2000年新山(194m)西山峠(215.5m)金比羅山山麓縦走
=有珠山山系(西山山麓火口散策路と金比羅火口災害遺構散策路を結ぶフットパス)=

 ポイント
 西山山麓火口散策路の南口をスタートして2000年新山に上がり北口に下りる。北口から西山峠に向かって砂利道を登って行く。峠を下った所に金比羅山への道があるが、途中でゲートがあり立入禁止になっている。綺麗な二つの火口沼を間近に覗ける(珠ちゃん火口は藪漕ぎになった)。最後に、道が分岐し、左に行くとダイレクトにビジターセンター入口に行ける。右に曲がると金比羅火口災害遺構散策路経由で入口に出る。西山や金比羅山の山頂までは行けないので、最高地点は峠になる。

 アクセス
 洞爺湖湖畔の道道2号線(洞爺湖登別線)から町道泉公園線に入り、西山山麓火口散策路北口、展望台を通り過ぎ下って行く(駐車場は無料)。
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 10月13日<2022(R4)年 縦走5.883km 1:48> 
 南口の駐車場に着くと、一台も駐車していなかった。散策路の入口に立つ数種類の案内板を見て出発する。散策路の入口になる被災したとうやこ幼稚園が痛々しい姿で迎えてくれた。窓ガラスは割れ、中は雑草が生え出している。園庭の東側は植生回復観察エリアとなっているが、何が回復した植物なのか判別出来ずただの藪に見える。幼稚園の送迎用バスも錆びて朽ち果てようとしている。何故か、道南バスもある。
案内図 とうやこ幼稚園 壊れかけた建物 道南バス
 北側の土手の上にはベンチが置かれ、船が浮く噴火湾を見ながら憩えるスペースがある。そこから園庭を眺めると、瓢箪池があり、山側が隆起した証拠が見えて来る。ジャングルジムは錆びついてはいるが、今だ、子供たちの歓声も付いているようだ。元町道「泉公園線」だった道の横に舗装された遊歩道が延びている。ミニチア地溝帯の解説板が出て来ると、地面の陥没した所や浮き上がったボックスカルバート(箱型管梁)が見られる。
園庭 遊歩道 ミニチア地溝帯 ボックスカルバート
 壊れた家や自動車を眺めて、登って行くと、何時の間にか枕木ロードに変わっていた。壊れかけた製菓工場を眺めて登って行くと、「道路に火口ができた」と書かれた解説板や豆畑だったという看板がある。解説板「人里で火口が開き断層が動いた」も設置されている。山頂には、小屋や観測装置、9枚の方位標識がある。方位標識はそれぞれの方向を指していた。
壊れた家 壊れた製菓工場 火口が断層が 2000年新山山頂
 振返ると、登って来た枕木ロードと噴火湾が一望される。「枕木ロード沿いの地熱帯」の看板もあり、踏み抜いてやけどをしないように枕木を並べたと記されていた。「2000年新山の割れ目火口」という看板もある。
                     ←大
噴火湾
 第2展望台からは、西山や羊蹄山の頭が見えていた。2000年新山の山頂は、第2展望台にもなっていてベンチもある。第2展望台の看板の前に火口が見えたはずだが、草で覆われていた。第1展望台に行っても火口は草で覆われていた。
西山 羊蹄山を 第2展望台 第1展望台
 第1展望台には、「町道を横断した火口列」の看板がある。羊蹄山を眺めながら引き返す。旧町道の折れた電柱や道路標識が横たわっていた。
火口 羊蹄山 羊蹄山 折れた電柱
 「町道を横切った断層」の解説板があり、このアスファルトの道路だった所が波打っているのはミニチア地溝帯のようだった。北口を抜けると西新山沼が見えて来る。途中、幾つかの道標があり分かりやすくなっている。沼の解説版「道路が沼になった!」があり、旧国道230号線はここから下って第1展望台に繋がっていたというから驚きだ。それが盛り上がってせき止められて沼になったという。旧胆振消防部(現在資料館)の写真を眺めてフットパスの道へと進んで行く。
ミニチア地溝帯 西新山沼 道標 旧胆振消防部
 トイレを過ぎると、フットパスコースのTHが現れる。バス停の時刻表を眺めると、室蘭や洞爺湖方面に結構本数があるようだ。車両進入禁止の看板を眺め、砂利道を登って行くと、栗が落ちていた。また、フットパスの道標が現れるが番号が落ちてしまっていた。
TH バス停 くり T●
 ゴミ焼却場の白い煙突を見上げて登って行くと、何かの施設が建っている西山峠になる。峠から下って行くと広場が出てきて、「町道にできた断層」の解説板や北大の火山観測装置もある。その一角に地熱発電所に通じる道があり、立入禁止のゲートが設置されている。
ゴミ焼却場 西山峠 測定装置 地熱発電所
