60 雪鳥の足跡


金山へ行ったときのことです。山の天気は晴れたかと思ったら吹雪になったり、大きな雪が降ったりと目まぐるしく変わりました。その中での出来事です。木の幹に鳥のように止まって積もっていた雪が一斉に、上から落ちてくるではありませんか。    

ふわふわ 揺れながら雪が降る
大きな雪が揺れている
幹に止まっても まだ揺れている
風が餌を運んできたのか
一斉に餌をついばむ小鳥のように
幹から離れ 白銀の中に舞い降りる

すると ひぐまやうさぎの足跡が現れる
大きな塊はひぐまの足跡となり
小さな塊はうさぎの足跡を模倣する
雪の足跡は木々の周りを回って遊ぶ<
ぐるぐる ぐるぐる 回って遊ぶ

ひぐまさんは大きな体で追いかける
ドスンドスンドスンと追いかける
うさぎさんはすばやく回り込む
ピョンピョンピョンと飛び跳ねる
雪にまみれて遊んでいる
飽きるとどこかへ飛んで行く

また 木の幹を白くして
木々を白銀に溶け込ませ<
雪鳥が離れる順番を待っている
キラキラ白い歯を見せ 笑いながら
みんなの来るのを待っている


2001年2月25日 金山にて

山の詩もくじへ  次雪鹿へ  北の山遊詩へ