130 ワタスゲの小道    

横津岳に行ったときのことです。登山道は全て舗装道路だったのですが、笹の背が低いのと、道を盛って作ったので、展望が良く、下北半島や津軽半島が海に浮いているようでした。烏帽子岳の湿原にはワタスゲが風に浮いていました。    

山道で 手を振って風を切れば
拳は 白い雲の中
足の下を見れば そこは大地
頭の上を見上げれば 大空

足を上げて歩けば
つま先は 海の上
下北半島に届きそう
右足は 青い 青い 海の上
左足は 白い 白い 雲海の上

下北半島も浮いている
海の上に浮いている
青い海の上 白い雲海の上

ワタスゲは 白い雲を丸め
風に浮きながら 雲を消し去り
雲の間に 青空を作る
小さな沼は 青空に青を
白い雲から 白をもらう

山道は どんどん下がって
海の中 青い 青い海の中
続く 続く 何所までも

悲しいときも 楽しいときも
何時も変わらず 続く道
続く 続く 何所までも


2002年6月7日  横津岳・烏帽子岳にて

山メールを立ち上げた初期に、仲間に入れてくれた坂口さんが、病気上がりの奥さんと二人で登った思い出ロードだったので、私たちも登ってみました。舗装道路の山でしたが、素晴らしい山なので、奥様はとっても喜んでいたこと思います。
次の日、その坂口さんとバッタリ函館で会おうとは思いませんでした。何かの巡りあわせてしょうか。改めて、奥様のご冥福をお祈りいたします。

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