 少し下がると、「有珠山砂防事業概要図」があり、国道230号線が今と違った所に描かれている。この分岐から金毘羅山へ行けるかと辿って見る。西山川1号スリットダムが出て来る。このダムは昭和54年に出来たようだ。近くに「有珠山に緑を回復させる国有林治山(2000年噴火以降」の看板もあるがチンプンカンプンだった。奥にゲートがあり立入禁止の看板が立っていた。この道を辿れば金毘羅山に行けそうだが、引き返す。途中で、車が行き交うので歩行に注意の旨の看板がある所を見ると歩いている人がいるようだ。引き返して、洞爺湖に向かって下って行くと、くたびれた木の実沢展望台の看板があるが、展望は全く無くなっていた。小さな沢には橋が二つ架かっていたが、今はぬかるんではいなかった。暫し、紅葉の始まりを楽しんで下って行く。
1号スリットダム ゲート 紅葉
 「有くん火口の分岐点」の看板から、火砕丘を登り切ると、内側にコバルトブルーの水をたたえた沼が見える。水面には水鳥が群れをなして泳いでいた。以前は、無かった光景だった。水草が生え、魚が住むようになったのだろうか。
                     ←大
有くん火口(KA火口)沼
 有くん火口(KA火口)の火砕丘からは、羊蹄山、洞爺湖、中島、温泉街が見えていた。
           ←大
羊蹄山   洞爺湖      中島    温泉街
 羊蹄山と洞爺湖のコラボを眺めて遊歩道に戻ると、ゴミ焼却場辺りで追い越された軽自動車が停まっていた。「球ちゃん火口」の看板はあるが、火口への取り付き道が無い。階段付近を右往左往していると、道路整備の男性が上がって来て教えてくれた。階段の下の「木の実沢の火山性活断層」の看板のある所で、ロープを張っている中だった。踏み跡と化した取り付き道を奥へと辿ると球ちゃん火口沼があった。再び、遊歩道を下って行くと、舗装道路に出る。振り返るとTDの道標もある。この道は、国道230号線だったのだろう。
羊蹄と洞爺湖 取り付き 球ちゃん火口沼 分岐TD
 舗装道路は分岐で左に行くと、ダイレクトにビジターセンターに行けるが、災害遺構を見ようと右に曲がる。舗装の最後にTCの道標があり、スリットダム沿いに西山川へと下って行く。西山川は小川で、飛び石伝いで渡渉する。沢から登りきるとTBの道標になる。
国道230号線 TC 西山川を振り返る TB
 TBには「洞爺湖電気鉄道の鉄橋跡の看板があり、上を見ると鉄橋の橋脚が見えた。TAに下って行くと、線路跡だったかもしれない道が分岐していた。再び、西山川へと下って行くと、目の前に、桜ヶ丘団地が見えて来る。板に足場を付けた急な階段?を下って行き
電気鉄道 鉄橋跡 TA 桜ヶ丘団地
 さくら橋の手前にT@の道標、「金比羅火口災害遺構のご案内」の看板、現在地表示の看板がある。良く見ると@からCは二つづつある。橋を渡りきると、「元桜ヶ丘団地と熱泥流の被害」「桜ヶ丘団地」の看板がある。団地を一周すると、羊蹄山が真正面に見えて来る。流れて来た木の実橋、やすらぎの家を回って行く。
T@ 現在地表示 羊蹄山が やすらぎの家
 最後に、ゆかりの碑を訪れて、高校生と思われる修学旅行のご一行さんを掻き分けて管理棟へ向かう。管理棟で募金箱に100円硬貨を入れて、リーフレットをもらう。長い展望台に上がり、西山と金比羅山を眺める。草むらを良く見ると、「ようこそ!」「ハートマークTOYA」の文字が浮かび上がって見えた。
ゆかりの碑 管理棟 ハートTOYA
 洞爺湖や洞爺湖に浮かぶ中島を見ながら下って行く。舗装道路だと思っていた導流提の上を歩いて、最後は愛棒の待つ駐車場へたどり着く。

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 二人の山行記録 (遊びの時間含む)
 2022(R4)年10月13日(木) 晴れ 縦走5.853km 1:48
 8:41南口→8:50ミニチア地溝帯→8:56/2000年新山(第2・第1展望台)9:01→9:04断層→9:09北口→9:13西新山沼→9:15TH→9:29煙突T●→9:31峠→9:33地熱発電(観測)所→9:35金比羅山分岐→9:381号スリットダム→9:40ゲート(立入禁止)→9:44分岐に戻る→11:26珠ちゃん火口展望台→11:30有くん火口展望台11:33→11:36木の実沢展望台→11:39道標T-8(林道へ)→11:44道標T-9(煙突)→11:49引き返し(西山駐車場まであと360m地点)→12:02木の実沢展望台→12:06有くん火口展望台12:10→12:13珠ちゃん火口展望台12:15→10:29駐車場