無沢1(832.6m)両古美山(806m)展望台(783m)

 ポイント
 高山植物の咲くなだらかな主稜線を持つ両古美山を越えて、一度、コルまで下りてから、コブ(744m)一つを越して行くので、低山にしては結構きつく感じる。両古美山の南西尾根には展望台がある。
当丸峠コース

 アクセス
 古平から道道998号線を通り、神恵内村に向かう途中に「当丸峠」がある。この峠の最後のシェルタ内にシャッタがあり、交差点の標識が設置されている。左折してシャッタから出ると、その上に「神恵内二〇〇〇年の森公園」の駐車場があり車を停める。
 国土地理院地図 GPSトラックは「2009.6.25」の地図帖へ 周辺地図
=風景写真をクリックすると大きなサイズになります=
 5月3日<2002(H16)年 登り2:53 下り2:44>  北の山游詩:春の花々
 道際に駐車して、準備をしていると、上の駐車場から3人組みが下りてきた。良く見るとHYMLの仲間の菅原ご夫妻とトイレマップで有名な阿部さんだった。もう、当丸山に上ってきたのかと思ったら、両古美山と無沢1に行くということだった。
 実は、YOSHIOさんが最新情報を、メールで流してくれたので、集まったようだ。公園の施設は、まだ、冬季閉鎖中で使えなかった。舗装した駐車場の傍には立派な当丸沼の道標があり、シェルタの向こうには両古美山が見える。
 いよいよ、登山開始だが、難関が待ち受けている。それは、道路を渡って、道路脇の鉄筋コンクリート製のフェンスを乗り越えなければならない(今はもうシェルタの中なので無い)。先発隊の3人が塀の中の懲りない面々よろしく、脱走遊びを始める。これを越えシェルタに沿って進むと、元道路だったところにでる。良く見ると、左手に登山口がある。登山口からエゾエンゴサクやエンレイソウの春の花が咲いていた。
壁を攀じ登る(今は無い) 登山口(大×) エゾエンゴサク(大×) エンレイソウ(大×)
 フギレキスミレ、カタクリ、キクサキイチゲ、タチツボスミレなんどの花々が出迎えてくれる。特にカタクリは登山道一面に咲いているので、足の踏み場がない。気は使って歩いているつもりでも、可愛そうだが踏み付けてしまう。
フギレキスミレ(大×) カタクリ(大×) キクサキイチゲ(大×) タチツボスミレ(大×)
 カタクリ街道を15分ほど登ると、両古美山(520m)と見晴台(1120m)の距離を書いた標識が出て来る。残雪の上を歩いたり、岩の傍を通ったり、隣の当丸山を見たりして登って行くと、南東の尾根に着く(現在山頂標識がある)
カタクリ街道 距離標識(大×) 残雪の上を歩く 岩が現れる
 積丹半島の付け根にある山だけあって、岩内と余市の海が見える。早速、パノラマ写真を撮す。当丸山の奥には羊蹄山、海に突き出た格好のニセコ連峰、岩内の海には白い狩場山が浮いて見えた。
                     ←大
ニセコ連峰   (狩場山)                    余別岳
 主稜線越しに積丹岳、目の前に泥の木山、余市の海には暑寒別岳が浮いて見える。
                     ←大
積丹岳              泥ノ木山        余市方向(暑寒別岳)
 両古美山の山頂はハイマツの中なので、見晴は良くない。山頂標識は古い標識の下に新しい標識が付いていた。「標高(809.2m)無沢1(2750m)見晴台(600m)」と案内標識にもなっていた。あまり居心地が良くないので、先に進む。
 400m行くと南西の尾根の先に一際高く見える展望台がある。壊れた道標があるので行ってみる。雨宿りできそうな大きな岩もある。キョロキョロ見回して行くと、途中で3人組とすれちがう。菅原さんから熊の糞の話しがでた。われわれも、熊の糞だと内心思っていたが、何所かで打ち消していた。見透かされたのか、菅原さんの奥さんがあれはトイレマップ阿部さんのですと冗談を言って別れた。阿部さんはどんな顔をしていたのか見たかった。
 展望台は更に良く岩内方向が見えた。海に浮かぶ狩場山が綺麗だが、少し霞んでいる。熊の糞が近くにあるせいか、落ち着かない。積丹岳をバックに記念写真を撮り、早々に立ち去る。
