87 秋風の五線譜


美唄山に登ったときのことです。暑い日で、薄曇りだったのですが、赤とんぼが多く、雲も秋を感じさせていました。

風が秋の曲を作り始めるとき
風は雲に息を吹きかけ
大空に五線を描く

鳶はゆっくりと旋回し
五線の頭に記号を描き
リズムを整える

赤とんぼは五線に止まる
次の赤とんぼも止まる
次から次へと止まり
音符となる

蜂も蝶も 何時の間にか
五線に止まり 音符となる
バッタも五線譜に飛びつき
一小節を作ろうとしている

秋の曲の始まりだ


2001年8月26日 美唄山にて



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