95 山頂の転寝

恵山と海向山へ行ったときのことで。朝早かったので、オリオン座が輝いていました。恵山は紅葉が盛りを過ぎたとはいえ、綺麗でした。しかし、小道は風が吹けば直ぐに落ち葉に埋まってしまうので道を見つけるのに一苦労しました。

木々は葉の色を変え
山肌を赤や黄色に彩る
ある木々は葉を落として
遊歩するもの達に
青空の青さを肌で感じさせる

秋の細い山道は
思い思いの形や大きさの
落ち葉に満ちて
遊歩するもの達の足音を高くしたり
雑音を心地良い 音に変える

落ち葉はときに 遊歩するもの達を
自らの体で 惑わし 遊ぶ
小さな小道を直ぐに落ち葉で隠し
遊歩するもの達を 困らせ
笑う カラカラ カラと笑う

山頂の陽だまりは
心地よく 休息するもの達を包む
時折 風は木々を揺らし
枯れ枝や枯れ葉から
赤や黄色の音色を吹き出す

転寝をするものは
身の回りを紅葉で満たしながら
オリオン座をまぶたに見る
青空の下でも
オリオン座は輝いている
赤や黄色に


2001年10月26日 恵山・海向山にて


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