両古美山山頂(大×) 展望台分岐(大×) 展望台と積丹岳(大×) 海と狩場山
 熊の糞を再び良く見ると、長さで30cmはあった。展望台の壊された道標を改めて良く見ると、尖ったハンマーで左側を叩いたようだ。壊すのはストックでは全く無理だ。支柱にもかじったような跡が付いていた。道標は修復不可能だったが、なんとか下の部分だけ付ける。
 熊に出会ったら、前の3人の方が、若くて美味いよと教えて、われわれは見逃してもらおうと決めて、次の無沢1へ行くことにした。前に3人いるということは何故か心強い。展望台入り口の標識からコブ744mのコルへ向かって下りる。ここには笹の葉より小さな水芭蕉が咲いていた。水の無い笹原に水芭蕉は見たことがなかった。まして、こんなに小さいのはと、まじまじと見る。 
途中の大きな岩 熊の糞 標識を直す 小さな水芭蕉
 コルから見上げる展望台は結構急だ。ここを帰りに登るのは気が重いなど考えて、また、コブ744に向かって登る。コブ744の南を過ぎてから、ロープが垂れている斜面がある(現在ロープなし)。ここを下りると二股の沢の付け根に出る。ここで、先行3人組みの足跡を辿る。どうやら真っ直ぐ行っているようだ(正解は直ぐ左を登る)
ヒメイチゲ ロープで(大×) 下りた登山道 沢左斜面に道
 真っ直ぐ行くと3人組みが道に迷っていた。夏道は直ぐそこに見えた。私も引返した地点まで行って見た。南斜面をジグザグを切って付いているが、笹藪で遮られ行けないようだ。藪漕ぎしないとむりなので、引返した。3人組みは道を見つけたのか、何処かへ行ってしまった。また、アソビホロケール隊だけになってしまい、静けさだけがあった。われわれは藪漕ぎがご法度なので、東斜面の残雪を辿り、夏道に合流しようとしたが、どんどん夏道から遠ざかってしまった。
 遂に、頂上近くまで来てしまった。最後は直ぐそこが頂上なので、頭の出る丈の低いハイマツの薄いところを選んで、ブーブー言う相棒を連れて頂上を目指す。間もなく、3人組みが頂上に着いたのか鈴の音や話し声が聞こえる。やがて、3人組みが我々に気が付いてくれて、菅原さんの奥さんの声が誘導してくれる。菅原さんはわれわれのハイマツ漕ぎの現場写真を撮っていた。何故か照れくさい。ようやく、頂上に付いて、3人組みに背を向ける格好で、山頂標識を境に、積丹岳を見て陣取る。ハイマツがあるので座ると眺望は得られない。 
東斜面の残雪を登る ジグザグの道 頂上(大×) ショウジョウスゲ(大×)
 3人組みはストーブで採ったばかりのキトピロを入れてなにやら作って食べていた。われわれは例によって、おにぎり、カップヌードルとゆで卵だ。それでも太るので困っている。食事をしながら、道南の海向山で迷った話、メールの話しとかをした。相棒がメールは見ていないと言うと、菅原さんが見様に納得した顔が意味深で、相棒の疑惑が深まったようだった。
 3人組みの食事は早い、食べ終わると、直ぐ荷物をまとめて、立ち去ろうとしている。折角、頂上で会ったので、5人で記念写真を撮らせてもらった。また、われわれ二人だけになり、静寂が戻った。写真を撮って引返すことにした。
                     ←大
両古美 当丸 羊蹄山     ニセコ    狩場山                   珊内岳
                     ←大
ポンネアンチシ                   余別岳       積丹岳
                     ←大
泥ノ木山               両古美山
 帰りは夏道を下ってみる。もう、3人組の姿形はずっと下だった。夏道と残雪の間が数メートルというところが見える。きっと3人組みはあそこから来たのかと思った。夏道は、ロープの垂れている沢に繋がっていた。沢に下りると目の前にロープが見えた。
 夏道が残雪に遮られているので、何度か迷いながら夏道を探す。テープは1本も付いていなかった。どうやら、テープ取り付け魔はいないようだ。また、展望台のある南西尾根まで登る。この登りが一番堪えた。
 両古美の尾根も疲れてきたら、ハイマツの根が邪魔だ。帰りは羊蹄山と当丸山を見ながら下るが、残雪で足跡を辿って、また迷った。駐車場を見ると、どうやら3人組みが着いたようだ。帰らないところを見ると、当丸山へ登るのだろう。
