旧送電線乗越860m峰
=手稲山南=

 ポイント
 手稲山南面の岩壁、札幌市街が良く見える。送電線下は意外と滑りやすいスロープが少ない。
旧送電線下ルート

 アクセス
 西野二股から右股橋を渡り、平和の滝を目指すと大平和寺に着く、そこの前が駐車場だ。平和の滝の駐車場は閉鎖されているので平和寺前に10台程度の駐車スペースがある。旋回する場所を空けて駐車して欲しい。土日祝日は満杯になることが多いので、道端の邪魔にならないところに駐車させてもらおう。
 国土地理院地図 GPSトラックは「2005.1.3」の地図帖へ 周辺地図
 1月3日<2005(H17)年 往復スキー8.414km 登り4:14 下り1:34>
=写真をクリックすると大きなサイズになります=
 平和寺に一番乗りだった。琴似発寒川沿いの手稲山遊歩道は雪が踏み固められていて高速道路状態だったので、喜んで送電線へ急ぐ。途中の砂防ダム、夏は赤い水を流し続けている向って左側の放水口も凍って真っ白だった。今日は峯越(三角点名:858.9m)に新送電線下から行こうと思っていた。
 新送電線下に着くとピンクテープはぶら下がっているが、誰も入った形跡が無かった。始めからラッセルしたのでは頂きへは行けないので、旧送電線へ向う。手稲山へはまだ踏み固められた道が続いているが、旧送電線へはあまり人が入っていないようだった。旧送電線下を見上げると、何人かのトレースが見えたので、泊幹線178の黄色い看板から左に入る。スノーブリッジを渡ると、いきなり急斜面が待ち構えていた。
平和寺横の入口 砂防ダム 送電線下を見上げる スノーブリッジ
 刻々と変化する手稲山の岩壁が見事に一望出来満足する。印象的だったのは一番大きく右のコメカミに青筋を立て、白く長い髭を生やしている賢人だった。526mからは二人連れのトレースのみとなった。湿った雪で濡れたのか送電線がブーンと音を立てている。その下を登って行くので、時折、送電線から雫が滴り落ちてくる。振り向くと霞んだ市街地が見えていた。
手稲山の岩が顔を出す 岩壁が良く見える 526m上の雪原 市街地が
 振り向くと手稲山の岩壁や市街地は、だいぶ後ろに見えていてた。613m地点からは、二人連れも引き返し、トレースが無くなった。 613m地点に立ち止まって手稲山を見ると、まるでマッコウ鯨の様だった。膝まで雪に埋まりながら、急斜面を何とか上がると、30cmくらいのラッセルとなる。
 時折雪が強く降るので、780mのコブまでは登ろうと思い峰を見上げながら登って行く。
手稲山の岩壁 市街地が 613m地点から手稲山 峰を見上げる
 780mのコブに立ち形の変わった手稲山を望む。このコブに生えていた木も台風で折れていた。
 さて、帰ろうとシールを剥ぎかけたが、未練多らしく尾根を見上げる。旧送電線が尾根を乗越す860m地点まで何とか行けそうな元気が出てきた。再び、横目で新送電線のピークになる峰越を見ながら登って行く。
 遂に旧送電線が尾根を乗越す860m地点まで上がり、反対側の四ツ峰を見た。左側に定天も見えたようだが、確信は持てない。
780mから手稲山 新送電線の乗越 新送電線乗越を見上げ 四ツ峰
 いきなり、地吹雪状態になるので早々に下り、札幌市街を見ながら食事をする。モエレ山が結構な白さで良く見えた。阿部山越しに、三角山から奥三角(よこして)山、藻岩山が並んで見える。
                     ←大    
手稲山           モエレ山 札幌市街   三角山  阿部山 藻岩山
 昼食が終わり、新送電線の峰越を目に焼き付けて下る。下りは、@ストックが埋まりそのまま転がる、A笹に引っかかり転がる、B潅木に引っかかり転がる、と雪だるま状態だった。みなさん、良くあんなところで滑っていると感心しながら、ジグを切る。単独で足を折ったら命取りなので慎重に下る。
 隣の新送電線下の傾斜が滑るには良いのではと思いながら下って行く。隣の○○は良く見えるとの喩えかと一人で苦笑する。それにしても、気温がプラスになったお陰で、スキー板に雪が付くのには難儀をした。最後になったっら、急傾斜でも真っ直ぐ降りられるくらいだった。

 途中で、手稲山の岩壁が一望出来るところがあり、暫し見とれる。手稲山南面の岩壁はロッククライミングをする人がいてW-T、W-U、W-V、W-W、W-Xと名前が付いている。壁は30mから60m位で向って一番右のW-Xが最大なようだ。
 壁の表情を見ると山頂直下の小さな岩壁は猿面、W-TとW-U、W-VとW-Wは岩が目で、その間に白い髭のある顔に見え、W-Vの上には良く漫画で描かれる青筋状の岩がある。、W-Xは横向きの骸骨のようだった。
                     ←大    
西峰   手稲山山頂     W-T W-U W-V W-W W-X

 =送電線考=
 泊幹線178の意味を調べるために、カシミールで追ってみた。やはり、旧送電線の山に向って左側は泊原子力発電所に繋がっていた。右は西野変電所から小樽や余市に電力を供給しているラインだった。新送電線は西野変電所から喜茂別方向へ泊発電所で発電した電気を送るラインだった。勿論、西野変電所から札幌にも電気が供給されている。道央地帯は原子力で灯された街なのだ。

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 山行記録
 2005(H17)年1月3日(月) 曇り 往復スキー8.414km 登り4:14 下り1:34
 7:41平和の滝→8:01・1km地点→8:24スノーブリッジ→8:59・526m→10:45・613m→11:30・780mコブ→11:55・860m尾根12:17→13:27スノーブリッジ→13:51平和の滝