南暑寒岳(1296.4m) 沼端山955.7m

 ポイント
 景色も抜群で、花あり、滝あり、川あり、多くの沼ありで、変化に富んでいる。家族連れにはちょっと長い行程が難点だ。夏山ガイドでは初級の山となっているが、往復18kmを越える距離は決して侮れない。
雨竜沼湿原コース

 アクセス
 雨竜町まで辿り着くと、大きな看板があり、雨竜沼まで舗装と砂利が交互にある道を行く。途中で、幅の狭い尾白利加ダムの上を走行する。特に砂利道は細く、交差出来ないところもあるので大型車が来ないことを祈って30km近い林道を慎重に運転する。
 駐車場は全面舗装で、観光地並みの広さがある。駐車場は傾斜になっていて白線間隔も狭いので、ドアの開閉は隣りの車に接触しないように慎重にする。ちなみに、私の車はドア傷が数か所付けられている。
 国土地理院の地形図 GPSトラックは「山の地図帳2007.7.19」へ 周辺地図  
=写真をクリックすると大きなサイズになります=
 7月19日 <2007(H19)年 登り3:54 下り3:15>
 駐車場から水洗トイレに寄り、新しくなっていた暑寒荘で登山届を出す。登山届は個人情報保護法とやらで複写で投函式に変更されていた。環境美化整備協力金も以前は確か200円だったと思うが500円に上がっていた。二人で1,000円と言うことで、懐具合から夕食の外食は消えたようだ。最初は林道を辿ることになるが、直ぐに定山渓神威岳を小形にしたような円山が顔を出す。ペンケペタン川に架かる鉄の橋を渡りながら、相変わらず砂利道の林道を辿る。
駐車場からトイレへ 登山道へ入る 円山を見ながら
 渓流第一吊橋が現れ、渡ると急で本格的な登山道となる。途中に「南暑寒別岳まで8,200m、雨竜沼湿原入口まで2,200m、白竜の滝まで500m」と書かれた看板が、こくろうさま、自然を大切にとメセージを送っている。改めて、8.2kmは長いと相棒と話しをするが、行かないとは言わなかった。円山の岩壁が良く見えるようになってくるので、よく見ると縞模様が綺麗だ。縞模様は植物が生えている地層と全く生えていない岩盤とが交互になっているようだ。その上に溶岩と思われる地層が乗っかっているようだった。白竜の滝の分岐に着いたので、滝を見に行く。「白竜の滝」と彫られた太い柱の傍で滝と共に記念写真を写す。
渓流第一吊橋 南暑寒別まで8.2km 岩壁の縞模様 白竜の滝(大×)
 広場から更に滝壷に下りる道があり、下って見ると、虹が出ていた。この虹は登って帰るに従い上へと移動して見えた。直登する道を避けて、元来た道を帰り滝の上にでると、また、滝の名前が彫られた太い柱があり上から滝を見下ろすことが出来た。虹は今度は斜めに出ていた。
滝壷の虹 中段の虹 上段の虹 斜めの虹
 渓流第一吊橋より一寸小振りの渓流第二吊橋を渡る。吊橋の踏み板は格子状の鋼板なので、靴裏の泥が良く取れて雑草の種の持ち込み防止にもなっているのかと思う。谷を振り返れば、雲海の上に大雪山、十勝連峰、芦別岳、夕張岳が連なって見えていた。大きな木の根を登りながら、登山道を辿って行くが、以前あった合目の標識が見当らないまま、湿原からペンケペタン川が流れ出る場所に到着する。ここで「険竜坂」と呼ばれる急な登山道が終る。
渓流第一吊橋 大雪山を 大きな木の根を ペンケペタン川
 ペンケペタン川から離れて、少し小高い所にあがり、沼に下って行く。下って行くと、始め暑寒別岳が真正面に見え、ついで南暑寒別岳が見えて来る。湿原には爽やかなというよりは少し強い風が吹き抜けていた。いきなり、ヒオウギアヤメの群落があり、そのなかの別嬪さんの一輪を写す。まだエゾキンポウゲやオオタチツボスミレも咲いていた。
暑寒別岳が ヒオウギアヤメ(大×) ヒオウギアヤメ(大×) オオタチツボスミレ(大×)
 靴底の泥取りのために洗濯板状態に作られた木道を下って行くと、小川があり、洗車ブラシも備え付けられていた。念の為に、靴底を見ると、全く泥が付着していなかった。それもそのはず、雨が降らないのでパサパサに乾いた登山道を登ってきたためだ。それでも、小川に入り、靴底を洗い、また、洗濯板状態の木道に上がると、休憩所が出てくる。看板も設置され、花の名前や注意事項が掲示されていた。休憩所を後にして木道を進むと、道端にミツカワシやコケイランと思われる花が咲いていたが、風が強いので思うように写せない。それでも、何とか頑張って写すことができた。他にもヒオウギアヤメやエゾカンゾウなども咲いていた。
