ピセナイ山(1027.4m)

 ポイント
 静内キャンプ場から少し奥にある林道ゲートから登山口までおよそ6kmを歩く。登山口からはあっという間に登れ、山頂からの展望は360°で日高山脈が一望できる。
紅葉した牧場 モミジ
静内ダムコース
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=

 アクセス
 静内から道道111号線を走り、静内ダムに向かうと静内ダムに突き当たる(高見ダム方面は通行止め)。ダムの上を通過し、キャンプ場を左手に見て林道を進むと、直ぐゲートが現われる。ゲートの前に数台停まれる駐車場があり駐車する。
 国土地理院地図 GPSトラックは「2008.10.31」の地図帖へ  Google Map
 10月31日<2008((H20) 往復16.360km 登り3:01 下り2:18>
 東の沢左岸林道のゲートが確り閉まっていて、登山届ポストも設置されている。林道を辿って行くと、思わぬ所から滝が流れ落ちていた。真っ赤な岩を伝って小さな滝壷もある。静内湖(国土地理院は静内調整池)の対岸に日の光が当り紅葉も栄えていた。林道の紅葉を見ながら歩いていていると車が止まり、登山口まで乗って行かないかと親切に声を掛けてくれた。愛棒は絶対に他人の車に乗らないので、丁重に断わる。
林道ゲート 静内湖 紅葉の林道
 静内湖は青いのだが乳白色がかっていて、その奥に675m峰と763m峰と思われる山が見えていた。林道は「静内湖」と別れるが、ピセナイ沢川が静内湖に流れ出る注ぎ口が綺麗な紅葉になっていた。林道は赤味がかった高い崖の下を通るので、思わず見上げてしまう。沢沿いの高みに境界石が見えたので、岩の上に上がって見ると、「 一三四」と白いタイルが貼られた境界石があった。
675m峰と763m峰 紅葉 高い崖 何かの境界
 林道は谷と高い崖の狭間に延びているところもある。以前は、こんな所も車で辿ったんだと思い返す。ピセナイ沢川の右岸に延びている「東の沢左岸林道」が紅葉と共に見えてくると、比瀬内橋が現われる。橋を渡ると「東の沢左岸林道」から分岐するゲートが閉じたピセナイ林道(昭和46年完成)に辿り着く。ここまで、およそ2km来たことになり、登山口までは後4kmとなる。
谷と崖の狭間を 林道が上がって行く 比瀬内橋 ピセナイ林道ゲート
 粘板岩の様な黒光りのする岩が崩れ、道端にゴロゴロと転がっている。道端には、季節はずれの赤トンボが枯葉の上で日向ぼっこをしていた。胴体だけ赤く、翅の縁紋は小さく赤くないので、一般的な「アキアカネ」だろうと思う。沢を覗くと、一面に小砂利が敷き詰められている、その上を清流が流れているところもある。台風で一気に泥流が流れた跡なのか、小石以外に何も無い。やがて、砂防ダムの様な橋を渡り「ピセナイ沢川」の右岸から左岸へと渡って行く。沢を覗くと赤、白、青等の色の綺麗な岩の中を清流が流れている。
粘板岩の露頭? アキアカネ?(大×) 綺麗な岩と清流
 道端にピセナイ一号線」標識が現われるが、道が流されたのかほとんど跡形が無いように見える。被害の無かった苔生した岩の沢もあり、法面も苔生した所もあるなどと考えながら辿って行くと、林道が分岐する。分岐には看板「ピセナイ→」もあり分り易い。分岐から右折し山へ向かうと、林道は曲がりながら登って行く。カーブを曲がると駐車場に辿り着く。駐車場には林道の鍵を持っている2台の車が停まっていた。駐車場には登山届ポストがあるので記帳し、引き続き林道を辿ると林道の途中に登山口がある。
苔生した法面の岩 分岐(右へ) 駐車場 登山口
 いきなり急な登山道を登って行くことになる。落ち葉の下に木の根や笹の根が隠れているので、下りのために登山道から落ち葉を取り除きながら登って行く。631mのコブをトラバースしながら登り出すと、二合目の展望台に着く。一合目の標識はあまりに急なので足元ばかり見ていたのか見落としてしまったようだ。展望台からは「笹山」が見えていた。二合目からは尾根道になるので、山頂が見えるようになるが、残念ながら冬木立越しですっきりしない。平らな尾根も、再び、急登になってくると、上から大きな白い犬を連れた男性が下りてきた。犬は放たれていたが、大人しいので大丈夫だと男性は言って下ってくる。近づいてくる犬を撫でようとしたら、プイと反対を向かれる。きっとオスだと思う。
