32 太陽のお絵かき


芽室岳に登ったときのことです。道中、太陽が出るときの朝ぼらけの綺麗だったこと、紅葉が進んでいたこと、風がなくぽかぽか天気だったことと良いことずくめでした。

朝起きの太陽は機嫌が良い
灰色の雲をピンクに描き
やがて 真っ赤な顔を出す
雲はいつの間にか 真っ白に

顔を出した太陽は機嫌が良い
山肌に張り付いていた白い霧を
徐々に 元の色に描く
山肌はいつの間にか 赤緑黄

登り始めの太陽は機嫌が良い
赤緑黄の山肌を一つ一つ描く
赤色の実 緑のはい松 黄色い木の葉
山はいつもの装いを取り戻す

真上の太陽は移り気だ
こんどは白い雲を描き出す
どんどん どんどん 描き出す
ついに 山肌を白く塗りつぶす

白く描かれた雲は ついに山の上
山肌にぶつかり上空へ登って行く
まるで、白い竜の様に 絵筆が
青い空を駆け上がり 筆を置く


2000年9月23日  芽室岳にて

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