泥取りの洗濯板状 休憩所 ミツカワシ(大×) コケイラン(大×)
 木道は真っ直ぐ暑寒別岳に向って伸びている。木道の両側に沼が現れるが、名は無いようだ。名前があっても多すぎるので、大変だと思うが、府県ならば全部に名前が付いていることだろう。南暑寒別岳方向に櫓のような展望テラスが現れたので、上がって振り向いて見ると、蛇行するペンケペタン川が綺麗だった。
暑寒別岳を 展望テラス ペンケペタン川
 展望テラスには「雨竜沼湿原」の看板があり南暑寒別岳と暑寒別岳が並んで写せるようになっている。テラスを下りて、また、木道を辿ると、丸い浮き島のある沼や形の変わった沼、真っ青な沼が現れる。
南暑寒と暑寒別 丸い浮き島 形の変わった沼 真っ青な沼
 風の吹き抜ける湿原の木道の先には南暑寒別岳と暑寒別岳が交互に正面に見えている。木道を挟んで波立つ丸い沼と静かな「オゼコウホネ」が咲く沼が対象的に見える。波だっている沼は一寸高い位置にあり、水深が浅いので風波が立つのだろうか?静かな沼にはオゼコウホネが黄色い小さな花を水面に出して咲いていた。それにしても、数メートルしか離れていない二つの沼の高さが違うのには驚きだ。
風の吹き抜ける湿原 波立つ沼 静かな沼 ウリュウコウホネ
 青い沼越しに暑寒別岳を見ながら木道を歩いていると、木道にトンボが風に飛ばされないように掴まっているが、羽は半分あおられて必死の様子だった。木道は一方通行となり、時計回りに辿ることになる。青空の下で、綺麗に映える丸い沼が現れて、ペンケペタン川の右股に架かる鉄の「浮島橋」を渡る。
青い沼と暑寒別 トンボ(大×) 青い沼と青空 浮島橋を渡る
 道端には「クガイソウ」と思われる花が咲いていたが、風に吹かれているので、思うように画面の中央に納まらず、ブレも加わり散々だった。ヒオウギアヤメの咲く木道を辿って行くと、沼の真ん中に浮島と思われる塊が浮いている沼があった。相変わらず木道沿いにはエゾカンゾウが彩りを添える。
(大×)クガイソウ ヒオウギアヤメの木道を 浮島のある沼 エゾカンゾウの木道を
 浮いているかどうはは確認できないが、浮いているような塊がある沼にドンドン近づいて行く。時折、吹く強風に帽子も脱げ、髪が草原と共になびきだし、自然に溶け込んでしまったような錯覚に陥る。
                                         ←大
浮島のある沼
 丸い沼があり近づいて見ると「オゼコウホネ」がここにも咲いていた。ワタスゲの真っ白なぼんぼりは強風になびいていた。空よりも青い沼も現れる。
丸い沼 ウリュウコウホネ ワタスゲ(大×) 青い沼
 また、暑寒別岳に向って木道を辿って行くと青い沼や川の跡のような沼、ペンケペタン川の右股と思われる川が沼の様に振舞っていた。
暑寒別岳に向って 青い沼 河跡沼? ペンケペタン川
 トンボ沼や毛深い沼が現れると、展望台分岐になり、南暑寒別岳を目指して進む。真っ白なワタスゲが固まって風になびいていた。シナノキンバイソウも咲き出すと、何時の間にか草原から山道へと変化して来ていた。
トンボ沼 毛深い沼 ワタスゲ(大×) シナノキンバイソウ(大×)
 急な木の階段を登って行くと、雨竜沼展望台の看板が立っている。看板には南暑寒別岳まで3kmの表示がある。展望台へ上がろうと思ったが、傾いていて立入禁止になっていた。仕方が無く、傍から雨竜沼湿原の全景を眺める。
 沼端山がどこか分らないまま、傾斜の緩い登りを登って行くと、ダケカンバの門を潜る。やがて、七合目の標識が現れる。展望が開けた所から振り返ると湿原と大雪山、十勝岳、芦別岳、夕張岳が並んで見えた。右手には留萌の港や海が広がっていた。ようやく、八合目の標識が現れる。
湿原の全景 ダケカンバの門 湿原と大雪・十勝 留萌の海
 振り返ると、再び、湿原と大雪山・十勝連峰が見えていた。ようやく、風の当らないところに来たので、ハイオトギリを写せた。八合目を過ぎると、一寸した湿原が現れ、ミツカワシ、カラマツソウが咲いていた。
湿原と大雪山 ハイオトギリ(大×) ミツカワシ(大×) カラマツソウ(大×)
