47 木琴のような標識


ピセナイ山に登ったときのことです。登山道には合目の標識が完備されています。何気なく、杖の柄で叩いてみたのですが、これが意外と個性的な音を出していました。
山頂標識は山座同定して楽しんでいる登山者がいるので、叩くことはしませんでした。一番気に入った音は町境標識でした。
ついつい力が入って標識を少し凹ませてしまったところがるので、ごめんなさい。    

一合目の標識を叩くと
登山者の荒い息が混じって鳴る  
トントン ハッハと  

二合目は見晴らし台を兼ねている
二合目の標識を叩くと
同じく登山者の荒い息が

見晴らし台の標識を叩くと
登山者の歓喜の声が混じる
トントン ハッハ ワー綺麗

三合目はシャクナゲが
緑色で揺れる音が混じる

四合目は双耳の山頂を
見上げる登山者の息が混じる

五合目はもう一息の安堵感が混じる

六合目は三石町と静内町の町境標識もある
六合目の標識を叩くと
尾根に出た開放感が混じる

町境の標識を叩くと
町同士がうまくいっているのか良い音がする

七合目の標識は尾根道を歩く
登山者の弾んだ声が混じる

八合目は鹿の足音が混じる

九合目は山頂にかけ上がろうと
あせる登山者の荒い息が混じる

山頂標識は 
きっと登山者の大歓声が染み付いているだろう
どんな音がするのだろうか


2000年11月3日 ピセナイ山にて

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