11 白い霧の手


徳瞬瞥山に登っている時にはほとんど、ガスの中でしたが、雨にも当たらず良かったです。まるで、霧のトンネルを通っているような錯覚を覚えました。
また、ホロホロ山から徳舜瞥山に向かう途中で徳舜瞥山を霧が包み込む様は、まるで、山を後ろから手で目隠しをしたり、山をくすぐっているような情景でした。

白い霧 全てを目隠しする白い霧
白いダテカンバの幹に支えられた
天井の様な 白い霧
丸い葉 三角の葉をちりばめた
白い霧の天井

白いダテカンバの幹に支えられた
天井の様な 白い霧
蜘蛛が糸を垂れ
蜘蛛を天空に運ぶ
白い霧の天井
 
天井の様な 白い霧
蜘蛛が糸を垂れ
時折 すきま風を通し
雨漏りがして 雨粒を降らす
白い霧の天井

一転して 天空の彼方へ去る 白い霧
また 押し寄せる 白い霧
山を背後から白く長い手で
目隠しをして遊ぶ
白い霧の手

また 押し寄せる 白い霧
山を背後から白く長い手で
くすぐる くすぐる 山は笑う 笑う
小刻みに山の体をくすぐって遊ぶ
白い霧の手   

山の花模様が揺れる
黄 紫 白の花が左右に揺れる
ワン ツー ワン ツー
白く長い手で造った
白い霧のトンネルの中で


2000年 7月17日 徳舜瞥山にて
 
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