213 光粒の樹
長流山に登ったときのことです。真っ白な雪面に冬木立の黒い影が映っていました。その周囲に新雪の粒が光り輝いていました。
真っ白な雪原に
黒い影が落ちる時
影から光が浮き出て
きらきらきらと光り輝く

黒い影と同調した光は
影が黒くなるほど強くなり
影と化した樹の周りに
光の粒を輝かせる

陽が陰るとき
光の粒は
一瞬にして消え去り
白い雪原に戻る

星空から降って来た
きらきら星なのかと
天を仰ぐと 青空に
白い雲が行き交っていた

一時の夜空からの贈り物


2011年2月3日 長流山にて

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