185 金色の草原

佐幌岳に登ったときのことです。有り触れたスキー場のゲレンデに生えている枯れ草が想いのほか綺麗で、ダイナミックな動きをしたのです。

ゲレンデの枯れ草は
弱弱しい風が吹けば
ゆらりと揺れるのみだが
北風が一寸強く吹けば
揺れながら なびきだす

ゲレンデの枯れ草は
日が射せば
金色に変わり
日が陰れば
おとなしく 枯れ草に戻る

光と風が交わるとき
ただの枯れ草が 光り輝き
金色の草原に変わり
獣のように 動き出す

金色の草原は
風になびきながら
光をもてあそび
陽炎のように振舞う

秋を地上から蒸発させ
冬の景色に導くかのように


2005年11月6日 佐幌岳にて

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