１２７　白霧杯 　　　 摩周岳、ヌーウシベツ岳、西別岳に行ったときのことです。摩周湖に面した摩周湖峰（尾根）を歩くと、刻々と摩周湖と摩周岳の様子が変わってきます。 また、ヌーウシベツ岳や西別岳から見た二つに分かれた摩周湖も神秘的でした。

根釧平野の遥か遠く 太平洋の大海原から 霧を集めくる　西別岳 霧を濃くする　ヌーウシベツ岳 摩周湖が二つに分かれ 二つの目となるとき カムイが青い目を開く 霧で摩周湖を包みながら カムイッシュ島は 霧の抜け穴　カムイの鼻 摩周湖はカムイの水瓶 摩周岳はカムイの霧杯 サイシルクンェナイ川が乾くとき カムイは摩周湖をVの字に傾け 水を摩周岳という白霧杯に注き 白霧に変えて　大地を潤す カムイが摩周の水を注ぐとき 白霧で摩周湖は包まれる カムイは人を驚かさない カムイは優しい カムイは昔を懐かしむ 摩周湖峰の大樹海を 笹原の遠くに去った 大きな木々の友を 思い出しては　涙を流す その涙は摩周に滴下する 摩周の水が枯れないように カムイは本当に優しい 優しい　カムイ　カムイ ２００２年５月１８日　 摩周岳、摩周湖峰、ヌーウシベツ岳、西別岳にて

摩周湖の付近は大樹海だったのですが、開拓により消失してしまいました。今は背の低い笹原となっています。大きな木は何故か枯れ木となって佇んでいます。

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