 小さな湿原にはヨツバシオガマも咲いていた。九合目の標識がないままハイマツ帯を通過すると、山頂手前の三角点のような石柱越しに黄金山が顔を覗かせていた。山頂は、これから直ぐ奥で平坦な道を辿ると、山頂標識の奥に暑寒別岳が鎮座していた。
ヨツバシオガマ(大×) 山頂手前で黄金山が 山頂直下 山頂
 山頂に着くと、大展望が広がっていた。山頂標識から時計回りに、大雪山、十勝連峰、芦別岳、夕張岳、樺戸の山々、黄金山が連なって見えていた。群別岳はピラミダルな山容が凛々しく、暑寒別岳は目の前に聳えたって見える。留萌の海も近くに望むことが出来た。
                                         ←大
 山頂        大雪山  十勝連峰  芦別岳 夕張岳  樺戸の山々                     黄金山
                                         ←大
              群別岳                       暑寒別岳             留萌の海
 暑寒別岳を目の前にしてランチタイムと洒落たが、風が強く、閉口する。暑寒別岳や群別岳を見るとまだ残雪が残っていた。昼食を終えて、暑寒別岳への登山道脇に小さな沼を見付け写真を写したり、独特な形の黄金山を見たりていた。
暑寒別岳 群別岳 小さな沼 黄金山
 改めて、留萌の海や湿原の奥に広がる大雪山を写して、暑寒別岳への縦走路を覗いて、HYMLのナニワヤさんはこの縦走路を辿ったんだと思っていたら、ひょっこりロープの下から男性が姿を現しびっくりする。愛棒は盛んに、その男性に縦走路のことを聞いていた。男性は指をさして説明するが、チンプンカンプンらしい。どうやら、岩場は結構細く落ちたら命はないらしく、一番の難所は、南暑寒別岳に登り返すときのようだった。片道1時間半かかったとのことで、片道4kmなので、俊足のようだった。
 昼食を終えて、暑寒別岳方向に伸びる登山道を写し、山頂を後にする。先行する相棒がキアゲハチョウが居ると教えてくれたので、写そうとするが、直ぐに逃げて中々写せなかった。ゆっくり近づいて行くと安心したのか羽を広げてくれた。
留萌の海 湿原と大雪 暑寒別岳への道 キアゲハチョウ(大×)
 湿原と湿原を挟む恵岱岳や群馬岳の奥に広がる大雪山や十勝連峰を見ながら下って行く。湿原に入るとミツバチグリと思われる黄色い小さな花やエゾノシモツケソウと思われる赤い花を写そうとするが、風になびいて中々思うように写せなかったので、大雑把に写して満足する。
湿原と大雪を見ながら 湿原と大雪 ミツバチグリ?(大×) エソノシモツケソウ?(大×)
 カキツバタ、ワタスゲ、お花畑を写して、一方通行の木道に入る。
カキツバタ(大×) ワタスゲ(大×) お花畑 一方通行の分岐から
 疲れた足取りで、空よりも青い池塘群を見ながら木道を辿る。木道は真ん中の板を歩かなければならないので、結構疲れる。
空よりも青い池塘群
 振り返ると、暑寒別岳の右手にレンズ雲が見えた。レンズ雲は暖域の雲なので違うかもしれないが、形はレンズ雲のようだった。木道の傍にクロバナハンショウズルを見付けるが、強風で写すことが出来ない。やむなく、相棒が茎を掴んで一瞬、風が収まったときに写すが、やはりピンぼけだった。
 新しい木道のルートを歩いていると、水芭蕉のところに、トイレ跡を発見する。上に水芭蕉の葉っぱを数枚被せてはいるがティッシュが散乱していた。木道を外れた所で用をたすなんて残念で仕方がなかったが、回収する道具を持ち合わせていなかった。
 再び、昔のルートに戻って以前の木道の跡を振り返って見る。帰路は「ほつれ雲」の様な雲が広がっていた。
レンズ雲 クロバナハンショウズル大× 以前の木道の跡 ほつれ雲
 湿原のパノラマ写真を写していなかったことに気が付き、遅ればせながらカメラを振って見る。
                               ←大
           群馬岳                                                南暑寒岳 
                               ←大
 南暑寒岳         暑寒別岳
                               ←大
                 恵岱岳             ペンケタン川の落ち口