 864mのコブに上がると六合目になり、「静内と三石の町界」の標識も健在だった(現在は2町が合併し新日高町なのでモニュメント的な存在)
631mのコブを 展望台から笹山を 山頂を 六合目
 六合目からは平らな尾根道になり真正面に山頂を見ながら登って行く。尾根道には獣道が交差している。愛棒は鹿だけでなく熊も通るのだろうかと心配顔だ。再び、登りになり振り返ると山頂が空けたペラリ山が見えていた。登山道の傾斜が急になりだし、一時山頂が見えなくなると八合目の標識が出てくる。
山頂を ペラリ山 急登に(大×) 八合目
 見上げると山頂は見えないが青空と白樺林が綺麗に見えた。九合目に上がると、鈴の様に割れ目のある山頂が見えていた。登山道に登っている人達も見えてくる。山頂に上がると、林道で出会った車のご一行さんが盛んに日高山脈の写真を写していた。
 あいさつを交わし、天気が悪くならない内に、私も日高山脈のを写す。ようやく、写し終えて腰を下ろす。目の前に冠雪した日高山脈を見ながら、贅沢な昼食をする。
青空と白樺林 九合目から山頂を 山頂直下(大×) 山頂
 北側からぐるっと見回すと、イドンナップ岳、カムイエクチカウシ山、1839峰、ペテガリ岳、中ノ岳、ピリカヌプリ、アポイ岳、横山中岳、ペラリ山、笹山と見渡せる。ご一行さんはガイド役の男性に山座同定を迫っていたが、男性は地図を忘れたと言い、山座同定はしなかった。こちらにお鉢が回ってくると大変なので、愛棒と小さな声であれカムイエクかなとかヒソヒソ話しをする。何せ、こちらも解らない同士なのだ。以下、全て当てずっぽうなので、くれぐれも信用しないで欲しい。
                     ←大
イドンナップ岳    カムイエクチカウシ山   1839峰   ペテガリ岳  
                     ←大
1839峰     ペテガリ岳    中ノ岳       ピリカヌプリ  
                     ←大
アポイ岳                               横山中岳
                     ←大
ペラリ山                         笹山
 日高山脈を見ながら昼食をしていると、雲行きが怪しくなってみたので、日高山脈の冠雪した山々を写して回る。自信は無いがカムイエクチカウシ山、1839峰、ペテガリ岳、中ノ岳一段と尖った神威岳、南東方向に向いて野塚岳と思って撮す。
カムイエク 1839? ペテガリ 中ノ岳? 神威岳? 野塚岳?
 野塚岳の隣には楽古岳も見えていた。頂上は、以前、真ん中に笹を残してドーナツ状に刈られていたが、今回は短くなっていたので、三角点を見付易くなっていた。三角点を撮していると、ご一行さんのシャッタ係りをおおせつかる。大役を務めて無事、下山を開始する。九合目から山頂を振り返ると、すでに青空は無くなっていた。
楽古岳? 三角点 下山開始 九合目から山頂を
 尾根道からはイドンナップ岳と思われる山が見えていた。六合目で老眼鏡を拾う。ご一行さんの誰かの持ち物かと思い町境の標識に引っ掛けて置く。登りの時には気が付かなかったが、六合目を過ぎても1839峰と思われる山が見えていた。下山途中で、愛棒が落ち葉に隠れていた木の根に上がり、スリップダウンしてしまう。折角、登っているときに落ち葉を除けたり、笹の根を切ったりしたのだが、まだ見落としがあったようだ。ここで、私が先頭に立ち地雷除去係りになり、再び落ち葉を除けながら、滑りそうなところを注意しながら下って行く。
 登山口に着いてやれやれと思う。今度は、黙々と林道を下って行く。静内湖の湖畔沿いになると、再び、紅葉を見ながら辿って行く。
イドンナップ? 1839峰? 紅葉 林道を
 林道ゲート前の駐車場に着いて帰る支度をしていると、ご一行さんの車が到着する。あいさつを交わし、ご一行さんの車を見送る。
 11月3日<2000((H12) 登り1:30 下り1:15> 北の山游詩:木琴のような標識 枯れ葉遊び
 静内から高見ダム方向へ入る。始め静内ダムの標識でないので、不安になるが舗装道路が切れると、静内ダムが右に見えてくる。ダムの上を通過し、突き当たりを左に曲がり、ダムに沿って走って行く。愛車は車高が低いので、道路の左右に走る亀裂を乗り越える時は慎重に通過した。当日は、工事中で通行禁止の看板があったが、行ける所まで行こうと車を走らせる。どうしても乗り越えることのできないギャップは下りて、石をギャップに入れながら通過した。ショベルを持ってくれは良かったと思った。キャンプ場を過ぎると入林届けのボックスがあった。名前を記入して、さらに進むと標識がありピセナイ沢を上って行く。上り切ると駐車場の看板があった。駐車場の看板がないと、もっと上に車で上がって行くところだった。駐車場のカラ松林には、○○○の花道がついていて、白い花が咲いていた。
