西ヌプカウシヌプリ(1251m)

 ポイント
 十勝平野の展望台だ。登山道は背の低いチシマザサに覆われ気味だった。笹を刈り過ぎると土壌が流亡するので、登山道保守のためだと思う。ピークが二つ、沼が一つあるが、山頂標識も道標も無い。山頂へは前峰(1206m)を一度下がって、大きな岩の積み重なった山肌を登り、踏み跡を辿るが、帰りの道で迷い易い
扇ケ原展望台下コース

 アクセス
 鹿追から然別湖を目指して、道道86号線を上ると、扇ケ原展望台の左手前(左カーブ)に登山口がある。真新しい大きな看板が立っている。駐車スペースは3台分ある。
 国土地理院地図 GPSトラックは山の地図帳「2003.8.30」へ  Google Map
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
  8月30日<2003(H15)年 往復3.204km 登り1:17 下り42>  北の山游詩:ダケカンバの音符
 登山口には真新しい大きな看板と古い小さな看板がるが、登山ポストはなかった。登山口からは隣の東ヌプカウシヌプリが見える。歩き始めの登山道はチシマザサで覆われ、先が思いやられる。取り付きの登山道はカラマツの林を一直線に登る。時折滑り易い土なのか、突然滑る。
 上から年配の方がカメラを持って下りてきたので、短い会話を交わす。どうやら、1人上に居るらしい。笹が茂っていて、足元が見えないので、突然現れるという感じになる。やがて、登山道がジグをきりだすと、十勝平野が一望できるようになる。
登山口(大×) 東ヌプカウシヌプリ 笹で覆われた道 十勝平野が一望
 登るに連れて展望も開け、十勝平野が見えて来る。花もちらほら咲いて来て、斜面越しに隣の東ヌプカウシヌプリも見えて来る。
登るほどに開け (大×) 隣の東ヌプカウシヌプリ ヤマハハコ(大×)
 林が細いダケカンバに変わると道端に花が現れ始める。そのダケカンバの林を抜けると、草原となり、花が咲きだす。今が盛りのタカネナデシコが、盛りは過ぎたようだがモイワシャジンやチシマフロウが風に揺られて咲いている。
細いダケカンバ モイワシャジン(大×) タカネナデシコ(大×) チシマフロウ(大×)
 やがて、尾根筋となり、十勝平野もすっきりとはしないが見渡せる。
                     ←大
十勝平野
 隣の東ヌプカウシヌプリ、天望山や白雲山も見えて来る。尾根は、まだ、奥へと延びている。
東ヌプカウシヌプリ 赤い葉の潅木 天望山と白雲山 尾根が続く
 登り始めて、ずっと自衛隊の演習の音がしていたが、平野を見ると白煙が上がっていた。平野は硝煙、山の上は花の香と同じ現実なのだ。1206mの前峰は平で広く、チシマフウロやエゾオヤマノリンドウが咲く草原となっていた。道は一直線に山頂へ向かって付いている。夏山ガイドブックではここを実質の山頂と位置付けている。しかし、前に上っている登山者の姿が見えないので、まだ、行けると思い奥へ進む。
自衛隊の演習中 チシマフウロ(大×) エゾオヤマノリンドウ(大×) 1206mの前峰
 もう、ツルツゲは赤い実を付けていた。赤い実を見ながら進むと下りになり、左側に沼に行く道が分岐していた。沼には寄らず、山頂を目指すが、登山道はドンドン下り、何時の間にか苔むした林になってしまう。林の先を見て、驚いたことに大きな岩が積み重なっていた。
ツルツゲの実(大×) 山頂へ 苔むした林から岩場 岩場
 岩場は、いかにも、ナキウサギが居るような雰囲気だった。良く見ると所々に赤いテープがあので、それを辿って岩を攀じ登って行く。岩場なので、展望が良く十勝平野やニペソツ山を見ながらの登りだが、帰りに道を間違えないか心配で、何度も登山道の位置を確認する。ガスったときには結構厄介なところに違いない。
十勝平野 ニペソツ山 来た方向 林の中
 岩場を過ぎると、朽木の多い林の中に突入する。踏み跡を辿るが、帰りは間違え易いなと思いながら登って行くと、太い枯れ木がありそこが尾根だった。それを右に行くと山頂だった。山頂には大きな岩が鎮座していた。山頂には先客がいて、岩の上に上がると見晴が良いが立っていられないと言う。岩の頭は尖っていてバランスを取るのが大変なようだったので上がらず、その下から南ペトウトル山や然別湖の写真を撮す。
枯れ木の目印 山頂 南ペトウトル山 然別湖
 さらに、道は尾根筋を下って行くので少し辿ってみた。展望は開けるが湖が木に隠れ気味になる。ひょっとしたら、また岩場がありナキウサギがいる穴場かもしれないが、深入りしないで帰る。帰りがけ下で待っている愛棒に電話をする。最後に、天望山と白雲山を見て、目の前に広がる前峰に向かって下って行く。
 朽木の多い林では見事に踏み跡を見失い、仕方が無く、岩場まで強行突破をする。朽木は意外と手ごわく、上がると崩れ去る。岩の隙間も見えずに足が嵌ってしまうが、何とか岩場に着く。
天望山と白雲山 岩場から前峰を 帰り道で沼の道が右 十勝平野を見ながら
 帰りは、龍神の沼の道を右にやり過し、急いで下る。下りは十勝平野が嫌でも目に入ってくる。途中で、地元のご夫婦が登ってきた。何所まで行くのか聞いてみたが、頂上まで行くのが当たり前だと言わんばかりに、怪訝そうな顔をしていた。奥の頂上ですかと念を押すとそうだということだった。地元に皆さんは、本当の頂上まで登って楽しんでしるようだった。

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 二人の山行記録(遊びの時間も含む) 
 2003(H15)年8月30日(土) 晴れ 単独 往復3.204km 登り1:17 下り42
 9:02駐車場所→10:00P1026m→10:19頂上10:22→10:43前の頂上→11:04駐車場所