake Toya Area Ecomuseum "Satellite" 新山沼展望公園 Shinzan-numa Lookout Park |
支笏洞爺国立公園 |
■地形が物語る郷土の自然史 The topography in front of you tells us about the natural history of this region. 11万年余り前に洞爺湖カルデラを作った巨大な火砕流噴火がありました。当時の長流川沿いの低地はすっかり火砕流堆積物に 埋め立てられ、火砕流は低い丘陵を越えた背後にも流れ広がって、噴火湾に流れ込みました。火砕流の堆積直後から火砕流堆積 物は急速に削られて現在の長流川が再生され、火砕流堆積物の多くは削り去られました。当時の洪水による氾濫で出来た平地の 上に長流川の両岸の田畑が乗っています。火砕流堆積物は田畑の背後の1段高い畑作地帯の下に残っています。 1944-45年にかけての有珠山の噴火は昭和新山の成長に伴って地盤が急速に隆起して長流川の支流である壮瞥川がせき止 められて新山沼が誕生しました。この隆起に伴って当時の伊達に向う道道(現在の国道453号)や鉄道(今は廃止された胆振線) は長流川沿いに付け替えられました。新山沼にかかる橋の手前で交差する崖下の道路は噴火前の道道です。 A huge volcanic eruption occurred about 110 thousand yers ago. A pyroclastic flow was generated and filled the tributary of Osaru River as well as spread out to further areas. Most of the deposit was quickly eroded. generating a debris flow plain that is now used as a rice pad. Part of the pyroclastic flow deposit is remaining beneath the farmland, which is behind the rice pad. The small pond, Shinzan-numa, was formed during the 1944-45 eruption due to ground deformation that created a new lava dome. Shouwa-Shinzan. Lacal highway and railway were forced to relocate due to upheaval. ■地形が物語る郷土の自然史 The topography in front of you tells us about the natural history of this region ■有珠山東方上空より(緑色は散策路) ■新山沼と背後の昭和新山屋根山 Aerial view of Usu Volcano and surrounding area. Shinzan-numa and Yaneyama(Roof Mountain)in the background Trails are indicated as green lines. |
■有珠成層火山とドンコロ山スコリア丘 Usu stratovolcano and Donkoro-yama scoria cone 約2万年まえから約7000年前までの間に有珠山は噴火を繰り 返し、成層火山として成長しました。この期間のある時、有珠山 北東山麓で独立した火山としてできたのがドンコロ山です。ドン コロ山は1回の噴火限りで火山活動を終えたスコリア丘という タイプの火山です。 この開設板の前の崖の中部から下部にある地層がドンコロ山 の噴出物です。下部の黒い地層は噴火の最盛期に急速に降り積 もったもの、中部の縞模様は弱い噴火を繰り返した噴火の後期 に降り積もったものです。茶色の風化帯を経て崖の上部には土 壌の上に白い軽石層や火山灰層があります。これらは7000年間 ■ドンコロ山の噴出物と有珠山1663年噴出物A の休止期を経て1663年に有珠山が噴火を再開した時の噴出物 Donkor-yama ejecta and Usu 1663 ejecta です。火口から上空に吹き上げてここに降り注いだ軽石層とその 後に引き続いて発生した火砕サージ堆積物です。 ここから町道(昭和新山第2線)を1200メートルほど昭和新 山に向かって行くと、 右手に樹木の少な い崖が続いていま す。この崖は原型 のまま残っている ドンコロ山の火口 の内壁です。 ■道路沿いにみえるドンコロ山の火口壁B ■上空から見たドンコロ山スコリア丘。赤枠が原型のまま残っている部分。 Crater wall Donkoro-yama B 矢印Aは当地点 Aerial view of Donkoro-yama. Red circle:Donkoro-yama. ArrowA:this place Usu ancestral strotovolcano had grown between the reriod of 20 to 7 thousand years before present. Donkoro-yama scoria cone was an independent volcano which had formed as a single eruption product during the growth stage of Usu ancestral stratovolcano. A black-colored strata in front of this panel is an ejecta of Donkoro-yama. The white pumice and ash deposites at the uppermost part of the exposure is a pumice fall and pyroclastic surge deposit that form during 1663 eruption of Usu volcano. You may find an inner cliff of Donkoro-yama crater about 1200 meter from here, on your right side. ■スコリア丘 Scoria cron 爆発的な噴火活動によって火口の周りに火山砕屑物が積み重なって出来た円錐形 の火山体をスコリア丘あるいは火砕丘といいます。火山体の大きさの割には火口が 大きいのが特徴です。日本での代表的な例として伊豆半島の大室山や九州の阿蘇カ ルデラの米塚などがあります。 ■火砕サージ ■原型を保ったスコリア丘の事例(阿蘇カルデラの米塚) Pyroclastic surge Kometuka scoria corn, Aso caldera, Kyushu 火山灰などの固体物質と気体が混合して地表に沿って流れる現象のうち、固体物質の比率が高いものを火砕流、低いものを火砕サージとい います。1663年の有珠山噴火では噴火の後期にマグマが地下水に接触して大量の水蒸気と火山灰を生じて低温の火砕サージが発生し、長流 川の対岸の丘陵地まで到達しました。 A pyroclastic surge is a ground hugging current made of solid particies and gass. The proportion of gass is much more than that of the solid particles. |
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二人の散歩路記録 (遊びの時間含む) 2009.10.22 |