173 ツララの櫛

富士形山に登ったときのことです。ルークシュベツ川のスノーブリッジを渡ったのですが、川辺の規則正しいツララが櫛のようでした。

雪のベールから顔を出し
スノーブリッジを
所々に残しながら流れる
春間じかの小川の辺

透明なツララの櫛で
梳られた流れは
陽の光に透けながら
キラキラと輝き流れる

冷たいツララの櫛で
梳られた流れは
月の光にも凍えることも無く
サラサラと輝き流れるのだろう

夜も昼も流れを梳る
ツララの櫛は
雫を滴らせながら
オルゴールの櫛歯となり
春の曲を奏でだす


2004年4月11日 富士形山にて

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