ハイマツの根が邪魔 羊蹄山を 岩を見ながら 残雪で迷う
 また、カタクリ街道を通るが、改めて見事な群落だ。小さなコブを越え、登山道に到着する。 また、あのコンクリート越えが待っていた。今度は来たときよりも登り難い、愛棒の尻を押しどうやら登らせる。私は懸垂で何とか登る。当丸山へはもう水も登る気力はないので、次回にして早々に帰る。
 6月25日<2009(H21)年 往復10.326km 登り2:56 下り3:02>
 駐車場⇒1:00⇒両古美山⇒1:56⇒無沢1⇒2:11⇒両古美山⇒51⇒駐車場
 センターハウスの横から階段を下り、シェルタの上に延びる道を辿る。シェルタの上から階段で下りて、シェルタ沿いの踏み後を辿ると、旧道の横に登山口が見えてくる。
センターハウスの横から シェルタの上を シェルタ沿いに 登山口
 入口から夏草に覆われ出した登山道を登って行く。春はカタクリ街道だが、今時期は花が無く展望も無い登山道だが、竹薮に少し伸びてしまったタケノコがある。タケノコを見つけては、足を止めて採るので時間がかかる。途中に距離標識「両古美山520m・展望台1,120m」が現れると、展望も良くなり対峙している当丸山とその後に羊蹄山が見えて来る。
両古美山を 距離標識 当丸山と羊蹄山 羊蹄山
 道端にはゴゼンタチバナやオオカメノキが咲いてくる。尾根に上がるとハイマツ帯になり、ハイマツの根を避けながら歩くので気が抜けない。主稜線越しに残雪のある積丹の山々が見え出す。
ゴゼンタチバナ(大×) オオカメノキ(大×) ハイマツ帯 積丹の山々が
 主稜線を辿って行くと大きな岩が現れる。道端にはイソツツジやコケモモが目立つようになる。展望が開け岩場になると、両古美山の山頂標識が置かれた山頂に到着する。
大きな岩が イソツツジ(大×) コケモモ(大×) 山頂標識(大×)
 山頂から対峙している当丸山とその後に羊蹄山とニセコ連峰が見えていた。雷電山の後に狩場山と思われる山が煙っていた。日本海もすっきりした青い海には見えなかった。
                     ←大
羊蹄山 当丸山         ニセコ連峰    日本海
 更に、登って行くと、以前、山頂標識のあった最高地点806m「無沢1 2,600m展望台600m」に着くが、展望が無いので素通りして、南西尾根を下る。途中、対峙している当丸沼が見えて来る。日本海に向かって南西尾根を辿って行く。
最高地点 南西尾根を下る 当丸沼を 日本海に向かって
 道端にアカモノやエゾシオガマの咲く細尾根の先に、見晴台のある783m峰を見ながら辿って行くと分岐になる。この分岐に立つ「←見晴台」の標識は以前のまま欠けていたが、柱には抉り取ったような真新しい傷がある。真っ直ぐ行くと見晴台なので、右に下って行く。
アカモノ(大×) エゾシオガマ(大×) 見晴台を 分岐
 少し荒れたミズバショウの生えた登山道を下って行くと、目の前に無沢1が望める。後は、暫く藪の中でやたら伸びきったタケノコが目に付むので、採りながら下って行く。下るに連れ残雪のある余別岳の望まれる。コルから再び、登り出すので、採ったタケノコが重いので、帰りに回収しようと道端に置いて、無沢1を仰ぎ見ながら先を急ぐ。
少し荒れた道 無沢1を 余別岳を 無沢1を
 ピークは見えないが地図の744m峰をトラバース気味に辿って行くと、二股の沢が現れる。以前はロープが垂れていたが、今回は無かった。その替わり裸地を彫ってステップし易くしてくれていた。このステップのお蔭で、滑らず沢に下りれた。沢は水量は少ないが岩伝いに真っ直ぐ進んで行く。頼りなくなった残雪の上から目立たない左側の登山道へと取り付く。沢から上がると、また、伸びきったタケノコが目に付き、知らず知らずに採りだす。タケノコ採りをしながら辿って行くと、山頂直下にジグザグに道の付いた無沢1が見えて来る。振り返ると岩内岳と雷電山が日本海に突き出て見えていた。山頂に付くと余別岳が間近に見えて来る。
二股の沢 無沢1を 岩内と雷電山 山頂
 無沢1の尾根伝いに三角点「滝ノ沢2(882.99m)」が見え、その奥に屏風山や珊内岳が見える。余別岳が一番大きく見え、その前にポンネアンチシ山が見え、余別岳と並んで積丹岳が連なっていた。
