122 山のシルエット遊び    

喜茂別岳に登ったときのことです。真っ青な絵の具で書いたような青空が広がっていました。まるで、春を通り越して、夏のような日でした。
しかし、羊蹄山の山肌はまだまだ白かったのです。そこへ小さな雲が一つ横切っていました。並河岳も真似をして残雪に熊を横切らせていました。

青い 青い 空の下
暖かな 暖かな
日差しを浴びて
羊蹄山は
久しぶりの春を満喫していた

余りに 青いだけの
青空なので
白い山肌を切り取って
小さな 一つの雲を
白い雲を 浮ばせた

切り取った山肌は
黒い 黒いシルエット
コウモリの様でもあり
鳥の様でもあるシルエット

並河岳も真似をして
まだまだ白い残雪に
黒い熊の形を横切らせ
シルエット遊びをしていた


2002年4月27日 喜茂別岳にて


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