226 雪玉の譜
千尺峰に登ったときのことです。おにぎりを食べ終え、斜面を下っていると、後ろから雪玉が転がってきました。よく見ると、トレースの間から音符が描かれている様でした。
地吹雪は
人を凍えさせるために
だた 無意味にピューピューと
音を立てながら
吹き荒れているのだろうか
雪の下に
大切な何かを
隠すために
吹き荒れるのだろうか
それは 人にはただ
ピューピューと無機的な音にしか
聞こえないが 実は楽しい曲を
奏でているのではないだろうか
雪山を歩くと
雪のなかから雪玉が転がり出
雪原に五線譜を浮き出させるが
凡人には奏でることが出来ない
雪玉は
どんな曲を奏でているのだろか
まだ 真冬なので
春の曲ではないだろう
2016年1月14日 千尺峰にて
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