 改めて、名残惜しいので、南暑寒別岳と暑寒別岳を丸い沼越しに写す。
                     ←大
            南暑寒岳          暑寒別岳  レンズ雲      丸い沼
 南暑寒別岳と暑寒別岳をバックに水面の高さの違う沼を写す。左の沼の水面が高く波打ち、右が低く穏やかな水面だった。
                                                   ←大
左の沼の水面が高く波打ち、右が低く穏やかな水面
 展望テラスからもパノラマを写す。蛇行するペンケタン川とその上流に広がる湿原を写して、湿原を通り抜ける風に吹かれて、満足して下って行く。
                                         ←大
蛇行するペンケタン川とその上流に広がる湿原(展望テラスより)
 谷を下って行くと、朝よりも雲が取れた深川の市街とその奥に大雪山が拡がって見えた。登山道脇にはピンクのヤマアジサイが咲いていた。ここの土壌だけがPHが高くアルカリ性なんだと改めて驚く。最後に、バンガローのある登山口に着き、旧暑寒荘前からバンガローを見ると、その奥に大雪山が広かって見えた。真新しい暑寒荘前にある橋の袂のポストに登山届の複写を入れれて終わる。花を見ながらなので結構時間がかかったことを改めて思う。
深川と大雪 ピンクのヤマアジサイ大× バンガローと大雪 新しい暑寒荘
 10月1日 <2000(H12)年 登り2:52 下り2:59>    北の山遊詩:湿原の秋の日 カエルの国勢調査 
 登り初めの天気はまあまあ良く、定山渓にある神威岳のような円山が良く見える。まもなく、新しい吊り橋が現れ、二番目の橋も新しくなっていた。白竜の滝も現れる。湿原が近くなると、崖崩れがあり、補修工事を行っていた。湿原の手前には大きな岩を木が抱きついていた。湿原の木道は工事中だった。沼はもちろん花はなかったが、金色の野原に変わっていた。
円山 白竜の滝 岩を抱く木 金色の湿原
 沼の植物の紅葉を見ながら、木道を南暑寒別岳に向って歩く。小川が波打つくらい風が強かったので、黄金に変わった草原は風になびいて綺麗だった。
沼の紅葉 木道を行く 真正面に山が 金色の湿原を(大×)
 湿原を過ぎると展望台があり、沼が一望できる。この展望台の下は、雨をしのげるようになっていて、避難場所としても使えそうだ。ベンチも多数ある。5年前は展望台まで来て帰ったが、今回は山頂を目指す。
 展望台を過ぎると、だらだらと登るようになる。ガスがかかっているので、なかなか頂上が見えないが、紅葉の中を登って行く。時折、晴れ間が出て、振り返れば登って来た登山道と途中にあった小さな湿原が金色に輝いてみえた。留萌の海も雲の切れ間から僅かに見えた。
展望台から湿原 紅葉の中を(大×) 湿原方向を振り返る 留萌の海を見ながら
 頂上手前には紛らわしい三角点?があった。頂上近辺の紅葉はピークを過ぎ、落ち葉になっていた。頂上に着いても風が強く、ガスがかかって隣りのピークが辛うじて見える程度だった。頂上で記念写真を撮していると、強風が吹き、一瞬、暑寒別岳、南尾根や沼が見えたが、また、直ぐにガスってしまう。
隣のピーク ガスの中の頂上(大×) 暑寒別岳への道が 南尾根

二人の山行記録もくじ5へ    次雨竜沼湿原へ   アソビホロケール山へ

 二人の山行記録(遊びの時間を含む) 
区分 登り 下り
年月日 00.10.1 07.7.19 00.10.1 07.7.19
天気 晴曇り 晴れ 晴曇り 晴れ
登山口 7:40 8:00 14:10 15:43
第一吊り橋 - 8:11 - 15:30
白竜の滝 7:59 8:24 13:49 15:18
第二吊り橋 8:05 8:38 13:42 15:10
休憩所 - 9:25 - 14:31
展望テラス - 9:32 - 14:24
木道分前 - 9:41 - 14:17
木道分後 9:10 10:02   13:51
展望台
(後3km)
9:21 10:19 12:23 13:39
六合目 9:28 - 1216 -
七合目 9:43 10:48 12:01 13:12
八合目 10:02 11:18 11:38 12:52
頂 上 10:32 11:54 11:11 12:28
タイム 2:52 3:54 2:59 3:15