 登山口は駐車場の看板のところにあり、ここでも登山届のボックスがある。再度、記入して登って行くと、痩せ尾根の急なところを登ることになる。やたらと、シャクナゲがあり、合目の標識も完備されていた。2合目は展望台で三角点もあった。頂上を左側に見て登って行く。頂上と9合目は双耳峰のように見える。6合目からはなだらかな尾根となり進む。右は笹原で鹿の通り道が数本ある。登山道にも鹿の足跡があった。このなだらかな尾根道は展望が良い。最後に9合目のコブを越えて登ると頂上になる。。6合目からピセナイ山の反対側に見えるベラリ山(7191m)の頂上まで道があるように見えた。
 頂上は真ん中に笹を残して、ドーナツ状に刈られていた。頂上にもわざわざ、笹刈りをした○○○の花道が付いていた。頂上に着くと、先に夫婦連れがいて、20分位先に来ていたようだった。地図を広げ山座同定をして楽しんでいた。360°見渡せるが、残念ながら日高山脈は雲の下だった。静内ダム方向に、定山渓天狗山を優しくした様な山容の笹山と思われる山が見ることができた。
登山口(大×) 山頂を 山頂(大×) 笹山
 雲の隙間から漏れる日の光が天使の梯子風に見えた。静内の平野も霞んで見え、目の前の三角な山が印象的だった。アポイ岳方向も比較的明るかったので望めた。
天使の梯子風 静内の平野 三角な山 アポイ岳方向?
 帰りは、標識を杖の柄で叩いて、木琴の様な音を楽しんだ。特に良い音がしたのは、三石町と静内町の堺の標識と、見晴台の標識だった。すこし、叩き過ぎて凹ましてしまった標識もある(ごめんなさい)。それから、落ち葉を足で蹴散らして、落ち葉の音を楽しんだ。登山道の表面に飛び出した笹のループをつまずかないように6か所切って来た。
 また、登って来る人に日高山脈は白かったですかと言われ、期待を裏切るようだったが、白くはなってませんと言わざるをえなかった。
 帰りの林道で、ボーットしていたのか、橋のある沢を右に曲がらないで、左に行ってしまい、道路の真ん中に草が生えだし、変だと思ったのだが、意外と良い道だったので、奥まで行くとユンボが道の真ん中にあり、道に迷ったことを確信しバックした。お陰で、車のバンパーは傷だらけ、腹は擦るは大変だった。それにしても、立派な看板が沢道に付いていたので、間違ったことに気が付くのが遅れていまった。 最後に、道路で工事中のユンボが避けてくれるのを待って通過する。

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 二人の山行記録
 2008(H20)年10月31日(金) 晴れ後曇り 往復16.360km 登り3:01 下り2:18
 8:43東の沢左岸林道ゲート→9:07比瀬内橋→9:09ピセナイ林道ゲート(登山口まで4km)→9:30右岸から左岸へ→9:55分岐(右)→10:09駐車場→10:18登山口→10:36二合目展望台→10:45三合目→10:52四合目→11:01五合目→11:11六合目静内三石町堺→11:16七合目→11:26八合目→11:36九合目→11:44頂上12:15→12:19九合目→12:23八合目→12:32七合目→12:36六合目町堺→12:45五合目→12:51四合目→12:56三合目→13:05二合目展望台→13:16一合目→13:21登山口→13:27駐車場→13:37分岐→13:56左岸から右岸へ→14:11ピセナイ林道ゲート→14:10比瀬内橋→14:33駐車場
 2000(H12)年11月3日(金) 曇り 登り1:30 下り1:15
 8:16駐車場→8:20登山口→8:39二合目展望台→8:55四合目→9:04五合目→9:15六合目町堺→9:29八合目→9:38九合目→9:46頂上10:38→10:43九合目→10:50八合目→11:00七合目→11:05六合目町堺→11:12五合目→11:18四合目→11:25三合目→11:31二合目展望台→11:43一合目→11:48登山口→11:53駐車場