168 光の紅葉
白湯山に登ったときのことです。紅葉が綺麗で、日が差すとさらに綺麗に見えました。紅葉の下で、コオロギも鳴いています。

陽の光を蓄え
木の葉は赤くなる
陽の光を受け過ぎると
光に融けて
透けて行く

やがて 地に落ち
小径を覆う
落ち葉の下は
コオロギの
暖かな棲家となる

コオロギは
暖かさに囲まれ
幸せそうに
秋の日を
歌っている

何時までも
何時までも
歌いたいと思っても
果てあることを悟ってか
静かに 静かに
歌いだす


2003年10月4日 白湯山にて


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