                     ←大
屏風山 滝ノ沢2 珊内岳                   余別岳 ポンネアンチシ 積丹岳
 振り向くと積丹岳から離れて尖った泥の木山が見えていた。積丹岳と泥の木山の間には、僅かに海が覗けるようだ。
                     ←大
積丹岳                           泥の木山
 当丸山方向を見ると、両古美山、展望台、少し離れて大黒山、霞んでいる余市岳、手前に当丸山、少し離れて平らに見える本倶登山と八内岳、霞んでいる羊蹄山、羊蹄山の手前に三角の気になる山が、海に突き出たニセコ連峰が並んでいた。
                     ←大
両古美 展望台 大黒 余市 当丸山  本倶登 八内岳 羊蹄山      ニセコ連峰
 霞んだ岩内の海を見ると龍神岬、三角点の大川尻、三角点の珊内岳、屏風山、三角点の滝ノ沢2、珊内岳と連なっていた。
                     ←大
岩内  龍神岬 大川尻      珊内岳  屏風山 滝ノ沢2 珊内岳
 時計を見ると11時前だったのとブヨが多いので、直ぐ山頂を後にする。最後に三角点と山頂標識と記念写真を撮す。帰りは、道端のツマトリソウやツバメオモトを見ながら、タケノコを採りながらの下山となる。
三角点:無沢 山頂標識(大×) ツマトリソウ(大×) ツバメオモト(大×)
 二股の沢は登って来たときよりも、残雪が融け水量が多くなったような気がした。途中で、デポしていたタケノコも無事回収するが、一気にリュックが重くなる。目の前に展望台の山が迫り出し、見上げる格好になり戦意消失してしまう。丁度、昼も過ぎたので、コル手前で、誰も来ない登山道に腰を下ろし昼食とする。
 昼食を済ませて、元気が出たところでコルへと向かうと、登って来たときには蕾だったエゾカンゾウが一輪咲いていた。
二股の沢 展望台> コルへ エゾカンゾウ(大×)
 展望台の山への登り返しは、ずっしり重いリュックが堪えて、休みながら登って行く。それでも、見つけたタケノコに手が伸びる。ようやく、尾根に上がり、展望台に寄ろうと思ったが、疲れたので寄らずに帰る。一目散に両古美山にと思うが、足が進まない。ハイマツの根も結構邪魔になる。山頂標識のある山頂に着いて、霞んだ羊蹄山を眺めながら岩の上で少し休む。休んで少し元気が出たので古平の青い海を眺めながら下山を開始する。
尾根に上がる 両古美山を 両古美山の山頂へ 古平を
 海を見ていたら、丸山(604.8m)の肩越しに、余市のシリパ岬、その奥に赤岩山が見えるようだった。
 山頂直下の大きな岩を交わし、再び、展望の無い道を下って行く。疲れきってようやく登山口に到着する。後は、シェルタの脇を通り、金網の階段を下りていると、愛棒が転んでしまう。この金網の階段は一見滑らないようだが、ツルツル滑るので注意が必要だ。
シリパ岬と赤岩 大きな岩 シェルター沿いを 注意!金網の階段

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 二人の山行記録
 2009(H21)年6月25日
(木) 晴れ 往復10.326km 登り2:56 下り3:02
 7:55駐車場所→8:00登山口→8:33両古美山520m・展望台1,120m→8:55両古美山(山頂標識)→8:59両古美山(806m:無沢1 2,600m展望台600m)→9:06展望台分岐→10:08二股の沢→10:51山頂10:57→11:39二股の沢→12:16昼食12:30→13:04展望台分岐→13:16両古美山806m→13:22両古美山(山頂標識)13:29→13:43両古美山520m・展望台1,120m→14:14登山口→14:20駐車場所
 2002(H14)年5月3日(金) 晴れ 登り2:53 下り2:44
 8:08登山口→8:58両古美山→9:07展望台分岐→9:14展望台→9:21展望台分岐→9:40コル→11:01頂上11:44→12:29二股の沢→12:35ピーク→13:00コル→13:42展望台分岐→13:42両古美山→14:28登山口