217 行き交う影
白旗山に登った時のことです。白雪の上にシマリスの足跡が点々と付いていました。雪が融けかかった道の上には、通り過ぎたものたちの影が残っているように見えました。

まだ 冬になりきれない
小春日和の日差しを受けて
雪が残った道の上
リス 鹿 キツネ の足跡が

夏の大地に残した足跡も
道に吸収されていて
影絵のように浮き出て見える
それは 影か 足跡か

青春の日に流れて消えた
涙も滲んで来るように
道は滲んでいるが
今は 思いで深い涙に見える

白い影 黒い影 行き交う影
それは 望む人のため
チョウにも 虫にも 動物にも
形を変えて 待っている


2011年11月23日 白旗山にて




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