86 カムイの遊び


黒松内岳に登ったときのことです。天気は最高で、函館(ウスキシ)の駒ヶ岳、羊蹄山、ニセコ等が良く見えました。
また、北海道が日本海と太平洋に挟まれいるんだとも。山は誰もいなくて、ただ、蜂が舞っている羽音だけでした。

春からの花遊びに
飽きたカムイが
青空の下 大地と遊ぶ

ウスキシの駒ヶ岳を
噴火湾の海に浮ばせ
霞めて遊ぶ カムイ

シリペツの羊蹄山を
山の上に積み上げ
高くして遊ぶ カムイ

ニセコアンのイワオヌプリを
白髪にしてチセから
頭を出させて遊ぶ カムイ

日本海と太平洋の狭間に
北海道を挟めて遊ぶ カムイ

カムイの遊びを
おにぎりを食べ
ビールを飲んで見ている
アソビホロケル ただ二人

蜂が残り花の上を飛んでいる
羽音だけの青空の下 
温かな日差しの中で


2001年8月19日 黒松内岳にて


チセヌプリは家の形をした山という意味ですね。隣のイワオヌプリが、ツエルトからひょっこり白髪頭を出したときのような登山者を連想させられました。


山の詩もくじへ  次秋風の五線譜ヘ  北の山遊詩へ